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王太子の婚約者4
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穏やかな婚約者候補達との関係は、長くは続かなかった。
伯爵令嬢が候補を辞退した。
第三王子に手を引かれ、王太子に辞退を願った。第三王子と令嬢、二人は同い年である。
候補者に据えられる前から面識があったらしく、「兄上申し訳ありません。彼女を私に譲って下さい」と弟殿下に頭を下げられた王太子は諾とした。
陛下も王太子がよいのならばそれで良かろうと、第三王子と伯爵令嬢の婚約は呆気無く整う事となった。
え、よいの?候補者とはそんなに簡単に降りられるものだったの?
オフィーリアは気が抜ける思いであった。
状況変化はまだ続く。
三人となった候補者の一人である侯爵令嬢が、次期当主・女侯爵となるべく婚約者候補を辞退した。
彼女には兄がおり、彼が次期侯爵であったのだが、見聞を広げるための隣国での留学先で、あちらの公爵家令嬢と懇意となった。
恋は盲目。
当初は公爵家令嬢が嫁ぐ方向で話し合われたものが、公爵家では愛娘を離し難く思ったらしく、次期公爵当主としての隣国公爵家への婿入りを打診して来た。
王家とも繋がりの深い隣国公爵家の申し入れは、時に国家間の盟約ともなる。
両王家も隣国公爵家の意向を酌んで、侯爵長男は婿入りと相成った。
故に、侯爵令嬢は跡取りとして自家を継ぐ事となったのである。
僅かな期間に二人の婚約者候補の相次ぐ辞退。
え、え、どうなっているの?
オフィーリアは目まぐるしく変わる状況に戸惑った。
しかしながら、王太子妃候補は公爵令嬢で決まりであろう。
これは日を置かず、自身の候補者としての立ち位置も解消されるであろう。
王太子妃候補から降りたあとは、いよいよ自分も嫁ぎ先を探さねばならない。
王家に囚われた月日が惜しくもあるが、候補者令嬢達との交流も王家から受けた高度な教育も無駄にはならない、得難い経験であった。
オフィーリアはこれからの身の置き方に思いを馳せる。
そんなオフィーリアの、怒涛の変化は止まらない。
伯爵令嬢が候補を辞退した。
第三王子に手を引かれ、王太子に辞退を願った。第三王子と令嬢、二人は同い年である。
候補者に据えられる前から面識があったらしく、「兄上申し訳ありません。彼女を私に譲って下さい」と弟殿下に頭を下げられた王太子は諾とした。
陛下も王太子がよいのならばそれで良かろうと、第三王子と伯爵令嬢の婚約は呆気無く整う事となった。
え、よいの?候補者とはそんなに簡単に降りられるものだったの?
オフィーリアは気が抜ける思いであった。
状況変化はまだ続く。
三人となった候補者の一人である侯爵令嬢が、次期当主・女侯爵となるべく婚約者候補を辞退した。
彼女には兄がおり、彼が次期侯爵であったのだが、見聞を広げるための隣国での留学先で、あちらの公爵家令嬢と懇意となった。
恋は盲目。
当初は公爵家令嬢が嫁ぐ方向で話し合われたものが、公爵家では愛娘を離し難く思ったらしく、次期公爵当主としての隣国公爵家への婿入りを打診して来た。
王家とも繋がりの深い隣国公爵家の申し入れは、時に国家間の盟約ともなる。
両王家も隣国公爵家の意向を酌んで、侯爵長男は婿入りと相成った。
故に、侯爵令嬢は跡取りとして自家を継ぐ事となったのである。
僅かな期間に二人の婚約者候補の相次ぐ辞退。
え、え、どうなっているの?
オフィーリアは目まぐるしく変わる状況に戸惑った。
しかしながら、王太子妃候補は公爵令嬢で決まりであろう。
これは日を置かず、自身の候補者としての立ち位置も解消されるであろう。
王太子妃候補から降りたあとは、いよいよ自分も嫁ぎ先を探さねばならない。
王家に囚われた月日が惜しくもあるが、候補者令嬢達との交流も王家から受けた高度な教育も無駄にはならない、得難い経験であった。
オフィーリアはこれからの身の置き方に思いを馳せる。
そんなオフィーリアの、怒涛の変化は止まらない。
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