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聖女ってなんだろう。
ステファニアは思う。
ステファニアも神殿には行ったことがある。
祖母がまだ存命であった頃は、度々礼拝に行くのに付き合わされて神殿を訪れた。
あの厳かな空気は好きである。
鼻腔を擽る香の薫り、遠くから聴こえる詠唱。跪く信者にすれ違う聖職者。
あの司祭服に身を包んだ聖職者は聖女と何が違うと言うのだろう。信仰に身を捧げ世の安寧を祈るシスターを、等しく聖女と言わないのか。
黒髪に漆黒の瞳とは確かに珍しい。
聖女の噂が遠い辺境伯領からこの王都まで流れるのには理由がある。
聖女はある日突然現れた。国境を警護する兵士が見つけたのだという。それってもしかして隣国から越境しただけなのでは?
ステファニアは素朴な疑問が湧くも、会ってみたいと遠くを見るような眼差しをする婚約者を前にして、そんな事は言えなかった。
婚約者には言えなかったが姉には言えた。ついでに義兄にも言えた。
三人の考察は「越境者若しくは密入国者」で満場一致であった。
ニコラスは知っているだろうか。
その聖女とやらは、近々王都にやって来る。王城に部屋を与えられるらしく、破格の高待遇を受けるらしい。
文官である義兄から王城で専らの噂だと聞いたから間違い無い。彼はその見目からは分かり難いが、実はキレ者なのだ。父が婿に選んだ程であるから、あの見目に騙されてはならない。
この話しをニコラスに教えてあげたなら、彼はきっと喜んだに違いない。もしかしたら、あの場で婚約の解消を願ったかも知れない。
そんな気配を感じたから、ステファニアは「愈々だ」と覚悟をしたのである。
「ステファニア、聞いたか?」
「何をでしょう。」
「聖女が王都にやって来る。」
婚約してから、朝はニコラスが邸まで迎えに来てくれていた。放課後は騎士団の訓練に向かうニコラスとは、朝の通学する間が二人だけで語らう時間であった。
「それは宜しかったですね。」
ステファニアがそう言うと、ニコラスは口籠ってしまった。
ステファニアはニコラスの心を読めずにいる。二年もの間、毎朝会っているのに会話が弾む事は無かったから、彼の事を未だに掴みきれずにいた。多分、ニコラスも同じ事を感じているのではないだろうか。
喧嘩など一度もした事は無い。
友人達はしょっちゅう口喧嘩をしてしまったと話していたが、ステファニアはきっと、ニコラスが何を言っても彼の言い分を飲むだろう。ステファニアが口答えをしたなら、ニコラスは何れ程驚くだろう。
「君は聖女に会いたいとは思わないのか?」
「神殿には毎月礼拝しております。司祭様にもその時にお会いしております。」
「司祭と聖女は違うだろう。」
「聖女とは、どんなお方なのでしょう。」
「解らない。ただ、」
ただ、と言ってニコラスは少しの間何かを考える風であった。それから、
「きっと美しいのだろうな。」
そう言った。
聖女とはイコール美しいのだろう。そうでなければ態々遠い王都まで呼ばれるなど、それも王城に部屋まで与えられるなどということは無いだろう。
ニコラスの憧憬に水を差したくなかった。
だからステファニアは、
「きっとそうでしょうね。」
そう答えた。
ニコラスは何故かほっとした様な表情をした。
「愈々らしいわね。」
教室に入って席に着くと、アメリアがやって来た。
アメリアは侯爵家の令嬢であるが、末っ子の四女ということで自身の価値をもの凄く低くみている。その為か、爵位の劣るステファニアにも気さくに付き合ってくれる。
アメリアが言う愈々とは、聖女が西の辺境伯領から王都へ移って来る事だろう。
「そうらしいわね。」
そう答えればアメリアは、
「お父上から聞いたの?」
と、問うて来た。
「いいえ、お義兄様よ。」
「それは確かな情報ね。」
「お義兄様の言う事に過ちは無いわ。キレッキレの切れ者ですもの。」
「貴女くらいよ、あの方をそんな軽口で言うのは。」
「そうかしら。お母様なんて路傍の石くらいに思っているんじゃないかしら。でも、姉が大切にしているから良いわよね。」
「爵位はお姉様がお継ぎになるのでしょう?」
「ええ。お義兄様は縛られるのがお嫌なのよ。王城に縛られるので十分なんですって。」
「確かに。」
「そうそう、お話が逸れてしまったわ。」
アメリアはそこで声を潜めた。
「聖女様。どうやら学園に入るらしいわ。」
「え、本当に?」
それはステファニアも初耳であった。
「ええ。多分、早ければ来週には。」
「そんなに早く?」
聖女が王都に来ると聞いたのは、つい先日の事である。
「学園には西の辺境伯の子息がいるのだもの。彼が聖女様の側付きになるのではないかしら。」
「それって、」
「そうよ、ステファニア。彼女はこのクラスに編入するのよ。」
ステファニアのクラスには、西の辺境伯の令息がいる。彼は辺境伯の次男で、王都のタウンハウスから学園へ通っていると記憶していた。
「なんだか騒がしくなりそうね。」
思わず漏らした言葉に、
「波乱の予感がするわ。」
アメリアも眉を潜めた。
ニコラスに教えてあげたら喜ぶだろうか。
彼は一度も会った事の無い聖女に惹かれている。
「西の辺境伯が絡むとなると...」
王城の騎士達は辺境伯の兵士達とは反りが合わない。方や野蛮だ方や洒落者だと互いに牽制し合っている。
「エルリック様がお側付きになるのかしら。」
「多分、そうでしょうね。」
思ったままを口に出せば、アメリアも同意した。
エルリックは、件の辺境伯家の次男坊である。
ニコラスが王宮の騎士団に所属していたから、ステファニアも辺境伯の子息であるエルリックとは挨拶を交わす程度、それ以上の交流を持つことは無かった。
聖女の側にエルリックが付くのだとしたら、ニコラスはきっと残念に思うだろう。
ステファニアの目の前で聖女聖女と浮かれるニコラスの顔を思い浮かべた。
ステファニアは思う。
ステファニアも神殿には行ったことがある。
祖母がまだ存命であった頃は、度々礼拝に行くのに付き合わされて神殿を訪れた。
あの厳かな空気は好きである。
鼻腔を擽る香の薫り、遠くから聴こえる詠唱。跪く信者にすれ違う聖職者。
あの司祭服に身を包んだ聖職者は聖女と何が違うと言うのだろう。信仰に身を捧げ世の安寧を祈るシスターを、等しく聖女と言わないのか。
黒髪に漆黒の瞳とは確かに珍しい。
聖女の噂が遠い辺境伯領からこの王都まで流れるのには理由がある。
聖女はある日突然現れた。国境を警護する兵士が見つけたのだという。それってもしかして隣国から越境しただけなのでは?
ステファニアは素朴な疑問が湧くも、会ってみたいと遠くを見るような眼差しをする婚約者を前にして、そんな事は言えなかった。
婚約者には言えなかったが姉には言えた。ついでに義兄にも言えた。
三人の考察は「越境者若しくは密入国者」で満場一致であった。
ニコラスは知っているだろうか。
その聖女とやらは、近々王都にやって来る。王城に部屋を与えられるらしく、破格の高待遇を受けるらしい。
文官である義兄から王城で専らの噂だと聞いたから間違い無い。彼はその見目からは分かり難いが、実はキレ者なのだ。父が婿に選んだ程であるから、あの見目に騙されてはならない。
この話しをニコラスに教えてあげたなら、彼はきっと喜んだに違いない。もしかしたら、あの場で婚約の解消を願ったかも知れない。
そんな気配を感じたから、ステファニアは「愈々だ」と覚悟をしたのである。
「ステファニア、聞いたか?」
「何をでしょう。」
「聖女が王都にやって来る。」
婚約してから、朝はニコラスが邸まで迎えに来てくれていた。放課後は騎士団の訓練に向かうニコラスとは、朝の通学する間が二人だけで語らう時間であった。
「それは宜しかったですね。」
ステファニアがそう言うと、ニコラスは口籠ってしまった。
ステファニアはニコラスの心を読めずにいる。二年もの間、毎朝会っているのに会話が弾む事は無かったから、彼の事を未だに掴みきれずにいた。多分、ニコラスも同じ事を感じているのではないだろうか。
喧嘩など一度もした事は無い。
友人達はしょっちゅう口喧嘩をしてしまったと話していたが、ステファニアはきっと、ニコラスが何を言っても彼の言い分を飲むだろう。ステファニアが口答えをしたなら、ニコラスは何れ程驚くだろう。
「君は聖女に会いたいとは思わないのか?」
「神殿には毎月礼拝しております。司祭様にもその時にお会いしております。」
「司祭と聖女は違うだろう。」
「聖女とは、どんなお方なのでしょう。」
「解らない。ただ、」
ただ、と言ってニコラスは少しの間何かを考える風であった。それから、
「きっと美しいのだろうな。」
そう言った。
聖女とはイコール美しいのだろう。そうでなければ態々遠い王都まで呼ばれるなど、それも王城に部屋まで与えられるなどということは無いだろう。
ニコラスの憧憬に水を差したくなかった。
だからステファニアは、
「きっとそうでしょうね。」
そう答えた。
ニコラスは何故かほっとした様な表情をした。
「愈々らしいわね。」
教室に入って席に着くと、アメリアがやって来た。
アメリアは侯爵家の令嬢であるが、末っ子の四女ということで自身の価値をもの凄く低くみている。その為か、爵位の劣るステファニアにも気さくに付き合ってくれる。
アメリアが言う愈々とは、聖女が西の辺境伯領から王都へ移って来る事だろう。
「そうらしいわね。」
そう答えればアメリアは、
「お父上から聞いたの?」
と、問うて来た。
「いいえ、お義兄様よ。」
「それは確かな情報ね。」
「お義兄様の言う事に過ちは無いわ。キレッキレの切れ者ですもの。」
「貴女くらいよ、あの方をそんな軽口で言うのは。」
「そうかしら。お母様なんて路傍の石くらいに思っているんじゃないかしら。でも、姉が大切にしているから良いわよね。」
「爵位はお姉様がお継ぎになるのでしょう?」
「ええ。お義兄様は縛られるのがお嫌なのよ。王城に縛られるので十分なんですって。」
「確かに。」
「そうそう、お話が逸れてしまったわ。」
アメリアはそこで声を潜めた。
「聖女様。どうやら学園に入るらしいわ。」
「え、本当に?」
それはステファニアも初耳であった。
「ええ。多分、早ければ来週には。」
「そんなに早く?」
聖女が王都に来ると聞いたのは、つい先日の事である。
「学園には西の辺境伯の子息がいるのだもの。彼が聖女様の側付きになるのではないかしら。」
「それって、」
「そうよ、ステファニア。彼女はこのクラスに編入するのよ。」
ステファニアのクラスには、西の辺境伯の令息がいる。彼は辺境伯の次男で、王都のタウンハウスから学園へ通っていると記憶していた。
「なんだか騒がしくなりそうね。」
思わず漏らした言葉に、
「波乱の予感がするわ。」
アメリアも眉を潜めた。
ニコラスに教えてあげたら喜ぶだろうか。
彼は一度も会った事の無い聖女に惹かれている。
「西の辺境伯が絡むとなると...」
王城の騎士達は辺境伯の兵士達とは反りが合わない。方や野蛮だ方や洒落者だと互いに牽制し合っている。
「エルリック様がお側付きになるのかしら。」
「多分、そうでしょうね。」
思ったままを口に出せば、アメリアも同意した。
エルリックは、件の辺境伯家の次男坊である。
ニコラスが王宮の騎士団に所属していたから、ステファニアも辺境伯の子息であるエルリックとは挨拶を交わす程度、それ以上の交流を持つことは無かった。
聖女の側にエルリックが付くのだとしたら、ニコラスはきっと残念に思うだろう。
ステファニアの目の前で聖女聖女と浮かれるニコラスの顔を思い浮かべた。
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