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第1話
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気が付くと夢夜あみは知らないベッドで目を覚ました。
「……ここどこだろう…?」
上半身を起こして周囲を見回してみる。
「確か私は、学校から帰って…制服のまま寝ちゃって、それから……?」
そこは、明らかに自分の部屋ではない見覚えのない部屋だった。
白い壁と天井に白いタイルの床。十畳程の広さで、先程まであみが寝ていた、大きなベッド以外の家具は何も置いていない殺風景な部屋。
窓はなく、白い壁に目立つ黒い扉だけがあり、あみはベッドから降りて扉の前まで来ると、そっと覗ける程の隙間を開けて外を確認して見る。
薄暗く長い廊下が続いており、左右に扉が並んでいるのが見える。
オバケが出そうで怖いと思ったあみだったが、いつまでもここに居ても何も始まらない。
「怖いけど、ここから出ないと…」
この部屋の照明はあみが起きた時から点いており、少し眩しいくらいに明かりが部屋全体を照らしている。
もし何かあったらこの部屋に戻ろう、そう思いながらあみは廊下に出た。
自分のいた部屋の扉は開けっ放しにしておく。
そうした事で薄暗かった廊下が、部屋から漏れ出る光で少しは明るくなる。
自分以外の人がいないか、部屋から近くの扉を開けてみる。鍵がかかっているのか開かなかった。他の扉も試してみたが同じだった。
更に奥に進もうとした所で、何か音がする。
ひた… ひた… ひた…
何処からか足音が聞こえる。
ひたひたひたひたひた…
廊下の奥から何かが走ってこっちに近付いて来るのがわかった。
「!!!」
あみは急いで部屋に戻ると、扉を直ぐに閉めた。
ドンッ! ドンッ! ドンッ!!
何かが扉を叩く音が部屋中に響く。
恐怖であみは部屋の隅で体を縮こませ怯えていると、しばらくしてピタリと音が止んだ。
恐る恐る扉に近づくが、まだいるかもしれないと扉を開けるのは後にする。
まだ手が震えている。さっきぼんやりと見たモノは何なのだろう。あれは人間ではない、人の形をした何かだった。
もし捕まっていたら、私はどうなっていたのだろう…。
気を紛らす為にもう一度この部屋を見回してみる事にした。何かしていないと落ち着かないからだ。
…大きなベッドがあるだけで、あとは何もないただの広い部屋だ。
「あれ…?何かある…」
ベッドの下を覗いて見ると、四角い何かがあるのを見つけた。それを引っ張り出すと、ダンボール箱だった。
中には、懐中電灯とそれに使う為の乾電池、汚れたノートと書く為のペンが入っていた。
(最初はちゃんと見てなくて気が付かなかったけど、ベッドの下に置いてあったんだ…)
懐中電灯の明かりが点くかどうかを確認すると、何事もなくライトが点いた。
電池がなくなった時用の予備の乾電池もあるので、しばらく電池の心配はしなくてもよさそうだ。
ノートの表紙には所々に赤黒く汚れが付いているのが目につく。これは血だろうか。
そうじゃない事を願いながら中を開いて見てみると、手書きで簡単にこの建物内の間取り図が書かれていた。
見開きを使う程大きな図面にはここから出られる出口も描かれていて、図面の下に文字も一緒に記されてあるのを見つける。
『化け物に気を付けろ』
さっき見たモノの事を言っているのだろうか。
捕まったら殺されてしまうのかもしれないと思ったあみは身震いするがふと、この間取り図を書いた人はどうなってしまったのか気になった。
殺されてしまったのか、それとも生きてこの場所から出られたのかもしれない、そう考える事にして、改めて間取り図を見直して出口に続く道を見る。
他のページも開いて見てみたが、書かれているのはそれだけで後は真っ白だった。
「よし、行こう……!」
あみは間取り図が描かれたノートと懐中電灯を手に持って、扉の前まで行く。
震える体を押さえ、勇気を振り絞って扉を開けると、何かがいる廊下のその先へあみは足を踏み入れたのだった。
「……ここどこだろう…?」
上半身を起こして周囲を見回してみる。
「確か私は、学校から帰って…制服のまま寝ちゃって、それから……?」
そこは、明らかに自分の部屋ではない見覚えのない部屋だった。
白い壁と天井に白いタイルの床。十畳程の広さで、先程まであみが寝ていた、大きなベッド以外の家具は何も置いていない殺風景な部屋。
窓はなく、白い壁に目立つ黒い扉だけがあり、あみはベッドから降りて扉の前まで来ると、そっと覗ける程の隙間を開けて外を確認して見る。
薄暗く長い廊下が続いており、左右に扉が並んでいるのが見える。
オバケが出そうで怖いと思ったあみだったが、いつまでもここに居ても何も始まらない。
「怖いけど、ここから出ないと…」
この部屋の照明はあみが起きた時から点いており、少し眩しいくらいに明かりが部屋全体を照らしている。
もし何かあったらこの部屋に戻ろう、そう思いながらあみは廊下に出た。
自分のいた部屋の扉は開けっ放しにしておく。
そうした事で薄暗かった廊下が、部屋から漏れ出る光で少しは明るくなる。
自分以外の人がいないか、部屋から近くの扉を開けてみる。鍵がかかっているのか開かなかった。他の扉も試してみたが同じだった。
更に奥に進もうとした所で、何か音がする。
ひた… ひた… ひた…
何処からか足音が聞こえる。
ひたひたひたひたひた…
廊下の奥から何かが走ってこっちに近付いて来るのがわかった。
「!!!」
あみは急いで部屋に戻ると、扉を直ぐに閉めた。
ドンッ! ドンッ! ドンッ!!
何かが扉を叩く音が部屋中に響く。
恐怖であみは部屋の隅で体を縮こませ怯えていると、しばらくしてピタリと音が止んだ。
恐る恐る扉に近づくが、まだいるかもしれないと扉を開けるのは後にする。
まだ手が震えている。さっきぼんやりと見たモノは何なのだろう。あれは人間ではない、人の形をした何かだった。
もし捕まっていたら、私はどうなっていたのだろう…。
気を紛らす為にもう一度この部屋を見回してみる事にした。何かしていないと落ち着かないからだ。
…大きなベッドがあるだけで、あとは何もないただの広い部屋だ。
「あれ…?何かある…」
ベッドの下を覗いて見ると、四角い何かがあるのを見つけた。それを引っ張り出すと、ダンボール箱だった。
中には、懐中電灯とそれに使う為の乾電池、汚れたノートと書く為のペンが入っていた。
(最初はちゃんと見てなくて気が付かなかったけど、ベッドの下に置いてあったんだ…)
懐中電灯の明かりが点くかどうかを確認すると、何事もなくライトが点いた。
電池がなくなった時用の予備の乾電池もあるので、しばらく電池の心配はしなくてもよさそうだ。
ノートの表紙には所々に赤黒く汚れが付いているのが目につく。これは血だろうか。
そうじゃない事を願いながら中を開いて見てみると、手書きで簡単にこの建物内の間取り図が書かれていた。
見開きを使う程大きな図面にはここから出られる出口も描かれていて、図面の下に文字も一緒に記されてあるのを見つける。
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殺されてしまったのか、それとも生きてこの場所から出られたのかもしれない、そう考える事にして、改めて間取り図を見直して出口に続く道を見る。
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「よし、行こう……!」
あみは間取り図が描かれたノートと懐中電灯を手に持って、扉の前まで行く。
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