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「ステファニア、少し話しをしないか。」
湖の畔に来て、エルリックはステファニアを見つめて言った。それから騎士服の上着を脱いで足元の草原に敷いた。
「貴方の騎士服が汚れてしまうわ、エルリック様。私ならこのまま座れるわ。」
「君のスカートが汚れるほうが僕は嫌なんだ。言うことを聞き入れてもらえないのなら膝の上に座ってもらうけれど、良い?」
そう言われては仕方が無い。そこで本当にお膝に座ったらこの人はどんな顔をするのかしら。ステファニアは悪戯心がちょっぴり浮かぶも、大人しく従う事にした。
エルリックは、そのまま草の上に腰を下ろした。あまりに自然な所作に、彼は今までもこうして度々この岸辺に座っていたのではないかと思った。
恐る恐るジャケットの端にステファニアも腰を下ろした。視界が低くなって湖の向こう岸が正面に見えた。
「僕に兄がもう一人いるのは知っているよね。」
「ええ。前に貴方からそう聞いたわ。」
エルリックは、次兄についてをステファニアに話す気であるらしい。
「僕が騎士になったのは学園へ入学する前の年、夏の初めの頃なんだ。丁度、夏至を迎える直前だった。」
夏至の言葉に、シャーロットの姿が目に浮かんだ。
「水中に洞窟が空いていて、その中には道標の鎖が通っている。それは前にも話したね。長い鎖なんだ。正に命綱さ。暗闇で泳ぐ恐怖心を乗り越え導く道標だ。
鎖はね、空気に触れず完全に水中にある分には錆び難い。それでも、経年のうちには部分的に脆くなる。僕が湖に潜る時には、鎖が掛けられて随分時が経っていた。慣れた騎士らは脆くなった場所も体感で解っていたから、負荷を掛けずに通り抜ける術も得ていた。
けれども、僕が潜るタイミングでそろそろ掛け替えをする事になったんだ。
鎖の掛け替えは、長い鎖を巻いたものを肩に担いで、入り口から出口まで鎖を通して行く。口で言えばそれだけのことなんだ。口だけならね。
掛け替えであるから、古い鎖を外しながら新しい鎖を掛ける。それがどれほど大変かと言えば、何代か前の先達が洞窟内に鎖を掛ける為の岩場を組んでいて、そこを暗闇の中、手探りで一箇所ずつ探りながら古い鎖を外して掛け替えて行くんだよ。
屋外ならなんて事も無い作業だが、水中で、しかも狭い暗闇の中たった一人でやらねばならない。一旦洞窟に入ったなら簡単には引き返せない。考えただけで息が苦しくなるよね。
それを次兄は自分がやると名乗り出た。
次兄は泳ぎが天才的に上手かった。河童だと言われていたよ。ああ、河童とはね東方の伝説の妖獣なんだ。水辺に住んで人を惑わし溺れさせるんだ。
次兄は、『エルリックの初舞台なのだから、自分が舞台を整える』と言った。鎖の掛け替えは数十年に一度あるかないかの大仕事なんだ。肺が強くて体力も胆力もある熟練の騎士が挑む大仕事なんだ。
当時、次兄は十六歳、王都の学園の一年生だった。僕らは長兄から三人続けて年子でね、次兄は僕達の一つ上の学生に当たる。」
ステファニアは先が解ってしまって、もうその先を聞くのに耳を塞ぎたくなった。
ステファニアが学園に入学した時、西の辺境伯の令息とは同級生のエルリックの他には最上級生の長兄しか知らない。だから次兄とは、てっきり弟の様に別の学園に通っているのかと、そう思っていた。
エルリックは兄の面影を思い出す様に、少しの間、湖の一点を見つめた。それから話しの続きをする為に口を開いた。ステファニアは、出来ることなら続きを彼に語らせたくはなかった。エルリックが傷を負っているのだと解った。
「僕よりたった一つだけ年上の次兄が、僕の為に鎖の掛け替えという大仕事を請け負った。誰も反対しなかった。反対したくとも出来なかった。騎士が勇気を示しているのを、それを止めるは騎士の技量を否定する事になる。何より次兄は水の申し子の様な人だった。あの湖を、少年の頃から遊び場にしていた猛者だった。
母が次兄を信じると言った時、次兄はとても誇らしい顔をした。そうして僕に言ったんだ。
『エルリック、俺に任せろ。お前の門出を祝わせてくれ。お前は俺が通した鎖を辿って泳ぐんだ。大丈夫、必ず成功するから。そうしてお前も辺境騎士の仲間入りをするんだぞ。』
今日みたいな天気の良い日だった。次兄は湖に入った。鎖は長くて重くい。絡まないように巻いた鎖の束を担いで泳ぐんだ。
一人の騎士が介添え役になって洞窟の入り口まで一緒に担ぐ事になっていた。二人は鎖の束を担いで湖に沈んだ。それから洞窟を目指すのがここから見えたよ。丁度ここから見て真西の方向が洞窟なんだ。洞窟の真上から潜れれば最短なんだけれど、途中にある出っ張った岩場が脆くなって崩落しては穴を塞いでしまうからと、あちらの岸からは入水出来なかった。
僕はあの日、ここから彼等の水影を見送った。ここは透明度が高いから彼等の姿がよく見えた。穴の入り口で次兄が介添えの騎士から鎖の束を肩に掛けてもらっているのが見えた。鎖の端を確かめているのも解った。それから洞窟の穴の中に入って行った。まるで真っ暗闇に吸い込まれる様に僕には見えたよ。それきり次兄は戻らなかった。」
「ああ、」なんということ。
最後まで口には出来なかった。エルリックの前で悲しんでは駄目だと声を堪えた。掛ける言葉が見つからない。そこまで考えて、
「え?」
ステファニアは気が付いた。
「そうだよ、ステファニア。鎖は新しい物に変わっているよ。次兄はきっちりやり遂げたんだよ。古い鎖を残す事なく、新たな鎖に掛け替えた。そうしてここには戻らなかった。
次兄が鎖を確かに掛け替えたのを確認したのは僕なんだ。次兄が潜った翌日に、僕も潜った。ここから湖に入って次兄の水影を思い浮かべた。水晶がキラリと光って見えて、洞窟の穴は直ぐに解った。青い水の中にぽっかり空いた黒い口に見えたよ。そこから鎖の端が覗いていて、その鎖の端から辿って洞窟に入った。暗闇の中、次兄から教わった通りに鼓動に合わせて数を数えて、吐き出す空気を加減した。
次兄の掛けた鎖は何処も途絶える事なく掛け替えられていた。だから僕は次兄が確かにここを通ったのだと解ったんだ。暗闇の中の向こう側に陽の光が眩しく見えて、最後の最後まで、次兄がきっちり掛け替え終えたのだと解った。次兄は大仕事をたった一人でやり遂げたんだよ。
古い鎖の束が川の水底に沈んでいた。あれは新しい鎖を掛け替えた後に、もう一度洞窟に潜って古い鎖を回収したものだ。次兄は立て続けにあの水中洞窟を往復したんだ。
古い鎖が残されて、次兄の姿だけが何処にも無かった。」
湖の畔に来て、エルリックはステファニアを見つめて言った。それから騎士服の上着を脱いで足元の草原に敷いた。
「貴方の騎士服が汚れてしまうわ、エルリック様。私ならこのまま座れるわ。」
「君のスカートが汚れるほうが僕は嫌なんだ。言うことを聞き入れてもらえないのなら膝の上に座ってもらうけれど、良い?」
そう言われては仕方が無い。そこで本当にお膝に座ったらこの人はどんな顔をするのかしら。ステファニアは悪戯心がちょっぴり浮かぶも、大人しく従う事にした。
エルリックは、そのまま草の上に腰を下ろした。あまりに自然な所作に、彼は今までもこうして度々この岸辺に座っていたのではないかと思った。
恐る恐るジャケットの端にステファニアも腰を下ろした。視界が低くなって湖の向こう岸が正面に見えた。
「僕に兄がもう一人いるのは知っているよね。」
「ええ。前に貴方からそう聞いたわ。」
エルリックは、次兄についてをステファニアに話す気であるらしい。
「僕が騎士になったのは学園へ入学する前の年、夏の初めの頃なんだ。丁度、夏至を迎える直前だった。」
夏至の言葉に、シャーロットの姿が目に浮かんだ。
「水中に洞窟が空いていて、その中には道標の鎖が通っている。それは前にも話したね。長い鎖なんだ。正に命綱さ。暗闇で泳ぐ恐怖心を乗り越え導く道標だ。
鎖はね、空気に触れず完全に水中にある分には錆び難い。それでも、経年のうちには部分的に脆くなる。僕が湖に潜る時には、鎖が掛けられて随分時が経っていた。慣れた騎士らは脆くなった場所も体感で解っていたから、負荷を掛けずに通り抜ける術も得ていた。
けれども、僕が潜るタイミングでそろそろ掛け替えをする事になったんだ。
鎖の掛け替えは、長い鎖を巻いたものを肩に担いで、入り口から出口まで鎖を通して行く。口で言えばそれだけのことなんだ。口だけならね。
掛け替えであるから、古い鎖を外しながら新しい鎖を掛ける。それがどれほど大変かと言えば、何代か前の先達が洞窟内に鎖を掛ける為の岩場を組んでいて、そこを暗闇の中、手探りで一箇所ずつ探りながら古い鎖を外して掛け替えて行くんだよ。
屋外ならなんて事も無い作業だが、水中で、しかも狭い暗闇の中たった一人でやらねばならない。一旦洞窟に入ったなら簡単には引き返せない。考えただけで息が苦しくなるよね。
それを次兄は自分がやると名乗り出た。
次兄は泳ぎが天才的に上手かった。河童だと言われていたよ。ああ、河童とはね東方の伝説の妖獣なんだ。水辺に住んで人を惑わし溺れさせるんだ。
次兄は、『エルリックの初舞台なのだから、自分が舞台を整える』と言った。鎖の掛け替えは数十年に一度あるかないかの大仕事なんだ。肺が強くて体力も胆力もある熟練の騎士が挑む大仕事なんだ。
当時、次兄は十六歳、王都の学園の一年生だった。僕らは長兄から三人続けて年子でね、次兄は僕達の一つ上の学生に当たる。」
ステファニアは先が解ってしまって、もうその先を聞くのに耳を塞ぎたくなった。
ステファニアが学園に入学した時、西の辺境伯の令息とは同級生のエルリックの他には最上級生の長兄しか知らない。だから次兄とは、てっきり弟の様に別の学園に通っているのかと、そう思っていた。
エルリックは兄の面影を思い出す様に、少しの間、湖の一点を見つめた。それから話しの続きをする為に口を開いた。ステファニアは、出来ることなら続きを彼に語らせたくはなかった。エルリックが傷を負っているのだと解った。
「僕よりたった一つだけ年上の次兄が、僕の為に鎖の掛け替えという大仕事を請け負った。誰も反対しなかった。反対したくとも出来なかった。騎士が勇気を示しているのを、それを止めるは騎士の技量を否定する事になる。何より次兄は水の申し子の様な人だった。あの湖を、少年の頃から遊び場にしていた猛者だった。
母が次兄を信じると言った時、次兄はとても誇らしい顔をした。そうして僕に言ったんだ。
『エルリック、俺に任せろ。お前の門出を祝わせてくれ。お前は俺が通した鎖を辿って泳ぐんだ。大丈夫、必ず成功するから。そうしてお前も辺境騎士の仲間入りをするんだぞ。』
今日みたいな天気の良い日だった。次兄は湖に入った。鎖は長くて重くい。絡まないように巻いた鎖の束を担いで泳ぐんだ。
一人の騎士が介添え役になって洞窟の入り口まで一緒に担ぐ事になっていた。二人は鎖の束を担いで湖に沈んだ。それから洞窟を目指すのがここから見えたよ。丁度ここから見て真西の方向が洞窟なんだ。洞窟の真上から潜れれば最短なんだけれど、途中にある出っ張った岩場が脆くなって崩落しては穴を塞いでしまうからと、あちらの岸からは入水出来なかった。
僕はあの日、ここから彼等の水影を見送った。ここは透明度が高いから彼等の姿がよく見えた。穴の入り口で次兄が介添えの騎士から鎖の束を肩に掛けてもらっているのが見えた。鎖の端を確かめているのも解った。それから洞窟の穴の中に入って行った。まるで真っ暗闇に吸い込まれる様に僕には見えたよ。それきり次兄は戻らなかった。」
「ああ、」なんということ。
最後まで口には出来なかった。エルリックの前で悲しんでは駄目だと声を堪えた。掛ける言葉が見つからない。そこまで考えて、
「え?」
ステファニアは気が付いた。
「そうだよ、ステファニア。鎖は新しい物に変わっているよ。次兄はきっちりやり遂げたんだよ。古い鎖を残す事なく、新たな鎖に掛け替えた。そうしてここには戻らなかった。
次兄が鎖を確かに掛け替えたのを確認したのは僕なんだ。次兄が潜った翌日に、僕も潜った。ここから湖に入って次兄の水影を思い浮かべた。水晶がキラリと光って見えて、洞窟の穴は直ぐに解った。青い水の中にぽっかり空いた黒い口に見えたよ。そこから鎖の端が覗いていて、その鎖の端から辿って洞窟に入った。暗闇の中、次兄から教わった通りに鼓動に合わせて数を数えて、吐き出す空気を加減した。
次兄の掛けた鎖は何処も途絶える事なく掛け替えられていた。だから僕は次兄が確かにここを通ったのだと解ったんだ。暗闇の中の向こう側に陽の光が眩しく見えて、最後の最後まで、次兄がきっちり掛け替え終えたのだと解った。次兄は大仕事をたった一人でやり遂げたんだよ。
古い鎖の束が川の水底に沈んでいた。あれは新しい鎖を掛け替えた後に、もう一度洞窟に潜って古い鎖を回収したものだ。次兄は立て続けにあの水中洞窟を往復したんだ。
古い鎖が残されて、次兄の姿だけが何処にも無かった。」
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