アダムとイヴ

桃井すもも

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創世記

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私には、婚約者がおります。

その名をアダム様と仰います。

私の名がイヴですから、アダムとイヴで「創世記」の例のお騒がせカップルと同じ名ですね。

けれども、彼等と私達は違います。

だって、アダム様には心を寄せる女性(ひと)がいらっしゃるのですから。

神話の彼等は、元はそれなりに愛のある間柄でした。
色々あって拗れたところもありますが、それでも夫婦の体(てい)を保って子も儲けております。

天晴(あっぱれ)。

ちゃんと覚悟が出来ている。
覚悟が足りないのは私の方です。

あんな不実を知っていて、何も出来ずにいるのですから。

深く考え過ぎては駄目ですね。
ドリルダウンが過ぎました。

「エバ。」
ほら。噂をすれば。

「アダム!」

「こんな所にいたのか。」

ほんと。
何故、此処?

同じクラスの方が仰っておられました。
" 何故みんな秘めた話しを図書室でするのかしら。
巷で話題の小説も、令嬢達に人気の観劇も。
コソコソ話しの現場は図書室って、それ相場なの?
図書室は「私語厳禁」よ。お話しは外でして欲しいわ "

正論!貴女の仰る通り。
全く以てその通り。

彼女の言葉をそのまま掲示したいものです。
成績表の横なら、皆さんご覧になるかしら。

図書室は「私語厳禁」。
逢引なら、どうぞ余所をお探し下さい。



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