王妃の手習い

学友

帝国学園では、本国と同学年の２学年への編入が許された。

当初は、言語や学習内容が異なることから、１学年への編入を考えていたのが、編入試験の結果から２学年相当と判断されたのだ。
これも母国での妃教育が大きく関わったと感謝をした。

"編入"と云うのは、最初こそ三ヶ月の短期留学での渡帝であったのを、猛励猛勉の末、学力優秀と、学園と本国より編入の許しを勝ち得たのだ。

結果、母国を欺いたと言われればそれまでであるが、オフィーリアの本来の計画こそが帝国学園への"編入"であった。

最初から編入したいと望んたところで、果たして母国の許可が降りたかは分からない。

小さなチャンスを確実に掴むことが、次の目的への路筋へと繋がる。

三ヶ月、慣れない環境の元で猛烈に我武者羅に全力で学び評価を得たことを母国へ示し、"編入"の許可をもぎ取った。

故に、オフィーリアはこのまま卒業まで帝国学園で学ぶ。それまで母国へは戻らない。


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学園のクラスには帝国の皇子が在籍していた。

第五皇子である。その婚約者である侯爵令嬢も一緒であった。

王族と王族の婚約者と云う繋がりもあって、いや単に気が合ったということで、気軽に会話を交わせる間柄となった。

「第五皇子なんて誰も覚えてなどいないよ」
と、斜に構えてはいるが、彼・ヘンドリックも彼の婚約者・アリスティアも成績優秀であった。

学園の長期休みにも母国ヘ戻らないオフィーリアに、遊びにおいでよと気軽に声を掛けたと思ったら、招かれた晩餐には女王陛下も同席していたと云うのは、後の笑い話となった。