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リュファエン王子と話している内に、そろそろパーティーがお開きになる時間になった。
この様子だと、もうユラと踊れないかな。
ダンスをしていた人もチラホラと止め始めているし。
「ユア、ユラの居場所わかる?」
でも、少しでもユラと話したいと思い、ユアにユラの居場所を探して貰おうとしたら、ユアは扉の方に視線をやった
その視線を辿ると、扉の横の壁に姿勢良く立っているユラが居た。
その姿に、周りの人達は目を奪われている様だった。
確かにユラは立っているだけで絵になるし、目を奪われる。
そんな完璧な人が俺の従者なんだぞ!と自慢したい一方、見るな!と言ってしまいたい気持ちにもなる。
そんな、醜い気持ちと戦っていると、ユラと目が合った。
ユラは俺を見るなり、口角を上げニコッと笑った。
その表情が、どれだけ周りの視線を釘付けにしているのかユラは分かっていない。
「シアン様、此度のパーティー楽しまれましたか?」
静かに俺の元に来て、胸に手を当て頭を下げたまま言う。
「ふんっ!どっかの誰かさんが俺の元に居なかったせいで、全然楽しくなかった!!」
思わずユラのいる逆の方を向いて言った。
やってしまった!!
チラッとユラの方を目だけで見ると、ユラは少し頭を上げて目を見開いていた。
「失礼致しました。どうすればお許し下さるでしょうか」
「ラスト一曲、俺と踊って。そうすれば許してやらなくも無いっ」
言った。言ってしまった。
断られるかな?
不安で目を閉じてしまった。
暫く待っても返事が無い為、恐る恐る目を開けると、ユラと目が合った。
「畏まりました。我が主人のお望みのままに」
ユラは口角を上げて綺麗に微笑み一礼をし、俺の指先に口付けを落とした。
その光景に、周りは甲高いを上げていた。
この様子だと、もうユラと踊れないかな。
ダンスをしていた人もチラホラと止め始めているし。
「ユア、ユラの居場所わかる?」
でも、少しでもユラと話したいと思い、ユアにユラの居場所を探して貰おうとしたら、ユアは扉の方に視線をやった
その視線を辿ると、扉の横の壁に姿勢良く立っているユラが居た。
その姿に、周りの人達は目を奪われている様だった。
確かにユラは立っているだけで絵になるし、目を奪われる。
そんな完璧な人が俺の従者なんだぞ!と自慢したい一方、見るな!と言ってしまいたい気持ちにもなる。
そんな、醜い気持ちと戦っていると、ユラと目が合った。
ユラは俺を見るなり、口角を上げニコッと笑った。
その表情が、どれだけ周りの視線を釘付けにしているのかユラは分かっていない。
「シアン様、此度のパーティー楽しまれましたか?」
静かに俺の元に来て、胸に手を当て頭を下げたまま言う。
「ふんっ!どっかの誰かさんが俺の元に居なかったせいで、全然楽しくなかった!!」
思わずユラのいる逆の方を向いて言った。
やってしまった!!
チラッとユラの方を目だけで見ると、ユラは少し頭を上げて目を見開いていた。
「失礼致しました。どうすればお許し下さるでしょうか」
「ラスト一曲、俺と踊って。そうすれば許してやらなくも無いっ」
言った。言ってしまった。
断られるかな?
不安で目を閉じてしまった。
暫く待っても返事が無い為、恐る恐る目を開けると、ユラと目が合った。
「畏まりました。我が主人のお望みのままに」
ユラは口角を上げて綺麗に微笑み一礼をし、俺の指先に口付けを落とした。
その光景に、周りは甲高いを上げていた。
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