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旅立1
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今日も父は一言も口を挟む事無く、オフィーリアの話しに耳を傾けてくれた。
そうして、オフィーリアの覚悟を確かめた。
オールブランス家に王家からの言付けは無い。
あらゆる事が後手に回るほど急を要した事態なのか。
それとも、取るに足らない田舎貴族と侮られているのか。
「それで、どうしようと考えている?」
どうしたいか問われた後に、父に再び問われた。
オールブランス家には弟がいてくれている。
王家への忠義は尽くした。
学園に、アンドリューに伴われて王女がやって来る。
王女とオフィーリアは同い年である。
「丁度良いではありませんか。私の席が空いております。王女殿下はそちらをそのままお使い下さればよろしいかと。」
「お前はそれで良いのか?」
「良いも何も。初めから分かっていたことではありませんか。それこそ、オールブランスはお役目を果たしたと胸を張れます。」
「お前のこれまでの努力は?」
「王家には十分な教育を頂きました。学びは私の宝となりましょう。」
父は私の瞳を見つめながら穏やかに耳を傾けてくれた。
娘を贄にされたことへの感情は、一切見せなかった。
「それで、お父様。お力をお貸し頂きたいのです。」
予てより考えていた事を父に告げる。
王家は了承してくれるだろうか。
してくれるだろう。私が退くと云うのだから。
ひとしきり話を聞いた父は静かに頷いた。
「では、その様に掛け合おう。」
そうして後ろに控えていた執事に何か言付けると、執事は速やかに文の用意をした。
王城へ明朝、文を出す。
そうして、オフィーリアの覚悟を確かめた。
オールブランス家に王家からの言付けは無い。
あらゆる事が後手に回るほど急を要した事態なのか。
それとも、取るに足らない田舎貴族と侮られているのか。
「それで、どうしようと考えている?」
どうしたいか問われた後に、父に再び問われた。
オールブランス家には弟がいてくれている。
王家への忠義は尽くした。
学園に、アンドリューに伴われて王女がやって来る。
王女とオフィーリアは同い年である。
「丁度良いではありませんか。私の席が空いております。王女殿下はそちらをそのままお使い下さればよろしいかと。」
「お前はそれで良いのか?」
「良いも何も。初めから分かっていたことではありませんか。それこそ、オールブランスはお役目を果たしたと胸を張れます。」
「お前のこれまでの努力は?」
「王家には十分な教育を頂きました。学びは私の宝となりましょう。」
父は私の瞳を見つめながら穏やかに耳を傾けてくれた。
娘を贄にされたことへの感情は、一切見せなかった。
「それで、お父様。お力をお貸し頂きたいのです。」
予てより考えていた事を父に告げる。
王家は了承してくれるだろうか。
してくれるだろう。私が退くと云うのだから。
ひとしきり話を聞いた父は静かに頷いた。
「では、その様に掛け合おう。」
そうして後ろに控えていた執事に何か言付けると、執事は速やかに文の用意をした。
王城へ明朝、文を出す。
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