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第三話 神たちが用意してくれたもの
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どれくらい眠っていただろうか。
俺は顔に何かが当たる感覚で目が覚めた。
上半身を起こして寝ぼけた目を擦りながら体を伸ばす。
「んー!! あぁ……」
どうやら俺はぐっくりと眠っていたらしい。爽やかな風が頬を撫でる。
ぼやけた目がだんだんピントが合ってくると、まず目の前に家が見えてきた。
「おおおおお!」
決して広いとはいえないが、俺が一人で住む分には問題なさそうな大きさだ。
バンガローのような作りになっており、床下は少し持ち上がっている。
入り口近くと側面にはバルコニーも設置されており、椅子とテーブルを置いてゆっくりくつろぐにもよさそうだ。
さらにその脇には小さな畑が出来ている。何か植物が生えているが、遠目からはわからない。
そして周りは木々が家を中心に丸く囲うようにして生えていた。
「すげー!! 神様ありがとう!!」
両手を上げて天を仰ぎながら声を出す。聞こえているかわからないが、夢にまで見た一戸建てだ。
これから生活基盤をしっかりして、自給自足のスローライフが待っている!!
俺は胸がわくわくしながら立ち上がろうとした。
「ん?」
地面に手をついた時、何か柔らかい感触が伝わってきた。
地面の感覚とはまったく思えないその感覚に、俺は恐る恐る手の方向へと目をやると……
『いたいよー! 重いよー!』
俺の手は何かゼリーで出来ていそうな物に乗っかっていた。正確にいえばゼリーみたいなのを手で潰している。
弾力のあるそれは逃げようとしているのか、手から離れようと必死に動いているかのように見えた。
「うわぁ!!」
思わずびっくりして手を引っ込めると同時に声が出る。
その物体は俺の手が離れると俺から少し距離を置いてぷるぷるし始めた。
この丸いフォルムに綺麗な青色……俺はこいつをゲームの世界で見たことがある。
「まさか……スライムか?」
『そうだよー! あなたはだぁれ??』
まさか本当にスライムがいるなんて!! 俺はテンションが上がりまくっているのに気付いた。
なんたってスライムだ! しかも意思疎通が出来るぞ!! 頭の中に直接言葉が聞こえる感じだ!
すげぇ!! 異世界すげぇ!!
興奮しまくってる俺にドン引きしてそうなスライムが少し後退ったのが見えた。
いやいやいや、年甲斐もなく興奮してしまったが、まずは自己紹介するべきだろう。
「俺の名前は和泉士郎。君の名前は?」
『ぼくー? ぼくに名前はないよー??』
ほほう。このスライムには名前がないのか。
もしかしたらスラリンみたいな名前があるかと思ったが、どうやら違うらしい。
ん? いやちょっと待てよ? この愛くるしいボディで忘れていたが……スライムって魔物じゃねぇのか!?
いや確かに神様も『人間はいない』って言ってたが……あ、もしかしてこいつらが例の原住民か??
それなら気のいい奴らと言ってた気がするが……。
俺は念のため確かめなければならない事をスライムに聞いた。
「な、なぁスライムくん?」
『なぁに?』
「ももももももしかしてだけど、君の食事はその……えっと……人間とかだったりしない……よね?」
『うんー。僕らは人間たべないよー! お爺ちゃんがまずいって言ってたもん』
(美味しかったら食うんか!?)
思わず声に出そうになったが、確かに人間は雑食だから美味しくないと聞いたことがある。
いやその前に今この子『僕ら』って言ったぞ!? もしかしてスライムがいっぱいいるのか!?
まぁ原住民って言ってたもんな。スライムがいっぱいいてもこの子のようなタイプなら問題ないだろう。
「そっか、ありがとうな」
『いーえー!』
どうやらさっきまでの警戒心はなくなったらしい。俺の元まで跳ねながらくると、めいいっぱいジャンプしながら話しかけてくる。
せっかくこの世界で初めて出来た喋れる友達だ。その後もこの島について知ってる事を聞いてみたが、どうやらあまり深く迄は行ったことがないらしい。
だが、この場所はいつも魔素に溢れているので散歩がてらたまに来るそうだ。
確かにスライムのぴょんぴょん移動は大変そうだもんな。
「そういえば人間は食べないのを分かったけど、いつもは何を食べてるんだい?」
『んー、なんでもー。木でしょ? 草でしょ? 石でしょ? あ、たまーにお肉!!』
「ほほー、お肉も食べるのか」
簡単に言えば雑食だ。スライムは基本的になんでも食べるらしい。
しかしお腹が空いたから食べるというよりも、気まぐれでその辺の物を食べてるのだとか。
そしてお肉を食べるとも聞いたが、どうやらスライムの中ではご馳走らしい。
この森に動物などもいるが、基本的にスライムでは倒せないそうで、死んだ後の腐肉を食べるようにしてるのだとか。
「なるほどねー。スライムは逞しいんだな!」
『うんー。毎日のんびりしてて気持ちいいよー』
のんびり……そうだ、俺はこの世界にスローライフをしに来たんだった。
スライムともお喋りは楽しいが、こんな事をしてたらあっという間に夜になってしまう。
まずは家の確認からして行こう。
俺が「ありがと! またな」と言うとスライムがなんか寂しそうな顔をしてこっちを見てくる。
これはあれか? もしかして「仲間にしますか?」的なあれか!?
「んー、どうした?」
『シロウどこ行くのー? いなくなっちゃうのー?』
「いやいや、あそこの家を探検しに行くんだよ」
『探検!? ぼくも行っていいー?』
興味を示したのか、スライムがぴょんぴょん跳ねながらアピールしてくる。
くそう、このスライム可愛いじゃねーか。
まぁ家の確認ぐらいなら付いてきても問題ないだろう。
別にあの家になんか仕掛けがあるとかもないだろうしな。
むしろ神様が用意してくれた家だ。なんか色々と置いてあるかも知れん。
起きた場所から家までは数メートルも歩けば到着する距離だ。
俺の後ろをぴょんぴょんしながらついてくるスライムが非常に可愛い。ただ、少し歩く? のが遅い。まぁスライムだしそんなものかとも思うが、俺はその場にしゃがんで両手を開いた。
「ほら、俺が抱っこしてあげよう」
『ほんとー!? わーい!!』
スライムが俺の胸に飛び込んでくる。さっき潰した時には気付かなかったが、スライムはふにふにしてて触り心地が抜群だ。
しかも少しひんやりしてて抱き心地も素晴らしい。こりゃ夏になったら抱き枕にしたいレベルだ。
俺はスライムを抱いて家へと向かった。その家は出来立てなのか、造りもしっかりしていて新品特有の綺麗さがあった。
入口の近くにも少し広めのバルコニーがあり、手すりがついていて屋根もしっかりと覆っているので雨の日でも家に入る時は濡れる心配がないだろう。
ドアを開けると8畳間のような広さが視界に広がる。左側にはキッチンがあり、その前にテーブルと椅子が4脚セットされていた。
そして奥にはもう一部屋。そこを開けるとベットと簡易的な椅子と机が置いてある寝室だ。
ベッドの脇からは外に出ることもでき、しっかりと屋根のついたベランダが設置されている。
「おおおおお……」
『すごーい! ひろーい!』
スライムを抱えながら感動に打ちひしがれる俺。今まで一人暮らししてきた家とは比較にならないぐらい広いんだ。
だが一つ残念なのはトイレと風呂がないこと。
まぁこれに関してはおいおい作っていけばいいかな……。
スライムが俺の腕から抜け出して部屋を見て回っている。
やっぱり見てるだけでも可愛い。今まで可愛い生物と呼ばれるのを見ても感動しなかったが、今は感動に溢れている。
なんだろうな、異世界ってだけでなんでも感動してるのだろうか。
スライムを片目に、俺は寝室にある小さな本棚の紙を手に取った。
「ん? この世界の地図かな?」
紙の上に大陸と海が記されてる地図だった。左右に大きな大陸があり、真ん中には海に囲まれた島が見える。
多分俺が飛ばされてきたのもこの真ん中の島だろう。
北海道ぐらいの大きさがあるって言ってたしな。
そう考えると、この地図の大陸は非常に大きく見える。地図の左側の大陸なんかは、北アメリカと南アメリカを足しても追い付かないほどだろう。
この世界自体が地球より大きいのかも知れない。
「ほうほう。この島の左右に大陸があるなら、もしかしたらこの島に人が来るかも知れないなぁ」
スライムが人間は美味しくないと言ってたぐらいだ。もしかしたら以前は人間がやってきたりしたのかも知れない。
ただ、神様曰く人間は住んでないと言っていたし、多分上陸してくる人もいないんだろう。
まぁ森と山と海ぐらいだもんなここ。
一通り地図を眺めているといつの間にかスライムが近くで一緒に地図を覗き込んでいた。
くぅ、可愛いなこいつ。
そうだ、せっかくだし名前でもつけてやろうかな。
「なぁ、せっかくだし俺と友達にならないか?」
『ともだちー? いいよー! なろうなろう!』
「ありがとな。それならせっかくだし名前をつけてもいいかい?」
『うん! 名前ちょーだいー!』
言い出したはいいが、今までペットすら飼ったことなかった。うーん、名前か。
せっかくだから呼びやすい名前がいいよなぁ。
スライム……スライム……。うん、スラリンじゃドラ◯エになっちゃうし……。
スライム……ライム……? いやライムじゃ柑橘類になっちゃう。
うーん、何がいいかなー。
少し考えながらスライムを観察していると、待ち遠しそうにスライムがぷるぷる揺れている。
あ、まてよ? いいじゃん!!
「そうだなぁ。それならププルとかどうだ?」
『ぷぷるー? うん! ぼくププル! ぼくの名前はププル!!』
どうやら気に入ってくれたみたいだ。ぷるぷる揺れてるからとちょっと安直な気がしないでもないが、まぁ本人が喜んでるからいいだろう。
せっかくの友達もできたことだ。一人でずっと過ごすかと思ってたが、友達もできたし幸先も良さそう。
どっかの誰かさんが俺の運気を下げてしまったって聞いたけど、今は大丈夫なのかな?
まぁいいか。まずは生活基盤を作ることと、貰った能力を試したい。
俺はベットに座るとププルを呼んで抱えるようにしながら、持ってきたものを確認するべく準備を始めた。
俺は顔に何かが当たる感覚で目が覚めた。
上半身を起こして寝ぼけた目を擦りながら体を伸ばす。
「んー!! あぁ……」
どうやら俺はぐっくりと眠っていたらしい。爽やかな風が頬を撫でる。
ぼやけた目がだんだんピントが合ってくると、まず目の前に家が見えてきた。
「おおおおお!」
決して広いとはいえないが、俺が一人で住む分には問題なさそうな大きさだ。
バンガローのような作りになっており、床下は少し持ち上がっている。
入り口近くと側面にはバルコニーも設置されており、椅子とテーブルを置いてゆっくりくつろぐにもよさそうだ。
さらにその脇には小さな畑が出来ている。何か植物が生えているが、遠目からはわからない。
そして周りは木々が家を中心に丸く囲うようにして生えていた。
「すげー!! 神様ありがとう!!」
両手を上げて天を仰ぎながら声を出す。聞こえているかわからないが、夢にまで見た一戸建てだ。
これから生活基盤をしっかりして、自給自足のスローライフが待っている!!
俺は胸がわくわくしながら立ち上がろうとした。
「ん?」
地面に手をついた時、何か柔らかい感触が伝わってきた。
地面の感覚とはまったく思えないその感覚に、俺は恐る恐る手の方向へと目をやると……
『いたいよー! 重いよー!』
俺の手は何かゼリーで出来ていそうな物に乗っかっていた。正確にいえばゼリーみたいなのを手で潰している。
弾力のあるそれは逃げようとしているのか、手から離れようと必死に動いているかのように見えた。
「うわぁ!!」
思わずびっくりして手を引っ込めると同時に声が出る。
その物体は俺の手が離れると俺から少し距離を置いてぷるぷるし始めた。
この丸いフォルムに綺麗な青色……俺はこいつをゲームの世界で見たことがある。
「まさか……スライムか?」
『そうだよー! あなたはだぁれ??』
まさか本当にスライムがいるなんて!! 俺はテンションが上がりまくっているのに気付いた。
なんたってスライムだ! しかも意思疎通が出来るぞ!! 頭の中に直接言葉が聞こえる感じだ!
すげぇ!! 異世界すげぇ!!
興奮しまくってる俺にドン引きしてそうなスライムが少し後退ったのが見えた。
いやいやいや、年甲斐もなく興奮してしまったが、まずは自己紹介するべきだろう。
「俺の名前は和泉士郎。君の名前は?」
『ぼくー? ぼくに名前はないよー??』
ほほう。このスライムには名前がないのか。
もしかしたらスラリンみたいな名前があるかと思ったが、どうやら違うらしい。
ん? いやちょっと待てよ? この愛くるしいボディで忘れていたが……スライムって魔物じゃねぇのか!?
いや確かに神様も『人間はいない』って言ってたが……あ、もしかしてこいつらが例の原住民か??
それなら気のいい奴らと言ってた気がするが……。
俺は念のため確かめなければならない事をスライムに聞いた。
「な、なぁスライムくん?」
『なぁに?』
「ももももももしかしてだけど、君の食事はその……えっと……人間とかだったりしない……よね?」
『うんー。僕らは人間たべないよー! お爺ちゃんがまずいって言ってたもん』
(美味しかったら食うんか!?)
思わず声に出そうになったが、確かに人間は雑食だから美味しくないと聞いたことがある。
いやその前に今この子『僕ら』って言ったぞ!? もしかしてスライムがいっぱいいるのか!?
まぁ原住民って言ってたもんな。スライムがいっぱいいてもこの子のようなタイプなら問題ないだろう。
「そっか、ありがとうな」
『いーえー!』
どうやらさっきまでの警戒心はなくなったらしい。俺の元まで跳ねながらくると、めいいっぱいジャンプしながら話しかけてくる。
せっかくこの世界で初めて出来た喋れる友達だ。その後もこの島について知ってる事を聞いてみたが、どうやらあまり深く迄は行ったことがないらしい。
だが、この場所はいつも魔素に溢れているので散歩がてらたまに来るそうだ。
確かにスライムのぴょんぴょん移動は大変そうだもんな。
「そういえば人間は食べないのを分かったけど、いつもは何を食べてるんだい?」
『んー、なんでもー。木でしょ? 草でしょ? 石でしょ? あ、たまーにお肉!!』
「ほほー、お肉も食べるのか」
簡単に言えば雑食だ。スライムは基本的になんでも食べるらしい。
しかしお腹が空いたから食べるというよりも、気まぐれでその辺の物を食べてるのだとか。
そしてお肉を食べるとも聞いたが、どうやらスライムの中ではご馳走らしい。
この森に動物などもいるが、基本的にスライムでは倒せないそうで、死んだ後の腐肉を食べるようにしてるのだとか。
「なるほどねー。スライムは逞しいんだな!」
『うんー。毎日のんびりしてて気持ちいいよー』
のんびり……そうだ、俺はこの世界にスローライフをしに来たんだった。
スライムともお喋りは楽しいが、こんな事をしてたらあっという間に夜になってしまう。
まずは家の確認からして行こう。
俺が「ありがと! またな」と言うとスライムがなんか寂しそうな顔をしてこっちを見てくる。
これはあれか? もしかして「仲間にしますか?」的なあれか!?
「んー、どうした?」
『シロウどこ行くのー? いなくなっちゃうのー?』
「いやいや、あそこの家を探検しに行くんだよ」
『探検!? ぼくも行っていいー?』
興味を示したのか、スライムがぴょんぴょん跳ねながらアピールしてくる。
くそう、このスライム可愛いじゃねーか。
まぁ家の確認ぐらいなら付いてきても問題ないだろう。
別にあの家になんか仕掛けがあるとかもないだろうしな。
むしろ神様が用意してくれた家だ。なんか色々と置いてあるかも知れん。
起きた場所から家までは数メートルも歩けば到着する距離だ。
俺の後ろをぴょんぴょんしながらついてくるスライムが非常に可愛い。ただ、少し歩く? のが遅い。まぁスライムだしそんなものかとも思うが、俺はその場にしゃがんで両手を開いた。
「ほら、俺が抱っこしてあげよう」
『ほんとー!? わーい!!』
スライムが俺の胸に飛び込んでくる。さっき潰した時には気付かなかったが、スライムはふにふにしてて触り心地が抜群だ。
しかも少しひんやりしてて抱き心地も素晴らしい。こりゃ夏になったら抱き枕にしたいレベルだ。
俺はスライムを抱いて家へと向かった。その家は出来立てなのか、造りもしっかりしていて新品特有の綺麗さがあった。
入口の近くにも少し広めのバルコニーがあり、手すりがついていて屋根もしっかりと覆っているので雨の日でも家に入る時は濡れる心配がないだろう。
ドアを開けると8畳間のような広さが視界に広がる。左側にはキッチンがあり、その前にテーブルと椅子が4脚セットされていた。
そして奥にはもう一部屋。そこを開けるとベットと簡易的な椅子と机が置いてある寝室だ。
ベッドの脇からは外に出ることもでき、しっかりと屋根のついたベランダが設置されている。
「おおおおお……」
『すごーい! ひろーい!』
スライムを抱えながら感動に打ちひしがれる俺。今まで一人暮らししてきた家とは比較にならないぐらい広いんだ。
だが一つ残念なのはトイレと風呂がないこと。
まぁこれに関してはおいおい作っていけばいいかな……。
スライムが俺の腕から抜け出して部屋を見て回っている。
やっぱり見てるだけでも可愛い。今まで可愛い生物と呼ばれるのを見ても感動しなかったが、今は感動に溢れている。
なんだろうな、異世界ってだけでなんでも感動してるのだろうか。
スライムを片目に、俺は寝室にある小さな本棚の紙を手に取った。
「ん? この世界の地図かな?」
紙の上に大陸と海が記されてる地図だった。左右に大きな大陸があり、真ん中には海に囲まれた島が見える。
多分俺が飛ばされてきたのもこの真ん中の島だろう。
北海道ぐらいの大きさがあるって言ってたしな。
そう考えると、この地図の大陸は非常に大きく見える。地図の左側の大陸なんかは、北アメリカと南アメリカを足しても追い付かないほどだろう。
この世界自体が地球より大きいのかも知れない。
「ほうほう。この島の左右に大陸があるなら、もしかしたらこの島に人が来るかも知れないなぁ」
スライムが人間は美味しくないと言ってたぐらいだ。もしかしたら以前は人間がやってきたりしたのかも知れない。
ただ、神様曰く人間は住んでないと言っていたし、多分上陸してくる人もいないんだろう。
まぁ森と山と海ぐらいだもんなここ。
一通り地図を眺めているといつの間にかスライムが近くで一緒に地図を覗き込んでいた。
くぅ、可愛いなこいつ。
そうだ、せっかくだし名前でもつけてやろうかな。
「なぁ、せっかくだし俺と友達にならないか?」
『ともだちー? いいよー! なろうなろう!』
「ありがとな。それならせっかくだし名前をつけてもいいかい?」
『うん! 名前ちょーだいー!』
言い出したはいいが、今までペットすら飼ったことなかった。うーん、名前か。
せっかくだから呼びやすい名前がいいよなぁ。
スライム……スライム……。うん、スラリンじゃドラ◯エになっちゃうし……。
スライム……ライム……? いやライムじゃ柑橘類になっちゃう。
うーん、何がいいかなー。
少し考えながらスライムを観察していると、待ち遠しそうにスライムがぷるぷる揺れている。
あ、まてよ? いいじゃん!!
「そうだなぁ。それならププルとかどうだ?」
『ぷぷるー? うん! ぼくププル! ぼくの名前はププル!!』
どうやら気に入ってくれたみたいだ。ぷるぷる揺れてるからとちょっと安直な気がしないでもないが、まぁ本人が喜んでるからいいだろう。
せっかくの友達もできたことだ。一人でずっと過ごすかと思ってたが、友達もできたし幸先も良さそう。
どっかの誰かさんが俺の運気を下げてしまったって聞いたけど、今は大丈夫なのかな?
まぁいいか。まずは生活基盤を作ることと、貰った能力を試したい。
俺はベットに座るとププルを呼んで抱えるようにしながら、持ってきたものを確認するべく準備を始めた。
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―――編、―――編―――編まだまだ色んなのを書く予定―――は秘密
処女作なのでお手柔らかにお願いします。文章を書くのが下手なので誤字脱字や比例していたらコメントに書いていただけたらすぐに直しますのでお願いします。(背景などの細かいところはまだ全く書けないのですいません。)主人公以外の目線は、お気に入り100になり次第別に書きますのでそちらの方もよろしくお願いします。(詳細は200)
感想お願いいたします。
❕只今話を繋げ中なためしおりの方は注意❕
目線、詳細は本編の間に入れました
2020年9月毎日投稿予定(何もなければ)
頑張ります
(心の中で読んでくださる皆さんに物語の何か案があれば教えてほしい~~🙏)と思ってしまいました。人物、魔物、物語の流れなど何でも、皆さんの理想に追いつくために!
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