転生したら従者になった話

15災難(2)

ちょっとお兄さーん！！
何度呼びかけても荒い息しか聞こえて来無い。
耳元でハアハア言ってるし、太腿に硬いの当たってるし、どうすんだよこれ！
こいつがイケメンじゃ無かったらただの変態でお巡りさん行きだぞっ！

どうしようかと悩んでると、唇に柔らかい感触がした。
待って待ってもしかしなくてもキスされてる！？俺のファーストキッス？！
どうゆうつもりでこんな事をってやつを見上げれば目が逝ってた。
段々と深くなってくキス。獣人なだけあって力が強い為、押し返すことが出来ない。
あ、牙ってやっぱトンガってんだな。とか、あれ、あの餓鬼共寮に戻ってねえ？と、現実逃避に必死になっていた。

もうこのまま好きにさせてやろうか。寒いし疲れたし、土塗れだしと諦めかけた時、ハオが俺の息子に触る感触がして我に戻った。
睡眠魔法でハオを眠らせ、少ない体力を使って寮に転移した。
どうせヤられるとしても、こんなとこは嫌だ！って言う意地と根性で。

転移は成功し、ハオを担いでシアン様の部屋に戻ったら、呑気に湯上りでアシュと紅茶を飲んで寛いでいた。
部屋に戻り二人が無事なのを確認しホッとしたが、二人はキョトン顔で「どうしてそんなにボロボロなの？」って言いやがった。てめえらが勝手に土砂降りの中森に行ったからだろうが！！って叫びたかったが、流石に主人にはそんな事言えるわけも無く。
俺はハハハッと空笑いするしかなかった。


その後ハオを風呂に入れ、擦り傷や捻挫などの治療をアシュにやってもらい回復した。
今回の一件をハオに聞くと、崖から落ちた以降の記憶は無いらしいので、俺も犬に噛まれた程度に思っておく事にする。





と言う事で、長くなりましたが唯一記憶に残っている出来事です。
では、次回から中等部編と言う事で！！