王妃の手習い

桃井すもも

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ウォルポール侯爵家

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世話役として後見を受け持ってくれたウォルポール侯爵家は、代々外交を担う家系である。

駐帝国外交大使として帝国に長く駐留しており、オフィーリアも何度か挨拶を交わしている。

オフィーリアの発音を褒めてくれた、例の紳士である。

夫人と長男が共に帝国に滞在しており、次男は母国の王都に残っている。


長男はアクティブに帝国と母国を行き来し、常に新しい情報を齎している。

夫人は男子ばかりの邸に令嬢を招いたことを喜んで、疑似「母娘の暮し」というものを楽しんでくれている。

今回の留学も、細々と手を尽くしてくれた彼らの助力がなければ、煩雑な諸々の手続きに奔走したことだろう。

そして、帝国での暮しはもう少し味気ないものであったことだろう。

オフィーリアは学園寮に入寮した為、平素は学園内で過ごしている。
休日ばかりは我が家と思って欲しいと大使の邸に部屋を与えられ、週末の住まいとしていた。

大使と父は旧知の仲らしく、父の幅広い交流関係に助けられた。

オフィーリアの母国での立ち位置も大使の理解するところで、それらを含めてオフィーリアを保護してくれている。


数年、生まれ故郷の家族や領民と離れていた物寂しさも、まさかの他国で家族らしい空気に触れて暮らせている事が、オフィーリアの心を温めてくれた。
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