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美術室は普段から鍵が開いている。
それは貴重品が保管されていない事と、絵具やキャンバス、胸像などは第二美術室に置かれており、この第一美術室は座学用に机が並ぶだけの部屋だからだろう。
北側の日陰の部屋であるから日中でもひやりと冷えて不人気スポットであるのだが、ステファニアとアメリアは好んで御食事処として利用していた。
後方には天井まで届く書架が二連あって、その裏側はガラクタ置き場となっていた。
埃の積もるその際奥に扉があるのが見え難いのは、手前に壊れた衝立が扉を覆う様に立てられているからだろう。
衝立の裏に回り込むと扉がある。引き戸であるからそのまま扉をスライドすればその向こうに小さな部屋が現れる。多分、何年か前に在職していた美術教師が休憩場所にしていたのだろう。
木製の机に小振りなソファとローテーブル、ボロボロになった美術図鑑にどう見ても紛い物のユニコーンの剥製がある。ステファニアは、このユニコーン、その美術教師が造ったんじゃなかろうかと考えている。
エルリックはソファに腰掛けサンドウィッチを頬張っていた。簡易ポットには紅茶が淹れられているのだろう。ここまで良い香りが漂っている。薫りの良い茶葉は山脈を擁する西の辺境伯領の名産である。
白銀の髪が窓から射し込む陽射しを受けてきらりと輝いている。
教室ではエルリックの後ろの席に座るステファニアは、そんな白銀の髪をいつも眺めていた。窓際最後尾席の恩恵である。
「お食事中にごめんなさいね。」
アメリアがそう言うと、
「はは、いつかは鉢合わせになると思ってたから気にしないで。」
王子は気さくな風に答えた。
エルリックは白銀の髪に青い瞳と云う寒色に加えて辺境騎士家の生まれから冷たい印象を与えるのだが、ステファニアには些細な諍い事には興味を示さない飄々とした人物に見えていた。
彼も辺境地の騎士であるが、特別大きな身体でも筋骨隆々と云う訳でもなく、どちらかといえば小柄で細身、綺麗な顔立ちが中性的に見えることから「王子」などと言う渾名で呼ばれて人気がある。
「エルリック様、ここでお会いするのも何かのご縁ね。ランチをご一緒しても宜しいかしら。」
アメリアは突撃隊長であるから、突然現れた二人にびっくりしているエルリックにランチの同席を求めた。
「アメリア、白状した方が良いわよ。貴女、エルリック様の紅茶をご一緒したいのではなくて?私はサンドウィッチに挟まれているスモークハムが目当てだけれど。」
すかさずステファニアが援護射撃をすれば、
「二人共座って。紅茶はたっぷりあるし、サンドウィッチも御名答、スモークハム入りだよ。君達からスコーンを頂戴出来るのならご相伴に預かりたいな。」
エルリックは、直ぐに気さくに答えてくれた。
「どうしてスコーンだと解ったの?」
「ふっ、ステファニア嬢の席から甘い香りがしたからね。チョコチップを入れてもらったんだろう?」
仰る通りである。料理長に焼いてもらうスコーンにはチョコチップがたっぷり入っている。たっぷりとは焼き菓子の限界くらいと言えば解りやすいか。
「チーズ入りもあるのです。是非召し上がって。」
「まあ、ステファニア、それなら私も頂くわ。そうね、私はフルーツをお二人にお分けするわね。」
本日の目的は、狼青年ニコラスからの逃避行であったのだが、思いも掛けずエルリックとのランチタイムになった。
アメリアは飾らないさっぱりとした気質である。ステファニアはそんなアメリアと友情を得られた事を幸運だと思っている。彼女とは気が合うし、ぽんぽん飛び出す会話も楽しい。
しかし、アメリアは侯爵家の令嬢である。自身を末っ子の絞りかすの様にアメリアは言うが、彼女が父侯爵から非常に愛されているのは有名な話である。
そんなアメリアは、侯爵仕込みの処世術に長けており、交渉事にも才がある。
だから、こんな場面でも必ず突撃するだろうとステファニアは思っていた。
「エルリック様。シャーロット様は何故聖女と呼ばれているの?」
香り高いお茶をひと口含んで、アメリアは突撃した。行き成り斬り込んだ。
「ああ、それは、」
話し掛けたエルリックにステファニアは驚いた。話しちゃって良いの?それって機密事項ではないの?!
「それはシャーロット嬢が湖の中から現れたからさ。」
「「ええっ!!」」
エルリック様、軽く言い過ぎでは?いやいやそんな事より湖の中って。
一体、どちらに驚いてよいのか分からない。
「それってどういう?」
ステファニアは恐る恐る聞いてみた。湖の中から現れるって、金か銀の斧を持っていたのかしら。
「ぶっ、斧は持っていないよ、ステファニア嬢。」
どうやら心の声は知らず知らずの内にお口から飛び出ていたようだ。って、エルリック様、貴方、今吹いたわね。
「大丈夫よ、ステファニア。私も、私なら金ですって答えるだろうなって思ったから。」
欲張りなアメリアが慰めてくれる。
「それで、湖の中からとは?」
気を取り直してステファニアは尋ねた。
「言葉通りだよ。彼女はある日、湖の中から現れた。湖と言うよりも、泉と言った方が正しいかな。」
えーと、湖と泉とは何が違うんだろう?
ステファニアの素朴な疑問を読みとったらしいエルリックは答えてくれた。
「小さな湖なんだよ。泉ほどの。だが水深が深い。そして特別な湖だったんだ。」
「特別?」
「ああ。神殿を囲む森林の中にある湖だったからね。まあ、神聖と言うか、そんなところ。」
「そんなところって、」
「辺境伯領では確かに騒ぎにはなったよ。若い女性が湖から現れたんだから驚く光景ではあったろう。けれど、だからと言ってそれと神聖を結び付ける事は無いよ。寧ろ事故か事件かを疑う。水面に半身を出すのだって、それ自体は泳げれば訳ない事だよ。」
「そんな事って出来るの?溺れたりしないの?」
「さてはステファニア嬢は金槌だな?出来るよ。練習すれば。」
エルリックは事も無げな風に答えた。
それは貴重品が保管されていない事と、絵具やキャンバス、胸像などは第二美術室に置かれており、この第一美術室は座学用に机が並ぶだけの部屋だからだろう。
北側の日陰の部屋であるから日中でもひやりと冷えて不人気スポットであるのだが、ステファニアとアメリアは好んで御食事処として利用していた。
後方には天井まで届く書架が二連あって、その裏側はガラクタ置き場となっていた。
埃の積もるその際奥に扉があるのが見え難いのは、手前に壊れた衝立が扉を覆う様に立てられているからだろう。
衝立の裏に回り込むと扉がある。引き戸であるからそのまま扉をスライドすればその向こうに小さな部屋が現れる。多分、何年か前に在職していた美術教師が休憩場所にしていたのだろう。
木製の机に小振りなソファとローテーブル、ボロボロになった美術図鑑にどう見ても紛い物のユニコーンの剥製がある。ステファニアは、このユニコーン、その美術教師が造ったんじゃなかろうかと考えている。
エルリックはソファに腰掛けサンドウィッチを頬張っていた。簡易ポットには紅茶が淹れられているのだろう。ここまで良い香りが漂っている。薫りの良い茶葉は山脈を擁する西の辺境伯領の名産である。
白銀の髪が窓から射し込む陽射しを受けてきらりと輝いている。
教室ではエルリックの後ろの席に座るステファニアは、そんな白銀の髪をいつも眺めていた。窓際最後尾席の恩恵である。
「お食事中にごめんなさいね。」
アメリアがそう言うと、
「はは、いつかは鉢合わせになると思ってたから気にしないで。」
王子は気さくな風に答えた。
エルリックは白銀の髪に青い瞳と云う寒色に加えて辺境騎士家の生まれから冷たい印象を与えるのだが、ステファニアには些細な諍い事には興味を示さない飄々とした人物に見えていた。
彼も辺境地の騎士であるが、特別大きな身体でも筋骨隆々と云う訳でもなく、どちらかといえば小柄で細身、綺麗な顔立ちが中性的に見えることから「王子」などと言う渾名で呼ばれて人気がある。
「エルリック様、ここでお会いするのも何かのご縁ね。ランチをご一緒しても宜しいかしら。」
アメリアは突撃隊長であるから、突然現れた二人にびっくりしているエルリックにランチの同席を求めた。
「アメリア、白状した方が良いわよ。貴女、エルリック様の紅茶をご一緒したいのではなくて?私はサンドウィッチに挟まれているスモークハムが目当てだけれど。」
すかさずステファニアが援護射撃をすれば、
「二人共座って。紅茶はたっぷりあるし、サンドウィッチも御名答、スモークハム入りだよ。君達からスコーンを頂戴出来るのならご相伴に預かりたいな。」
エルリックは、直ぐに気さくに答えてくれた。
「どうしてスコーンだと解ったの?」
「ふっ、ステファニア嬢の席から甘い香りがしたからね。チョコチップを入れてもらったんだろう?」
仰る通りである。料理長に焼いてもらうスコーンにはチョコチップがたっぷり入っている。たっぷりとは焼き菓子の限界くらいと言えば解りやすいか。
「チーズ入りもあるのです。是非召し上がって。」
「まあ、ステファニア、それなら私も頂くわ。そうね、私はフルーツをお二人にお分けするわね。」
本日の目的は、狼青年ニコラスからの逃避行であったのだが、思いも掛けずエルリックとのランチタイムになった。
アメリアは飾らないさっぱりとした気質である。ステファニアはそんなアメリアと友情を得られた事を幸運だと思っている。彼女とは気が合うし、ぽんぽん飛び出す会話も楽しい。
しかし、アメリアは侯爵家の令嬢である。自身を末っ子の絞りかすの様にアメリアは言うが、彼女が父侯爵から非常に愛されているのは有名な話である。
そんなアメリアは、侯爵仕込みの処世術に長けており、交渉事にも才がある。
だから、こんな場面でも必ず突撃するだろうとステファニアは思っていた。
「エルリック様。シャーロット様は何故聖女と呼ばれているの?」
香り高いお茶をひと口含んで、アメリアは突撃した。行き成り斬り込んだ。
「ああ、それは、」
話し掛けたエルリックにステファニアは驚いた。話しちゃって良いの?それって機密事項ではないの?!
「それはシャーロット嬢が湖の中から現れたからさ。」
「「ええっ!!」」
エルリック様、軽く言い過ぎでは?いやいやそんな事より湖の中って。
一体、どちらに驚いてよいのか分からない。
「それってどういう?」
ステファニアは恐る恐る聞いてみた。湖の中から現れるって、金か銀の斧を持っていたのかしら。
「ぶっ、斧は持っていないよ、ステファニア嬢。」
どうやら心の声は知らず知らずの内にお口から飛び出ていたようだ。って、エルリック様、貴方、今吹いたわね。
「大丈夫よ、ステファニア。私も、私なら金ですって答えるだろうなって思ったから。」
欲張りなアメリアが慰めてくれる。
「それで、湖の中からとは?」
気を取り直してステファニアは尋ねた。
「言葉通りだよ。彼女はある日、湖の中から現れた。湖と言うよりも、泉と言った方が正しいかな。」
えーと、湖と泉とは何が違うんだろう?
ステファニアの素朴な疑問を読みとったらしいエルリックは答えてくれた。
「小さな湖なんだよ。泉ほどの。だが水深が深い。そして特別な湖だったんだ。」
「特別?」
「ああ。神殿を囲む森林の中にある湖だったからね。まあ、神聖と言うか、そんなところ。」
「そんなところって、」
「辺境伯領では確かに騒ぎにはなったよ。若い女性が湖から現れたんだから驚く光景ではあったろう。けれど、だからと言ってそれと神聖を結び付ける事は無いよ。寧ろ事故か事件かを疑う。水面に半身を出すのだって、それ自体は泳げれば訳ない事だよ。」
「そんな事って出来るの?溺れたりしないの?」
「さてはステファニア嬢は金槌だな?出来るよ。練習すれば。」
エルリックは事も無げな風に答えた。
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