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第1章 魔法を極めた王、異世界に行く
24:遠隔-3
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しばらく様子を伺っていると、エリィもブルーも土壁まで魔力玉が届き始めた。そうなれば次の段階だ。今2つ同時にやらせているが、今度は3つ、4つと増やしていく。
そして増やした所に魔法を発動させ、別属性や別魔法などの同時展開や、発動させても待機状態にし時間差などで攻撃出来るようにする。
ここまで出来るようになれば、とりあえず多対一も対応はできるようになるだろう。
2人が一生懸命やってる姿に、今の俺がどこまで並列起動と空間滞留が出来るか試したくなってきた。今までも出来てはいるんだが、今後は自動迎撃魔法の併用やトラップに使ったりといろんな使い道があるから、確認しておくに越したことはない。
ブルーとエリィには魔力玉の個数を増やしながら、増やした数だけ土壁にぶつけられるようになるまで続けろと指示はしてある。
「ふー」
集中。ゆっくりと呼吸をしていつものように魔力の感知、魔素の取り込みと魔力玉の作成。
魔力玉は空中に滞留させ魔法に変換していくので、出来れば裸眼では見えないように実体化はしないのが好ましい。一流同士の戦いでは、相手の魔力の流れや動きなどは常にチェックするので、あからさまに空中にあれば警戒を強めさせてしまうからだ。
まぁそれを逆手に取る手法もないことはないがな。
魔力玉を手から出してたのでは日が暮れるので、全身の至る所から作り空中に放出する。
10……20……30……50……うん、このペースならまだまだ大丈夫だな。
50個の魔力玉を浮かせつつ、今度は大きめの魔力玉を作り出した。それをコントロールしながら分裂させていく。2、4、8と倍にしていき、浮かせた魔力玉と同じぐらいになったらまた次の魔力玉を用意する。
そうしているうちに、俺の周りには1000を超える小さな魔力玉が作成され空中でスタンバイしている。
「よっと」
今度は体からではなく空中にそのまま発動させる方法だ。発動したい場所を視認して空間の把握、そしてその場に魔力玉を生成。右手と左手を別の方向に掲げて同時に無数の魔力玉を発動。
さらに作った魔力玉を1箇所に集め吸収させ大玉化し、その大玉を上空で右から左にスライドさせながら、通った場所に小さな魔力玉を設置。
大規模な戦争の時にも使えるんだが、この大玉から小玉に変換させて作り出した光る天の川がまた美しいんだ。
ま、そこから魔法が発動するから敵からしたら絶望しかないだろうけど。
今度は出来上がった魔力玉の操作だ。玉数が多ければ多いほどコントロールは難しいとされているが、前世の感覚を持つ俺には造作もない。
どんなに多くの魔力玉を同時に操ろうとも、したい事やさせたい事をインプットさせて役割として与えればいい。
例えば今俺の周りにある数百の魔力玉を攻撃と防御に分ける。攻撃側は俺に向かって魔法と化して攻撃、防御側は俺の周りを回りながら撃ち込まれた魔法に対抗し防御など。
簡単な操作から複雑なものまであるが、最悪分体を作り出して管理させればいい。前世で独り身だった俺が苦肉の策で生み出した技だ。
魔力玉は数千を超える規模で展開できるのがわかった。個人的にはまだまだ少ないが、エリィやブルーから聞いてる話だと十分な気もする。あとはこの魔力玉の処理だが……あ、弟子にさせればいいか。
「よしエリィにブルー。今からちょっと違う事をしてーー」
「師匠! 凄い綺麗です!!」
「いやー、星みたいで綺麗だねぇ」
声をかけようと二人の方へ向き直ると、二人が修行そっちのけで俺のやってることを見続けていた。
そして増やした所に魔法を発動させ、別属性や別魔法などの同時展開や、発動させても待機状態にし時間差などで攻撃出来るようにする。
ここまで出来るようになれば、とりあえず多対一も対応はできるようになるだろう。
2人が一生懸命やってる姿に、今の俺がどこまで並列起動と空間滞留が出来るか試したくなってきた。今までも出来てはいるんだが、今後は自動迎撃魔法の併用やトラップに使ったりといろんな使い道があるから、確認しておくに越したことはない。
ブルーとエリィには魔力玉の個数を増やしながら、増やした数だけ土壁にぶつけられるようになるまで続けろと指示はしてある。
「ふー」
集中。ゆっくりと呼吸をしていつものように魔力の感知、魔素の取り込みと魔力玉の作成。
魔力玉は空中に滞留させ魔法に変換していくので、出来れば裸眼では見えないように実体化はしないのが好ましい。一流同士の戦いでは、相手の魔力の流れや動きなどは常にチェックするので、あからさまに空中にあれば警戒を強めさせてしまうからだ。
まぁそれを逆手に取る手法もないことはないがな。
魔力玉を手から出してたのでは日が暮れるので、全身の至る所から作り空中に放出する。
10……20……30……50……うん、このペースならまだまだ大丈夫だな。
50個の魔力玉を浮かせつつ、今度は大きめの魔力玉を作り出した。それをコントロールしながら分裂させていく。2、4、8と倍にしていき、浮かせた魔力玉と同じぐらいになったらまた次の魔力玉を用意する。
そうしているうちに、俺の周りには1000を超える小さな魔力玉が作成され空中でスタンバイしている。
「よっと」
今度は体からではなく空中にそのまま発動させる方法だ。発動したい場所を視認して空間の把握、そしてその場に魔力玉を生成。右手と左手を別の方向に掲げて同時に無数の魔力玉を発動。
さらに作った魔力玉を1箇所に集め吸収させ大玉化し、その大玉を上空で右から左にスライドさせながら、通った場所に小さな魔力玉を設置。
大規模な戦争の時にも使えるんだが、この大玉から小玉に変換させて作り出した光る天の川がまた美しいんだ。
ま、そこから魔法が発動するから敵からしたら絶望しかないだろうけど。
今度は出来上がった魔力玉の操作だ。玉数が多ければ多いほどコントロールは難しいとされているが、前世の感覚を持つ俺には造作もない。
どんなに多くの魔力玉を同時に操ろうとも、したい事やさせたい事をインプットさせて役割として与えればいい。
例えば今俺の周りにある数百の魔力玉を攻撃と防御に分ける。攻撃側は俺に向かって魔法と化して攻撃、防御側は俺の周りを回りながら撃ち込まれた魔法に対抗し防御など。
簡単な操作から複雑なものまであるが、最悪分体を作り出して管理させればいい。前世で独り身だった俺が苦肉の策で生み出した技だ。
魔力玉は数千を超える規模で展開できるのがわかった。個人的にはまだまだ少ないが、エリィやブルーから聞いてる話だと十分な気もする。あとはこの魔力玉の処理だが……あ、弟子にさせればいいか。
「よしエリィにブルー。今からちょっと違う事をしてーー」
「師匠! 凄い綺麗です!!」
「いやー、星みたいで綺麗だねぇ」
声をかけようと二人の方へ向き直ると、二人が修行そっちのけで俺のやってることを見続けていた。
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