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第1章 魔法を極めた王、異世界に行く
22:初体験と噴き出す血-1
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「それじゃ、殺そうか」
「…………えっ?」
不思議そうな顔をしているエリィに、俺はにっこりと微笑んだ。
やり方は洗脳に近いけど、トラウマってのはすぐには解消できない。無理矢理にでも解消させるならこの方法が一番手っ取り早いんだ。自意識が残っている状態で、信用できる相手から言われたことをこなし、自意識によって行ったと錯覚させる。もちろんケアも必要だが、こうすることによって大抵のトラウマは払拭できる。
ま、単純に俺の可愛い弟子に暴言を吐き続けるコイツが許せないってのもあるけど、エリィの手によって殺してもらえば多少なりとも気分も晴れる事だろう。これから何回か殺してもらうんだし、最終的に俺の気分も晴れやかになること間違いなし。
エリィもいつかは人間を殺すことになるんだし、ここで慣れてもらわなきゃな。
「……今、なんて……」
「ん? コイツらを殺すんだよ。あぁ、最初は別の人間からにしようか。俺もコイツには聞きたいことがあるしね」
後ろに控えているモブを1人前へ出す。怯え切った様子でブツブツと命乞いをしているのだが、それなら最初から突っかかってこなきゃいい話だ。誰々にやらされた、やらなきゃひどい目に合うと脅されたなんてセリフは弱い奴が自分を守るために言うセリフだ。
つまり覚悟が足りてないってことだ。自分が行ったことは最大限償うべきだし、もちろんその首謀者にもしかるべき罰を与える。
まずもって今後の方針としては、敵対者には容赦しない。そうでなければ、優しさや甘さに付け込まれて自分の身が危うくなる。エリィにはそうなって欲しくないからな。
だが、当の本人は完全に人を殺すことに躊躇している。確かに誰でも最初はそうなるものだ。最初から嬉々として人殺しが出来る奴は、頭のねじがぶっ飛んでる異常者ぐらいだろう。
ただ今回はやらなければならない。それならエリィの覚悟を強制させるために、もう1段階引き上げてやらせるか。
俺は怯え切ったモブを軽く頬を叩いて意識を取り戻させた。
「お前にはチャンスをやろう。今から俺がお前を解放し、剣も渡してやる。そして俺を殺せたら見逃してやろう。ただし、逃げ出したら容赦なく殺す」
「えっ? 師匠、何を……」
「エリィ、俺は今からコイツに剣を渡して棒立ちになる。この通り魔力布衣も解いた状態だから、こんな剣でも俺に届くだろう。エリィがコイツを殺さなかったら、俺は死ぬんだ」
「む、無理です! そんなこと……!」
蔓で縛られていたモブAを解放し、持ってきていた剣を投げて渡す。俺は分かりやすく魔力布衣を解きモブAの前に立ちはだかった。
エリィがどう行動するかだが、万が一何もしないようなら別の手段を取るまでだ。だが、俺の優秀な弟子はそんな事をしなくても乗り越えるだろう。
ディグドがモブAに「殺せ! この女はあまちゃんだ! 殺せぇ!」なんて叫んでやがる。その言葉に後押しされるように、モブAは剣を握りしめ俺に特攻してきた。
「クソがぁぁぁ! 死ねぇぇぇぇ!!」
モブAは何かを振り切ったような顔をしながら、剣を垂直にして俺を突き刺そうと走ってくる。
対して俺は完全に棒立ちだ。魔力布衣も解いて完全に脱力した状態。あの剣が俺に突き刺さったら死ぬとエリィも認識してるだろう。
必死の形相をしたモブが、もう少しで俺に剣を突き刺せるところまで来た。エリィは……?
「…………えっ?」
不思議そうな顔をしているエリィに、俺はにっこりと微笑んだ。
やり方は洗脳に近いけど、トラウマってのはすぐには解消できない。無理矢理にでも解消させるならこの方法が一番手っ取り早いんだ。自意識が残っている状態で、信用できる相手から言われたことをこなし、自意識によって行ったと錯覚させる。もちろんケアも必要だが、こうすることによって大抵のトラウマは払拭できる。
ま、単純に俺の可愛い弟子に暴言を吐き続けるコイツが許せないってのもあるけど、エリィの手によって殺してもらえば多少なりとも気分も晴れる事だろう。これから何回か殺してもらうんだし、最終的に俺の気分も晴れやかになること間違いなし。
エリィもいつかは人間を殺すことになるんだし、ここで慣れてもらわなきゃな。
「……今、なんて……」
「ん? コイツらを殺すんだよ。あぁ、最初は別の人間からにしようか。俺もコイツには聞きたいことがあるしね」
後ろに控えているモブを1人前へ出す。怯え切った様子でブツブツと命乞いをしているのだが、それなら最初から突っかかってこなきゃいい話だ。誰々にやらされた、やらなきゃひどい目に合うと脅されたなんてセリフは弱い奴が自分を守るために言うセリフだ。
つまり覚悟が足りてないってことだ。自分が行ったことは最大限償うべきだし、もちろんその首謀者にもしかるべき罰を与える。
まずもって今後の方針としては、敵対者には容赦しない。そうでなければ、優しさや甘さに付け込まれて自分の身が危うくなる。エリィにはそうなって欲しくないからな。
だが、当の本人は完全に人を殺すことに躊躇している。確かに誰でも最初はそうなるものだ。最初から嬉々として人殺しが出来る奴は、頭のねじがぶっ飛んでる異常者ぐらいだろう。
ただ今回はやらなければならない。それならエリィの覚悟を強制させるために、もう1段階引き上げてやらせるか。
俺は怯え切ったモブを軽く頬を叩いて意識を取り戻させた。
「お前にはチャンスをやろう。今から俺がお前を解放し、剣も渡してやる。そして俺を殺せたら見逃してやろう。ただし、逃げ出したら容赦なく殺す」
「えっ? 師匠、何を……」
「エリィ、俺は今からコイツに剣を渡して棒立ちになる。この通り魔力布衣も解いた状態だから、こんな剣でも俺に届くだろう。エリィがコイツを殺さなかったら、俺は死ぬんだ」
「む、無理です! そんなこと……!」
蔓で縛られていたモブAを解放し、持ってきていた剣を投げて渡す。俺は分かりやすく魔力布衣を解きモブAの前に立ちはだかった。
エリィがどう行動するかだが、万が一何もしないようなら別の手段を取るまでだ。だが、俺の優秀な弟子はそんな事をしなくても乗り越えるだろう。
ディグドがモブAに「殺せ! この女はあまちゃんだ! 殺せぇ!」なんて叫んでやがる。その言葉に後押しされるように、モブAは剣を握りしめ俺に特攻してきた。
「クソがぁぁぁ! 死ねぇぇぇぇ!!」
モブAは何かを振り切ったような顔をしながら、剣を垂直にして俺を突き刺そうと走ってくる。
対して俺は完全に棒立ちだ。魔力布衣も解いて完全に脱力した状態。あの剣が俺に突き刺さったら死ぬとエリィも認識してるだろう。
必死の形相をしたモブが、もう少しで俺に剣を突き刺せるところまで来た。エリィは……?
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