31 / 86
31
しおりを挟む
「どうしたの?」祖母が手をとめて、ふしぎそうにきく。
「おばあちゃん、ここだいじょうぶなのかな」私は肩ごしに振り向いてきいた。「アポピス類たち、襲ってこないかな」
「ああ」祖母は軽くうなずいた。「だいじょうぶよ。心配しなくても家がちゃんと守ってくれるわ」
「え」私は目をまるくした。「家が?」
「ええ」祖母は自信たっぷりに大きくうなずいた。「この家は、すべてツィックルの木でできているから、鬼魔が来ても追い払ってくれるわ」
「ツィックルで……へえ」天井を見上げ、見回す。「あれ、でもユエホワは?」
「彼はあなたのお友だちだから、私が排除しないように言いつけたのよ」祖母はにっこりと笑う。
「いや」私はあわてて両手をぶんぶんと振った。「全然ちがうよ」
「私がどうして町に住まないかというと」祖母は私の否定をあまり真剣に受け止めてくれなかった。「これができないからなのよ」
「え?」
「町の中に建てる家は、その二割以上はミイノモイオレンジの木を使ってつくらないといけないという法律があるの」
「そうなの?」
「そう。町を治める評議員たちが、ミイノモイオレンジ栽培協会と協定を結んで、そういう法律を作ったのよ。はるか昔にね」
「へえ……」
「だから私は森の中で、ツィックルだけを使って建てた家に一人住んでいるというわけ」
「でも、どうしてミイノモイを使った家じゃだめなの?」
「もちろん、それだけ魔法の力が小さくなるからよ」
「あ」
「ミイノモイオレンジはもちろん好きよ、お茶にしてもケーキにしても、お風呂に入れてもね」ウインクする。「ただ家の材質にだけは、申し訳ないけれどツィックル以外使うわけにはいかないわ」
「そうなんだ」私はうなずいた。
「さ、髪はこれでいいでしょう。私はあなたのドレスの仕上げをしてから寝ることにするわ」祖母はタオルを洗濯場まで魔法で飛ばし、代わりにお裁縫セットを飛んで来させた。
「うわあ」私は両手を胸の前で組み合わせてため息をついた。「きれーい」
祖母お手製のワンピースは、しなやかで、袖がふっくらとかわいくふくらんでいて、ほんとうにお姫さまが着ているようなシルエットだった。
「うふふ」祖母もうれしそうに笑う。「明日からはいよいよ、刺繍を入れていくわ」
「わあい」私は組み合わせた手を左右にゆらした。「楽しみ!」
「ハピアンフェルと最初に出会ったのはね」祖母は針をすすめながら、思い出を話しはじめた。「私がまだ魔法学校に上がる前――今よりも若い木がたくさん生えている森の中で、ほかにもたくさんの粉送りたちが飛んでいるところだったの」
「粉送り?」私は首をかしげてきいた。
「そう。森に棲んでいて、木々の花粉を運ぶ役目を負う、妖精の中でもいちばん小さな生き物――虫でもなく鬼魔でもない、私たちの目にはめったに見ることができないけれど、でも確かに存在する者たち。一種の植物につき一種の粉送りが存在しているの」
「知らなかった」私は目をまるくした。「どうして学校では教えないの?」
「そうね、それはやはり」祖母はぱちん、と糸をはさみで切ると、できたてのドレスを両手で持ち上げ、椅子からたちあがった。「粉送りをはじめ、すべての妖精たちが姿を消してしまったからでしょう」
「そうか……」私は小さくうなずいた。「みんな、忘れてしまったのかな」
「そうね」祖母も少しさびしそうに首をかしげた。「アポピス類たちのしたことは、決して許されることではないわ」
「うん」私は大きくうなずいた。
「さあポピー、ちょっと立ってみて」祖母は両手の中のドレスを、立ち上がった私の方に差し出し、あてがってみた。「うん、ちょうどいいサイズに仕上がってるわ」にっこりと笑う。
「うん」私は、できたてのドレスを見つめてうれしく思いながらも、頭の中では祖母のいう“粉送り”たちのことを考えつづけていた。「おばあちゃん」
「なあに?」祖母は優しく微笑む。
「あたし、助けたい」まっすぐに祖母を見る。「ハピアンフェルの仲間たちを……妖精たちを」
祖母は少しのあいだじっと私を見つめたあと「ええ」と深くうなずいた。「まずは、ユエホワが戻ってくるのを待ちましょう」
「ユエホワを?」私は、あえてきいた。
「そう。彼がきっとなにか、役に立つ情報を私たちに知らせに来てくれるわ」
「でも」私は少しうつむいた。「ユエホワも、鬼魔だよ?」また、あえてきく。
「だけど、アポピス類に対しては彼も物申したいところがあるでしょうし、それに」言葉をきる。
「それに?」顔をあげてきく。
「あなたのお友だちだから」祖母はウインクした。
「――」私は片手をあげて口をあけたけれど、もう「全然ちがう」というのもなんというか、あきたので黙っていた。
「ハピアンフェルはね」祖母はできあがったドレスを、ハンガーにかけながら言った。「ツィックルの木の、粉送りなの」
「ツィックルの?」私はまた目を丸くした。
「ええ」祖母は目をとじた。「私の箒は、彼女が花粉を運んで種子を実らせ、その種子から芽を出して育ったツィックルで、作ったものなの」
「すごい」私は目を大きく見ひらいた。「いいなあ」
「うれしかったわ」祖母は、部屋の片隅に立てかけてあるツィックル箒をいとおしげに見やりながら言った。「私の命がつきるまで、決して手離さないわ」
「うん」私はうなずきながら、ふとヨンベのことを思い出した。
私のキャビッチが実ったら、最初に使ってね、と言ってくれた、ヨンベの言葉を。
「さあ、明日も学校だから、もう寝ましょう」
祖母の言葉にうながされて、私は寝室へ向かい、天窓から星空をほんの少しながめたあと、ぐっすりと眠りこんだ。
◇◆◇
目ざめた朝は、ふだん自分の家で迎えるものよりもすごくしずかで、窓をあけるときりっと澄んで引きしまった空気が流れこんできて、木々と草の香りを強く感じた。
いろんな、聞いたことのない鳥の声が聞こえる。
そして、祖母がすでに用意してくれている朝食の、香ばしくて甘い香りが鼻をくすぐる。
私は大きくのびをして、部屋から出た。
そのまま庭に出て、透明なボウルにセレアの水をたくさん汲み、顔を洗う。
とっても気持ちのいい朝だ。
サラミモアコットンのタオルで顔を拭きながら、今日も真っ青に澄む空を見上げる。
「おはよ」
突然そんな声が聞こえた気がして、思わず頭を振る。
真っ青な空には、何の影も見えない。
空耳だ。
私は、ふうっと大きく息をつき、父と祖母と、小さなハピアンフェルといっしょに朝ごはんをいただいた。
ハピアンフェルのごはんは、ミイノモイオレンジの果汁と、プィプリプの実を粉にしたものだった。
私たちもミイノモイオレンジジュース、プィプリプのパン、祖母お手製のベーコンとキャビッチの柔らかい葉っぱのサラダなどいただいて、森の木々のさわさわと揺れる音に見送られながら、学校に向かった。
父は祖母とともに、ユエホワの戻りを待つようだった。
でも私はなんとなく、予想していた。
にぎやかに鳴いていた森の鳥たちが、なんだか静かになっていたからだ。
森の木々の梢の上を通り過ぎて、まもなくキューナン通りにたどりつくところで、その予想は当たった。
「妖精から何か話聞けたか?」
声のした方に目を向けると、ユエホワが緑髪をなびかせながら私の箒と並んで水平飛行していた。
「おばあちゃん、ここだいじょうぶなのかな」私は肩ごしに振り向いてきいた。「アポピス類たち、襲ってこないかな」
「ああ」祖母は軽くうなずいた。「だいじょうぶよ。心配しなくても家がちゃんと守ってくれるわ」
「え」私は目をまるくした。「家が?」
「ええ」祖母は自信たっぷりに大きくうなずいた。「この家は、すべてツィックルの木でできているから、鬼魔が来ても追い払ってくれるわ」
「ツィックルで……へえ」天井を見上げ、見回す。「あれ、でもユエホワは?」
「彼はあなたのお友だちだから、私が排除しないように言いつけたのよ」祖母はにっこりと笑う。
「いや」私はあわてて両手をぶんぶんと振った。「全然ちがうよ」
「私がどうして町に住まないかというと」祖母は私の否定をあまり真剣に受け止めてくれなかった。「これができないからなのよ」
「え?」
「町の中に建てる家は、その二割以上はミイノモイオレンジの木を使ってつくらないといけないという法律があるの」
「そうなの?」
「そう。町を治める評議員たちが、ミイノモイオレンジ栽培協会と協定を結んで、そういう法律を作ったのよ。はるか昔にね」
「へえ……」
「だから私は森の中で、ツィックルだけを使って建てた家に一人住んでいるというわけ」
「でも、どうしてミイノモイを使った家じゃだめなの?」
「もちろん、それだけ魔法の力が小さくなるからよ」
「あ」
「ミイノモイオレンジはもちろん好きよ、お茶にしてもケーキにしても、お風呂に入れてもね」ウインクする。「ただ家の材質にだけは、申し訳ないけれどツィックル以外使うわけにはいかないわ」
「そうなんだ」私はうなずいた。
「さ、髪はこれでいいでしょう。私はあなたのドレスの仕上げをしてから寝ることにするわ」祖母はタオルを洗濯場まで魔法で飛ばし、代わりにお裁縫セットを飛んで来させた。
「うわあ」私は両手を胸の前で組み合わせてため息をついた。「きれーい」
祖母お手製のワンピースは、しなやかで、袖がふっくらとかわいくふくらんでいて、ほんとうにお姫さまが着ているようなシルエットだった。
「うふふ」祖母もうれしそうに笑う。「明日からはいよいよ、刺繍を入れていくわ」
「わあい」私は組み合わせた手を左右にゆらした。「楽しみ!」
「ハピアンフェルと最初に出会ったのはね」祖母は針をすすめながら、思い出を話しはじめた。「私がまだ魔法学校に上がる前――今よりも若い木がたくさん生えている森の中で、ほかにもたくさんの粉送りたちが飛んでいるところだったの」
「粉送り?」私は首をかしげてきいた。
「そう。森に棲んでいて、木々の花粉を運ぶ役目を負う、妖精の中でもいちばん小さな生き物――虫でもなく鬼魔でもない、私たちの目にはめったに見ることができないけれど、でも確かに存在する者たち。一種の植物につき一種の粉送りが存在しているの」
「知らなかった」私は目をまるくした。「どうして学校では教えないの?」
「そうね、それはやはり」祖母はぱちん、と糸をはさみで切ると、できたてのドレスを両手で持ち上げ、椅子からたちあがった。「粉送りをはじめ、すべての妖精たちが姿を消してしまったからでしょう」
「そうか……」私は小さくうなずいた。「みんな、忘れてしまったのかな」
「そうね」祖母も少しさびしそうに首をかしげた。「アポピス類たちのしたことは、決して許されることではないわ」
「うん」私は大きくうなずいた。
「さあポピー、ちょっと立ってみて」祖母は両手の中のドレスを、立ち上がった私の方に差し出し、あてがってみた。「うん、ちょうどいいサイズに仕上がってるわ」にっこりと笑う。
「うん」私は、できたてのドレスを見つめてうれしく思いながらも、頭の中では祖母のいう“粉送り”たちのことを考えつづけていた。「おばあちゃん」
「なあに?」祖母は優しく微笑む。
「あたし、助けたい」まっすぐに祖母を見る。「ハピアンフェルの仲間たちを……妖精たちを」
祖母は少しのあいだじっと私を見つめたあと「ええ」と深くうなずいた。「まずは、ユエホワが戻ってくるのを待ちましょう」
「ユエホワを?」私は、あえてきいた。
「そう。彼がきっとなにか、役に立つ情報を私たちに知らせに来てくれるわ」
「でも」私は少しうつむいた。「ユエホワも、鬼魔だよ?」また、あえてきく。
「だけど、アポピス類に対しては彼も物申したいところがあるでしょうし、それに」言葉をきる。
「それに?」顔をあげてきく。
「あなたのお友だちだから」祖母はウインクした。
「――」私は片手をあげて口をあけたけれど、もう「全然ちがう」というのもなんというか、あきたので黙っていた。
「ハピアンフェルはね」祖母はできあがったドレスを、ハンガーにかけながら言った。「ツィックルの木の、粉送りなの」
「ツィックルの?」私はまた目を丸くした。
「ええ」祖母は目をとじた。「私の箒は、彼女が花粉を運んで種子を実らせ、その種子から芽を出して育ったツィックルで、作ったものなの」
「すごい」私は目を大きく見ひらいた。「いいなあ」
「うれしかったわ」祖母は、部屋の片隅に立てかけてあるツィックル箒をいとおしげに見やりながら言った。「私の命がつきるまで、決して手離さないわ」
「うん」私はうなずきながら、ふとヨンベのことを思い出した。
私のキャビッチが実ったら、最初に使ってね、と言ってくれた、ヨンベの言葉を。
「さあ、明日も学校だから、もう寝ましょう」
祖母の言葉にうながされて、私は寝室へ向かい、天窓から星空をほんの少しながめたあと、ぐっすりと眠りこんだ。
◇◆◇
目ざめた朝は、ふだん自分の家で迎えるものよりもすごくしずかで、窓をあけるときりっと澄んで引きしまった空気が流れこんできて、木々と草の香りを強く感じた。
いろんな、聞いたことのない鳥の声が聞こえる。
そして、祖母がすでに用意してくれている朝食の、香ばしくて甘い香りが鼻をくすぐる。
私は大きくのびをして、部屋から出た。
そのまま庭に出て、透明なボウルにセレアの水をたくさん汲み、顔を洗う。
とっても気持ちのいい朝だ。
サラミモアコットンのタオルで顔を拭きながら、今日も真っ青に澄む空を見上げる。
「おはよ」
突然そんな声が聞こえた気がして、思わず頭を振る。
真っ青な空には、何の影も見えない。
空耳だ。
私は、ふうっと大きく息をつき、父と祖母と、小さなハピアンフェルといっしょに朝ごはんをいただいた。
ハピアンフェルのごはんは、ミイノモイオレンジの果汁と、プィプリプの実を粉にしたものだった。
私たちもミイノモイオレンジジュース、プィプリプのパン、祖母お手製のベーコンとキャビッチの柔らかい葉っぱのサラダなどいただいて、森の木々のさわさわと揺れる音に見送られながら、学校に向かった。
父は祖母とともに、ユエホワの戻りを待つようだった。
でも私はなんとなく、予想していた。
にぎやかに鳴いていた森の鳥たちが、なんだか静かになっていたからだ。
森の木々の梢の上を通り過ぎて、まもなくキューナン通りにたどりつくところで、その予想は当たった。
「妖精から何か話聞けたか?」
声のした方に目を向けると、ユエホワが緑髪をなびかせながら私の箒と並んで水平飛行していた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
召喚勇者の餌として転生させられました
猫野美羽
ファンタジー
学生時代最後のゴールデンウィークを楽しむため、伊達冬馬(21)は高校生の従弟たち三人とキャンプ場へ向かっていた。
途中の山道で唐突に眩い光に包まれ、運転していた車が制御を失い、そのまま崖の下に転落して、冬馬は死んでしまう。
だが、魂のみの存在となった冬馬は異世界に転生させられることに。
「俺が死んだのはアイツらを勇者召喚した結果の巻き添えだった?」
しかも、冬馬の死を知った従弟や従妹たちが立腹し、勇者として働くことを拒否しているらしい。
「勇者を働かせるための餌として、俺を異世界に転生させるだと? ふざけんな!」
異世界の事情を聞き出して、あまりの不穏さと不便な生活状況を知り、ごねる冬馬に異世界の創造神は様々なスキルや特典を与えてくれた。
日本と同程度は難しいが、努力すれば快適に暮らせるだけのスキルを貰う。
「召喚魔法? いや、これネット通販だろ」
発動条件の等価交換は、大森林の素材をポイントに換えて異世界から物を召喚するーーいや、だからコレはネット通販!
日本製の便利な品物を通販で購入するため、冬馬はせっせと採取や狩猟に励む。
便利な魔法やスキルを駆使して、大森林と呼ばれる魔境暮らしを送ることになった冬馬がゆるいサバイバルありのスローライフを楽しむ、異世界転生ファンタジー。
※カクヨムにも掲載中です
田舎の雑貨店~姪っ子とのスローライフ~
なつめ猫
ファンタジー
唯一の血縁者である姪っ子を引き取った月山(つきやま) 五郎(ごろう) 41歳は、住む場所を求めて空き家となっていた田舎の実家に引っ越すことになる。
そこで生活の糧を得るために父親が経営していた雑貨店を再開することになるが、その店はバックヤード側から店を開けると異世界に繋がるという謎多き店舗であった。
少ない資金で仕入れた日本製品を、異世界で販売して得た金貨・銀貨・銅貨を売り資金を増やして設備を購入し雑貨店を成長させていくために奮闘する。
この物語は、日本製品を異世界の冒険者に販売し、引き取った姪っ子と田舎で暮らすほのぼのスローライフである。
小説家になろう 日間ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 週間ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 月間ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 四半期ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 年間ジャンル別 1位獲得!
小説家になろう 総合日間 6位獲得!
小説家になろう 総合週間 7位獲得!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる