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第1章 魔法を極めた王、異世界に行く
22:初体験と噴き出す血-3
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「深層発掘」
「……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
この魔法の欠点は、直接脳みそを掘るため激痛が伴うところだ。痛すぎて簡単に心が壊れる事もあるが、コイツの精神力ならなんとかなるだろう。そもそも痛みを感じさせずに掘り出すこともできるが、さっきから暴言を吐いてる罪を多少なりとも感じてもらわないとな。
俺の弟子をあれだけ馬鹿にして暴言まで吐いたなら相応の報いを受ける必要がある。だからこいつが気絶するまで止めるつもりもないけどな。
「いつもはどこに隠れている?」
「ギャぁぁぁぁ!!!」
痛みで叫び続けるディグドを余所に、俺はコイツのアジトを特定した。特定したんだが……どうやら財政は火の車だったらしい。
何故そうなっているのかも調べてみると、どうやらこの森の周辺を荒らしていたが騎士団によって毎回追いやられていたそうだ。
なるほどね、この辺りの治安は非常にいいのかも知れない。それにしても、こいつらが賞金首とはなぁ。
それにこの辺は人間至上主義の国によって成り立っているらしい。修行がひと段落ついて外に出るときは、まずは国を出るところから始めるか。さすがにエリィへ不特定多数が悪意を向け攻撃してきたら、俺がその国を滅ぼしたくなってしまう。
その他にも聞いておきたいことがあったので色々と漁っていたら、とうとうディグドが気絶してしまった。
周りを見るとディグドの悲鳴に他の盗賊は完全に意識を失っているし、エリィもドン引きした顔になってる。エリィちゃんよ、その顔をするのはまだ早いぞ?
さて、次のモブを引っ張り出してまたエリィに殺させよう。
「エリィ、次だ」
「……はい」
覚悟を決めた顔をしている。殺さなきゃ殺される世界では一瞬の躊躇が命取りとなるのを俺が一番わかっているからこそ、この修行をさせる意味があるんだ。
ここに関しては妥協する気はないし、今後も継続的に行わせる。もちろんただの殺戮者にはならないように心のケアはしっかりと行うつもりだ。
「力まなくていい。ちゃんと狙って、一撃で仕留められるように」
「……はい」
「人も動物も同じだ。命を奪うことによってそれを背負い、自分の糧にして生きていく。決して無駄なことなんて一つもない」
「……はい!」
2人目の命も狩り終わり、3人目、4人目と一撃で命を奪う。全員綺麗に首を落としており、切り口も素晴らしい。噴き出した綺麗な鮮血が地面を濡らし、後々の処理を考えると少しめんどくさくなる。
ただ、最初に俺に見せてくれたエアカッターを考えると、ここまで成長したかと言う感慨深い気分になった。
最後の1人を殺した時には、エリィも吐かなくなっていた。あとはこれを何度も繰り返して、敵対者への慈悲をなくし、人の死に慣れさせる。
盗賊モブの首から上は氷漬けにして、首から下はすべて一箇所に纏めておく。血は土魔法で埋めて処理は完了だ。
そして今度は自分に向けられた悪意を跳ね返して貰うため、気絶していたディグドを叩き起こす。次にエリィにしてもらうのは対人戦だ。さっきまでのは殺す訓練、ここからは人と対峙して相手を倒す訓練だ。
「くそぉ……化け物どもめ! なんなんだよ!」
「このままならお前は殺す。ただ、こっちの条件を飲めば見逃してやらんでもない」
実際には結局殺すんだけどな。まぁ少しは希望を持ってくれれば動きも変わってくるだろう。
本気を出してもらわないと、エリィの訓練にならない。怪我なんかは俺が回復させるから、あとはやる気だけの問題だ。
俺は土魔法で空いたスペースに直径20mほどのリングを作り上げた。
「エリィとディグドには、この上で戦ってもらう」
「……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
この魔法の欠点は、直接脳みそを掘るため激痛が伴うところだ。痛すぎて簡単に心が壊れる事もあるが、コイツの精神力ならなんとかなるだろう。そもそも痛みを感じさせずに掘り出すこともできるが、さっきから暴言を吐いてる罪を多少なりとも感じてもらわないとな。
俺の弟子をあれだけ馬鹿にして暴言まで吐いたなら相応の報いを受ける必要がある。だからこいつが気絶するまで止めるつもりもないけどな。
「いつもはどこに隠れている?」
「ギャぁぁぁぁ!!!」
痛みで叫び続けるディグドを余所に、俺はコイツのアジトを特定した。特定したんだが……どうやら財政は火の車だったらしい。
何故そうなっているのかも調べてみると、どうやらこの森の周辺を荒らしていたが騎士団によって毎回追いやられていたそうだ。
なるほどね、この辺りの治安は非常にいいのかも知れない。それにしても、こいつらが賞金首とはなぁ。
それにこの辺は人間至上主義の国によって成り立っているらしい。修行がひと段落ついて外に出るときは、まずは国を出るところから始めるか。さすがにエリィへ不特定多数が悪意を向け攻撃してきたら、俺がその国を滅ぼしたくなってしまう。
その他にも聞いておきたいことがあったので色々と漁っていたら、とうとうディグドが気絶してしまった。
周りを見るとディグドの悲鳴に他の盗賊は完全に意識を失っているし、エリィもドン引きした顔になってる。エリィちゃんよ、その顔をするのはまだ早いぞ?
さて、次のモブを引っ張り出してまたエリィに殺させよう。
「エリィ、次だ」
「……はい」
覚悟を決めた顔をしている。殺さなきゃ殺される世界では一瞬の躊躇が命取りとなるのを俺が一番わかっているからこそ、この修行をさせる意味があるんだ。
ここに関しては妥協する気はないし、今後も継続的に行わせる。もちろんただの殺戮者にはならないように心のケアはしっかりと行うつもりだ。
「力まなくていい。ちゃんと狙って、一撃で仕留められるように」
「……はい」
「人も動物も同じだ。命を奪うことによってそれを背負い、自分の糧にして生きていく。決して無駄なことなんて一つもない」
「……はい!」
2人目の命も狩り終わり、3人目、4人目と一撃で命を奪う。全員綺麗に首を落としており、切り口も素晴らしい。噴き出した綺麗な鮮血が地面を濡らし、後々の処理を考えると少しめんどくさくなる。
ただ、最初に俺に見せてくれたエアカッターを考えると、ここまで成長したかと言う感慨深い気分になった。
最後の1人を殺した時には、エリィも吐かなくなっていた。あとはこれを何度も繰り返して、敵対者への慈悲をなくし、人の死に慣れさせる。
盗賊モブの首から上は氷漬けにして、首から下はすべて一箇所に纏めておく。血は土魔法で埋めて処理は完了だ。
そして今度は自分に向けられた悪意を跳ね返して貰うため、気絶していたディグドを叩き起こす。次にエリィにしてもらうのは対人戦だ。さっきまでのは殺す訓練、ここからは人と対峙して相手を倒す訓練だ。
「くそぉ……化け物どもめ! なんなんだよ!」
「このままならお前は殺す。ただ、こっちの条件を飲めば見逃してやらんでもない」
実際には結局殺すんだけどな。まぁ少しは希望を持ってくれれば動きも変わってくるだろう。
本気を出してもらわないと、エリィの訓練にならない。怪我なんかは俺が回復させるから、あとはやる気だけの問題だ。
俺は土魔法で空いたスペースに直径20mほどのリングを作り上げた。
「エリィとディグドには、この上で戦ってもらう」
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