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Genius

Genius 2-3

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今日は一体何の実験だろうか。

先日、図書館で古代の魔法書を読んでいたからやはり古代魔法だろうか。

実験場にいるということは何らかの進展があったに違いない。

あの爆発は意図したものだったのだろうか。

ウキウキワクワクとそんな事を考えながら走ること数分、アディは実験場に辿り着いた。

普段ならこのまま一気に柵の中へ行く所だが、どうやら先客がいるらしい。

ギャラリーがいるのは珍しいことでは無い。
けれど今日のは本当に「客」のようだ。


軍人が二人と生徒ではなさそうな貴族の令嬢が二人、そしてどこぞの夫人…何とも奇妙な取り合わせだ。

何となく物陰に隠れて近付き良く見てみると、見覚えのある顔だった。


「あ、ウィザー・ウィンディアの妹君だ…隣にいるのは確かマトリーズ大尉、だっけ。もう一人の軍人さんはファブレス家の坊ちゃんで、それからあのご婦人は…えっと、アシュレイ公爵夫人かな」

正体が分かってもやはり奇妙な取り合わせに違いない。

軍人二人は制服で帯刀しているところを見ると仕事で来ているのだろう。
何らかの事件に学院が関わっていて婚約者であるアメリィに仲介を頼んだ、といったところか。

誰かに案内されて実験場まで来たものの、爆発音がしたため案内人が中を確認するまで外で待機させられているのだろう。

と、出来の良いアディの頭は瞬時に状況を整理した。

そこまでは分かる。
けれど…

「レディ・リリサが何だってこんな所に…?」

軍とも学院とも関係ない彼女が一体何の用があるのだろう。

流石の天才もこればかりは情報がなさすぎて分からない。

「ま、いっか」

アディはすぐに考えるのをやめた。

彼らが何者で何をしようと自分には関係ない。
ここへはフィリウスに実験の話を聞くために来ただけなのだ。

挨拶だけして素通りしよう、と物陰から出るとすぐにリックが振り向いた。

「誰かいるのか?!」

鋭い目付きと剣幕に驚きアディは思わず手を挙げた。









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