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奇跡
第8話:あれだ。まぁ時間ってのは残酷で忘れちまうこともあるんだよ
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「誰にも言うんじゃねーぞ?……俺の名前はケイドだ」
……決まったな。
俺かっこいい。
いやー、ひさびさに人と話したがこんなに緊張するとはな。
あいつらは盗賊か?
とりあえずこの道はもう安全だろうし、放置しても問題ない。
まぁ念のため王都までの道を掃除しとくか。
「ねぇケイド?なんで最初名乗らなかったのよ」
リムが話しかけてきた。
外見は立派な大人だが、中身はまだまだ子供か。
大人の渋さってもんはまだわからんのだろう。
「名乗らない方がかっこいい時もあるのさ」
「ふーん?変なの」
……まぁいい。
まだ俺の心は折れてない、大丈夫だ。
例え『変なの』と言われようが、かっこいい事に変わりはない……はずだ。
リムはまだ子供だし、頭でも撫でてればいいだろう。
「しかしリムは何でもできるな!じーさんも治されて喜んでたぞ」
「えへへー。そうかなー!」
俺に撫でられて満更でもなさそうだ。
リムと最初に会った時はまだ8,9歳ぐらいだったが、この1年で成長した。
いや、その表現は少し間違っているな。
元々リムは成長できる状態だった。
一番魔力を使わずに過ごせるのがあの幼女体型で、戦闘時には18歳まで変化できる。
あのじーさんがなんか言ってたが忘れた。
確か特殊だか特別だか言ってたような気もするが……。
ま、成長してもリムはリムだから問題ない。
王都までは特に魔物と当たる事なく到着した。
本当にこの辺は平和になったものだ。
これも冒険者が増えて定期的に見回っているからだろう。
まずはギルドに行って日銭を稼がないとな。
門を潜り、記憶を頼りにギルドへと向かう。
途中にある飯屋の味を思い出すと腹も減ってきた。
確かまだ金ならあるはずだ。
あとで食いに行こう。
ギルドに入ると何人かが俺を見てこそこそ話しを始めた。
まーわかるぞ。
元SSSランクの冒険者である俺を知らない奴はいないはずだ。
ましてやここは王都だ。
あんまり騒ぐんじゃねーぞ?
「ケイド、何ニヤニヤしてんのよ」
「あ、すまんすまん」
こいつらよく見たら俺じゃなくてリムを見てやがる。
確かにな?こんな金髪美人のボンキュボンなんてそーそーいないからな。
だがリムは俺の物だ。俺だけが触る事を許される。
へっへーん!お前らなんかにゃもったいないんだよ!
……俺も頭以外触った事なんざないけどな。
「こんにちわ。どのようなご用件ですか?」
おっと、いつの間にか受付まで来てたらしい。
俺はいつもの渋いスマイルを浮かべつつ要件を伝えた。
「俺と相棒は流れの冒険者だ。俺が受けられるクエストでカンタンなのを頼むぜ」
ポケットからタグを握りしめてカウンターに置く。
このタグを見せる瞬間が快感なんだ。
伝説のSSSランク、冒険者の至高、見たこともなくてお嬢ちゃんは震えるだろう。
俺は握っていた掌を開いてタグをカウンターに落とす。
乾いた木製の音が聞こえ、ひさびさにタグが俺の目の前に現れた。
…………そうだ、俺は最下級だった。
「はい、ありがとうございます。それではあちらのクエストボードの最下段がお勧めとなりますので、そちらからお選びください」
輝かしい営業スマイルに俺は少し冷や汗をかきながら頷いた。
危ねぇ。カッコつけすぎなくてよかった。
振り向いてリムを見るとニコニコしてる。
ここら辺のことはまだわからんか。
「リム、あのボードにあるクエストを受けよう」
「おっけー!」
王都だけありクエストは豊富だ。
最下段で簡単な物を探していると、リムが何かを手に取った。
手に取ったら最後、必ずやらなければならない。
どんなにめんどくさそうでも、どんなに月日が掛かったとしてもだ。
「えっとリム?どうしてそれを?」
「文字わかんないからこれにしたの」
迂闊だった。
生まれてからあの洞窟にずっといたリムだ。あのじーさんが文字を教えるとは思えない。
むしろあの家には文字が書いてあるものすらなかったはずだ。
リムは文字が読めない……これはおいおい教えて行った方がいいだろう。
少しドキドキしながらそのクエストを見せてもらった。
「なになに?……アーヘンの洞窟最下層に住み着いた魔物の討伐?失敗数15!?」
思わず言葉尻が大きくなってしまった。
失敗数ってのは討伐クエストにだけつけられる名称だ。
討伐に向かった冒険者が死ぬか逃げて帰って来て破棄する場合に増えていく。
今回15ってことは、何人かの冒険者が犠牲になってるぐらい危ない魔物ってことだ。
とんでもないものを引き当てたなリム。
「リムさん?これはどこにあったのかな?」
「んとね、一番上ー!」
あぁでしょうね。
こんだけ危険なのが真ん中とかにあるわけがない。
危険度が高いものは上に貼られているが、その最上段とは。
S級でも辛いだろう。
だが俺が悪かったんだ。受けるだけ受けて、無理だったら逃げよう。
逃げ足だけは早いからな俺。
覚悟を決めて受付に持っていくとびっくりされた。
そうだろう。木製の最下級がこんなん持って来たら誰だって驚く。
俺だって驚く。
だが剥がしたものは仕方ない。
やるしかないんだよなぁ……。
「えっと、こちらの破棄の場合は金貨5枚で……払えないと奴隷身分への降格に……」
「あっはい。大丈夫です」
いや全然大丈夫じゃないぞ。
大丈夫じゃないけど大丈夫と言わなきゃダメだ。
金貨5枚とか今の俺じゃ全く払えん。
即奴隷化になっちまう。
リムを任された身としては、それだけは絶対に避けなきゃいけない。
……まぁなんとかするしかないな。
受付嬢が俺の話を聞いた後に一度後ろに下がった。
帰ってくると手には何やら紙を数枚握っている。
椅子に座るとその紙の内容を読み始めた。
「えー、情報としましては悪魔種の上位である可能性が高いこと。
SSランク冒険者の使っていた盾が捨てられていた為、少なくともそれ以上の戦闘能力を有してること。
生存者は2名、いずれもこの街から居なくなっています」
「……ほーん。なかなか手強そうだな」
大丈夫と言った手前強がるしかない。
俺は苦笑いを必至に隠しながら、ニヒルな笑みってのを浮かべた。
これでお嬢ちゃんの目には俺が不思議な魅力を持ったお兄さんに見えるはずだ。
最下級なのにSSランクも倒せなかった魔物に挑む冒険者。
これは惚れてもおかしくないね。
だが受付嬢はそんな俺の顔をスルーして口を開いた。
「死なないように気をつけてください」
「……ありがとよ」
依頼遂行証を受け取りギルドを後にする。
魔物倒した後、この証がその魔物の一部魔力を取り込むことによって仕事が完了となる。
今日は宿を探して明日に備えるのがいいだろう。
受付嬢に礼を言ってギルドを出た。
◇
「あんた止めなかったの?自殺行為よあれは」
先程ケイドと話していた受付嬢に、もう1人の受付嬢が話しかけてきた。
「ちゃんと情報は渡したし、生きるも死ぬのも冒険者次第でしょ」
それに対して冷たく言い放つ。
受付でどんなに止めたとしても、冒険者はそのプライドかわからないが拒否することはない。
そして無謀なクエストに挑戦して命を落とすことも多々あるのだ。
「そーだぜ?ベランナちゃんは悪くねぇ」
酒臭い冒険者が酒を片手に受付に肘をついた。
このギルドの常連でもあり、そこそこ腕の立つ冒険者だ。
「ベランナちゃん。あのおっさんは今噂の『おっさん新米冒険者』だ。周りにバカにされまくってるから手柄を欲したんだろう?」
ガハハ と笑いながら持っていた酒を煽る。
その酒臭さにベランナが顔をしかめながら口を開いた。
「そんなこと言ってるとあの人に抜かれるかも知れませんよ?」
「はっはっは!白雪草を1年かけて取ってきた奴だぞ?俺がそんなんに抜かれるわけがねぇ!」
ケイドが行方不明の間、白雪草を取りに行ったまま帰らないルーキーがいると噂が広がっていた。
それが年を重ねたおっさんだとも。
ケイドが知らない間に随分と有名になっていた。
「ま、あの身なりじゃ破棄料も払えねーし、すぐに奴隷行きだろ」
酒臭い冒険者が席へと戻って行った。
受付嬢が目線を落とすと、その紙には『目撃情報から推測される魔物』の名前と討伐推奨ランクが書いてある。
討伐推奨ランクSSS。
今までのケイドには絶対に倒せない魔物だ。
……決まったな。
俺かっこいい。
いやー、ひさびさに人と話したがこんなに緊張するとはな。
あいつらは盗賊か?
とりあえずこの道はもう安全だろうし、放置しても問題ない。
まぁ念のため王都までの道を掃除しとくか。
「ねぇケイド?なんで最初名乗らなかったのよ」
リムが話しかけてきた。
外見は立派な大人だが、中身はまだまだ子供か。
大人の渋さってもんはまだわからんのだろう。
「名乗らない方がかっこいい時もあるのさ」
「ふーん?変なの」
……まぁいい。
まだ俺の心は折れてない、大丈夫だ。
例え『変なの』と言われようが、かっこいい事に変わりはない……はずだ。
リムはまだ子供だし、頭でも撫でてればいいだろう。
「しかしリムは何でもできるな!じーさんも治されて喜んでたぞ」
「えへへー。そうかなー!」
俺に撫でられて満更でもなさそうだ。
リムと最初に会った時はまだ8,9歳ぐらいだったが、この1年で成長した。
いや、その表現は少し間違っているな。
元々リムは成長できる状態だった。
一番魔力を使わずに過ごせるのがあの幼女体型で、戦闘時には18歳まで変化できる。
あのじーさんがなんか言ってたが忘れた。
確か特殊だか特別だか言ってたような気もするが……。
ま、成長してもリムはリムだから問題ない。
王都までは特に魔物と当たる事なく到着した。
本当にこの辺は平和になったものだ。
これも冒険者が増えて定期的に見回っているからだろう。
まずはギルドに行って日銭を稼がないとな。
門を潜り、記憶を頼りにギルドへと向かう。
途中にある飯屋の味を思い出すと腹も減ってきた。
確かまだ金ならあるはずだ。
あとで食いに行こう。
ギルドに入ると何人かが俺を見てこそこそ話しを始めた。
まーわかるぞ。
元SSSランクの冒険者である俺を知らない奴はいないはずだ。
ましてやここは王都だ。
あんまり騒ぐんじゃねーぞ?
「ケイド、何ニヤニヤしてんのよ」
「あ、すまんすまん」
こいつらよく見たら俺じゃなくてリムを見てやがる。
確かにな?こんな金髪美人のボンキュボンなんてそーそーいないからな。
だがリムは俺の物だ。俺だけが触る事を許される。
へっへーん!お前らなんかにゃもったいないんだよ!
……俺も頭以外触った事なんざないけどな。
「こんにちわ。どのようなご用件ですか?」
おっと、いつの間にか受付まで来てたらしい。
俺はいつもの渋いスマイルを浮かべつつ要件を伝えた。
「俺と相棒は流れの冒険者だ。俺が受けられるクエストでカンタンなのを頼むぜ」
ポケットからタグを握りしめてカウンターに置く。
このタグを見せる瞬間が快感なんだ。
伝説のSSSランク、冒険者の至高、見たこともなくてお嬢ちゃんは震えるだろう。
俺は握っていた掌を開いてタグをカウンターに落とす。
乾いた木製の音が聞こえ、ひさびさにタグが俺の目の前に現れた。
…………そうだ、俺は最下級だった。
「はい、ありがとうございます。それではあちらのクエストボードの最下段がお勧めとなりますので、そちらからお選びください」
輝かしい営業スマイルに俺は少し冷や汗をかきながら頷いた。
危ねぇ。カッコつけすぎなくてよかった。
振り向いてリムを見るとニコニコしてる。
ここら辺のことはまだわからんか。
「リム、あのボードにあるクエストを受けよう」
「おっけー!」
王都だけありクエストは豊富だ。
最下段で簡単な物を探していると、リムが何かを手に取った。
手に取ったら最後、必ずやらなければならない。
どんなにめんどくさそうでも、どんなに月日が掛かったとしてもだ。
「えっとリム?どうしてそれを?」
「文字わかんないからこれにしたの」
迂闊だった。
生まれてからあの洞窟にずっといたリムだ。あのじーさんが文字を教えるとは思えない。
むしろあの家には文字が書いてあるものすらなかったはずだ。
リムは文字が読めない……これはおいおい教えて行った方がいいだろう。
少しドキドキしながらそのクエストを見せてもらった。
「なになに?……アーヘンの洞窟最下層に住み着いた魔物の討伐?失敗数15!?」
思わず言葉尻が大きくなってしまった。
失敗数ってのは討伐クエストにだけつけられる名称だ。
討伐に向かった冒険者が死ぬか逃げて帰って来て破棄する場合に増えていく。
今回15ってことは、何人かの冒険者が犠牲になってるぐらい危ない魔物ってことだ。
とんでもないものを引き当てたなリム。
「リムさん?これはどこにあったのかな?」
「んとね、一番上ー!」
あぁでしょうね。
こんだけ危険なのが真ん中とかにあるわけがない。
危険度が高いものは上に貼られているが、その最上段とは。
S級でも辛いだろう。
だが俺が悪かったんだ。受けるだけ受けて、無理だったら逃げよう。
逃げ足だけは早いからな俺。
覚悟を決めて受付に持っていくとびっくりされた。
そうだろう。木製の最下級がこんなん持って来たら誰だって驚く。
俺だって驚く。
だが剥がしたものは仕方ない。
やるしかないんだよなぁ……。
「えっと、こちらの破棄の場合は金貨5枚で……払えないと奴隷身分への降格に……」
「あっはい。大丈夫です」
いや全然大丈夫じゃないぞ。
大丈夫じゃないけど大丈夫と言わなきゃダメだ。
金貨5枚とか今の俺じゃ全く払えん。
即奴隷化になっちまう。
リムを任された身としては、それだけは絶対に避けなきゃいけない。
……まぁなんとかするしかないな。
受付嬢が俺の話を聞いた後に一度後ろに下がった。
帰ってくると手には何やら紙を数枚握っている。
椅子に座るとその紙の内容を読み始めた。
「えー、情報としましては悪魔種の上位である可能性が高いこと。
SSランク冒険者の使っていた盾が捨てられていた為、少なくともそれ以上の戦闘能力を有してること。
生存者は2名、いずれもこの街から居なくなっています」
「……ほーん。なかなか手強そうだな」
大丈夫と言った手前強がるしかない。
俺は苦笑いを必至に隠しながら、ニヒルな笑みってのを浮かべた。
これでお嬢ちゃんの目には俺が不思議な魅力を持ったお兄さんに見えるはずだ。
最下級なのにSSランクも倒せなかった魔物に挑む冒険者。
これは惚れてもおかしくないね。
だが受付嬢はそんな俺の顔をスルーして口を開いた。
「死なないように気をつけてください」
「……ありがとよ」
依頼遂行証を受け取りギルドを後にする。
魔物倒した後、この証がその魔物の一部魔力を取り込むことによって仕事が完了となる。
今日は宿を探して明日に備えるのがいいだろう。
受付嬢に礼を言ってギルドを出た。
◇
「あんた止めなかったの?自殺行為よあれは」
先程ケイドと話していた受付嬢に、もう1人の受付嬢が話しかけてきた。
「ちゃんと情報は渡したし、生きるも死ぬのも冒険者次第でしょ」
それに対して冷たく言い放つ。
受付でどんなに止めたとしても、冒険者はそのプライドかわからないが拒否することはない。
そして無謀なクエストに挑戦して命を落とすことも多々あるのだ。
「そーだぜ?ベランナちゃんは悪くねぇ」
酒臭い冒険者が酒を片手に受付に肘をついた。
このギルドの常連でもあり、そこそこ腕の立つ冒険者だ。
「ベランナちゃん。あのおっさんは今噂の『おっさん新米冒険者』だ。周りにバカにされまくってるから手柄を欲したんだろう?」
ガハハ と笑いながら持っていた酒を煽る。
その酒臭さにベランナが顔をしかめながら口を開いた。
「そんなこと言ってるとあの人に抜かれるかも知れませんよ?」
「はっはっは!白雪草を1年かけて取ってきた奴だぞ?俺がそんなんに抜かれるわけがねぇ!」
ケイドが行方不明の間、白雪草を取りに行ったまま帰らないルーキーがいると噂が広がっていた。
それが年を重ねたおっさんだとも。
ケイドが知らない間に随分と有名になっていた。
「ま、あの身なりじゃ破棄料も払えねーし、すぐに奴隷行きだろ」
酒臭い冒険者が席へと戻って行った。
受付嬢が目線を落とすと、その紙には『目撃情報から推測される魔物』の名前と討伐推奨ランクが書いてある。
討伐推奨ランクSSS。
今までのケイドには絶対に倒せない魔物だ。
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