アダムとイヴ

桃井すもも

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エデンの園

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不実なお二人さんから目を反らし、一歩二歩と静かに離れます。

そのまま音を立てずに図書室を出ました。

校舎を出ると直ぐのところに花壇があって、そこのベンチでお花を見ながらぼーっと致しましょう、と思っておりましたら、どうやら先客が。

あれはフルール様。

例の、「図書室に於ける秘め事話し撲滅運動」の旗印を掲げていらっしゃる方だわ。

お隣にいらっしゃるのは、彼女のご生家へ養子に入られたシリル様ね。

お二人を見ていると、家族って良いな、兄妹って良いなと思います。

養子とは云え遠縁だそうだから、見目がよく似ていらっしゃる。

「あら、イヴ様!」
「御機嫌よう。フルール様、シリル様。」

白金・白銀の髪に薄紫の瞳。良く似たお二人が振り返りました。

そこで暫くベンチを巡って、どうぞお座りになって、いえいえもう帰るつもりでしたのでお気持ちだけ、とわちゃわちゃしている内に、フルール様の婚約者様まで参戦しそうだったので、そのままお別れしました。

私達は同じ学園の同じ学年、...なんかとても平均的な匂いがするわ。

兎に角、クラスメイトなのです。

そして、フルール様の婚約者様も、アダム様系統のなかなかにコケティッシュな美丈夫で、そんなこんなで私は勝手にフルール様へ親近感を覚えております。

同志!


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