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「ユエホワが?」思ったとおり父は目を丸くして、「へえー!」となんどもうなずいた。「すごいなあ彼は!」
「ははは」私は苦笑いした。まったく、ほめられるのは私以外の人ばっかりだ、人というか、人と鬼魔だけれど。
そこは書斎、地下につくられていて、広くて薄暗くて、空間すべてが本に満たされている部屋だ。
父が、生まれてからいままでに手に入れたすべての本が、ぎっしりと収められている。
父は、年老いた後、この部屋で本に埋もれながら一生を終えることができたなら本望だっていうけれど、私なんかは、この部屋の中でだけは一生を終えたくないと思う。本に埋もれてって――重くて寒くて息がつまって、死ぬ前に気が狂うだろう。
「ガーベラ対クドゥールグの戦いについてかあ……じゃあ……このあたりかな」ずらりとならぶ本の背表紙を人さし指でたどりながら、父は一冊、また一冊、ひっぱり出す。「しおりをはさんでおいてあげよう」
「けど、そんなの読んで、どうするつもりなのかな、ユエホワ」私は父の動きをながめながら口にした。「あたしが『仇をうつつもりか』ってきいたら、そんなつもりじゃないっては言ってたけど」
「ははは」父は机の上で本にしおりをはさみながら笑った。「さすがに彼も、そこまで無謀じゃないだろうさ。何につけ、知らないよりは知っておいた方が、いいからね」
「っていうか、ユエホワって人間の字、読めるのかな」私は別に浮かんだ疑問をまた口にした。
「ああ、確かにね」父もそのときはじめて、ユエホワが鬼魔なんだということに気づいたかのように顔を私に向けた。「でも、そもそも読めないんなら、本を貸してくれなんていわないんじゃないかな?」
「わかんないよ、あいつずうずうしいもん」私は口をとがらせた。「鬼魔語に訳してから貸せよとか、言いそう。気がきかねえなーとか」
「そんなこと言うのかい? はははは」父はまた笑う。「ムートゥー類は何語を使うのかなあ」
「ムートゥー語じゃないの?」
「それが一概にそうとも言えないんだよ」父は人さし指を立ててウインクしながら説明しはじめた。「鬼魔語っていうのは、種別じゃなくて鬼魔界のどこに住んでいるかで違ってくるんだ。鬼魔界の中はだいたい十三の地域に分かれていて、たとえばビャンドルヴ地方に住む鬼魔はゴルゴイド語を使うし、その西にあるバランドロイ地方に住む鬼魔は」
私の頭のなかに一瞬にして、いちどだけ行ったことのある鬼魔界の、すべてが黒味がかっていたあの気持ち悪い世界の光景がよみがえってきた。ビャンドルヴ地方もバランドロイ地方もたぶんぜんぶ、黒味がかっているにちがいない。
「うーん、これはぜひユエホワにきいてみないといけないな」父の中ではなぜかそういう結論が出てしまったようだった。「明日、彼に会えないかな」
「えー」私は、鬼魔界で嗅いだなんとかキノコのソウゼツなにおいを思い出しつつ、思いきりいやな顔をして言った。
◇◆◇
次の日――この日も休みだ――私は父の選んだ本を三冊リュックに入れて(キャビッチの上に乗せて)、ヨンベの家に行くと母に告げ、実のところは森へ向けて出かけた。
父は少し後から、図書館に出かけると母に告げ、やっぱり森へ向けて出かけることになっている。書斎で、二人でそう打ち合わせをしたのだ。
森へ、と決めたのは、そこがいちばんユエホワに出会う可能性が高いからだ。
もし森にいなかったら、海とか、草原とか、そのあたりに行けば、用もないのに向こうから姿を現すだろう。まあ、今日にかぎって用はあるんだけど。
ふわっ
はっとして顔を上げた。
何も見えない。
何も聞えない。
森に入って少し歩いたところでだった。
木の葉がさわさわと揺れる、その音とは違う――音ではない、例のあの気配だ。
そっと、リュックの下に手を持っていく。
ふわ ふわ ふわ
声は聞えないけれど、あの時の声の主と同じだと私は思った。
そっと、リュックの下をたたく。
キャビッチが手の中に、ころがり出てくる。
きゅっと、にぎりしめる。
ふわ ふわ ふわ
気配は、とてもわずかなもので、ともすると風にまぎれてわからなくなる。
私は視線を下に、落ち葉の舞い散る地面のほうにむけて、そのかすかな気配を追うことに集中した。
キャビッチを投げて、はたして当たるんだろうか?
目に見えもしない、その相手に。
なにで投げる?
まっすぐストレート……は、あり得ない。
なにしろどっちへ投げればいいのかかいもく見当もつかないんだから。
カーブやドロップも、同じだ。曲がる先をどこへすればいいのか決められない。
分散させるか? そうすればそのうちのどれか一つは、当たるかも知れない……けど、もし相手が――今は姿の見えないそいつが、実はとってもでっかくてしかも凶暴なやつだとしたら?
そんなやつに、分散させた小さなキャビッチの威力がとても効くとは思えないし、ましてやそいつが怒り狂って襲ってきたら――
姿を消したままの相手に攻撃されるなんてことになったら、いよいよまずい。
私はぎゅっと目をとじて、少し考え、それから目を開けた。
あいかわらず、何も見えない。
ふわ ふわ ふわ
「だれ?」私は、落ち着いてきいた。「どこにいるの?」
ふわ ふわ ふわ
返事はない。
私は、頭をうごかさずに目だけで左右をさぐった。
「それ、ツィックル?」
不意に、かき消えそうな小さな声が聞えた。
ぴくっと手が動いたけれど、まだキャビッチは投げなかった。
「――」そのかわり、私はキャビッチを持っていない方の手を見た――その手には、森の外まで乗ってきた私の箒がにぎられていたのだ。私は声の聞こえた方――正面の、少し上のあたりに顔を上げ「そうよ。ツィックル。私の箒よ」と答えた。
「きれいね」小さな声は続けてそう言い「ユエホワも箒に乗るの?」と訊いてきた。
「ユエホワ」私はその名前を小さくくり返して「彼は、乗らないわ。彼自分で飛べるから」と答えた。
「そう。よかった」小さな声は、よろこんでいるようだった。「箒に乗って飛ばれると、ちかづけないから」
「え?」私は目を見ひらいた。「ちかづけない、って――あなたは、だれ? 鬼魔なの?」質問しながら、私の心はあせった。
ふわ ふわ
なぜかというと、そのあと急にその気配が遠ざかっていくのが感じられたからだ。
「ねえ、待って」呼びかけるけれど、声はもう答えてくれなかった。
ふわ
それっきり、気配もまったく感じなくなった。
「ははは」私は苦笑いした。まったく、ほめられるのは私以外の人ばっかりだ、人というか、人と鬼魔だけれど。
そこは書斎、地下につくられていて、広くて薄暗くて、空間すべてが本に満たされている部屋だ。
父が、生まれてからいままでに手に入れたすべての本が、ぎっしりと収められている。
父は、年老いた後、この部屋で本に埋もれながら一生を終えることができたなら本望だっていうけれど、私なんかは、この部屋の中でだけは一生を終えたくないと思う。本に埋もれてって――重くて寒くて息がつまって、死ぬ前に気が狂うだろう。
「ガーベラ対クドゥールグの戦いについてかあ……じゃあ……このあたりかな」ずらりとならぶ本の背表紙を人さし指でたどりながら、父は一冊、また一冊、ひっぱり出す。「しおりをはさんでおいてあげよう」
「けど、そんなの読んで、どうするつもりなのかな、ユエホワ」私は父の動きをながめながら口にした。「あたしが『仇をうつつもりか』ってきいたら、そんなつもりじゃないっては言ってたけど」
「ははは」父は机の上で本にしおりをはさみながら笑った。「さすがに彼も、そこまで無謀じゃないだろうさ。何につけ、知らないよりは知っておいた方が、いいからね」
「っていうか、ユエホワって人間の字、読めるのかな」私は別に浮かんだ疑問をまた口にした。
「ああ、確かにね」父もそのときはじめて、ユエホワが鬼魔なんだということに気づいたかのように顔を私に向けた。「でも、そもそも読めないんなら、本を貸してくれなんていわないんじゃないかな?」
「わかんないよ、あいつずうずうしいもん」私は口をとがらせた。「鬼魔語に訳してから貸せよとか、言いそう。気がきかねえなーとか」
「そんなこと言うのかい? はははは」父はまた笑う。「ムートゥー類は何語を使うのかなあ」
「ムートゥー語じゃないの?」
「それが一概にそうとも言えないんだよ」父は人さし指を立ててウインクしながら説明しはじめた。「鬼魔語っていうのは、種別じゃなくて鬼魔界のどこに住んでいるかで違ってくるんだ。鬼魔界の中はだいたい十三の地域に分かれていて、たとえばビャンドルヴ地方に住む鬼魔はゴルゴイド語を使うし、その西にあるバランドロイ地方に住む鬼魔は」
私の頭のなかに一瞬にして、いちどだけ行ったことのある鬼魔界の、すべてが黒味がかっていたあの気持ち悪い世界の光景がよみがえってきた。ビャンドルヴ地方もバランドロイ地方もたぶんぜんぶ、黒味がかっているにちがいない。
「うーん、これはぜひユエホワにきいてみないといけないな」父の中ではなぜかそういう結論が出てしまったようだった。「明日、彼に会えないかな」
「えー」私は、鬼魔界で嗅いだなんとかキノコのソウゼツなにおいを思い出しつつ、思いきりいやな顔をして言った。
◇◆◇
次の日――この日も休みだ――私は父の選んだ本を三冊リュックに入れて(キャビッチの上に乗せて)、ヨンベの家に行くと母に告げ、実のところは森へ向けて出かけた。
父は少し後から、図書館に出かけると母に告げ、やっぱり森へ向けて出かけることになっている。書斎で、二人でそう打ち合わせをしたのだ。
森へ、と決めたのは、そこがいちばんユエホワに出会う可能性が高いからだ。
もし森にいなかったら、海とか、草原とか、そのあたりに行けば、用もないのに向こうから姿を現すだろう。まあ、今日にかぎって用はあるんだけど。
ふわっ
はっとして顔を上げた。
何も見えない。
何も聞えない。
森に入って少し歩いたところでだった。
木の葉がさわさわと揺れる、その音とは違う――音ではない、例のあの気配だ。
そっと、リュックの下に手を持っていく。
ふわ ふわ ふわ
声は聞えないけれど、あの時の声の主と同じだと私は思った。
そっと、リュックの下をたたく。
キャビッチが手の中に、ころがり出てくる。
きゅっと、にぎりしめる。
ふわ ふわ ふわ
気配は、とてもわずかなもので、ともすると風にまぎれてわからなくなる。
私は視線を下に、落ち葉の舞い散る地面のほうにむけて、そのかすかな気配を追うことに集中した。
キャビッチを投げて、はたして当たるんだろうか?
目に見えもしない、その相手に。
なにで投げる?
まっすぐストレート……は、あり得ない。
なにしろどっちへ投げればいいのかかいもく見当もつかないんだから。
カーブやドロップも、同じだ。曲がる先をどこへすればいいのか決められない。
分散させるか? そうすればそのうちのどれか一つは、当たるかも知れない……けど、もし相手が――今は姿の見えないそいつが、実はとってもでっかくてしかも凶暴なやつだとしたら?
そんなやつに、分散させた小さなキャビッチの威力がとても効くとは思えないし、ましてやそいつが怒り狂って襲ってきたら――
姿を消したままの相手に攻撃されるなんてことになったら、いよいよまずい。
私はぎゅっと目をとじて、少し考え、それから目を開けた。
あいかわらず、何も見えない。
ふわ ふわ ふわ
「だれ?」私は、落ち着いてきいた。「どこにいるの?」
ふわ ふわ ふわ
返事はない。
私は、頭をうごかさずに目だけで左右をさぐった。
「それ、ツィックル?」
不意に、かき消えそうな小さな声が聞えた。
ぴくっと手が動いたけれど、まだキャビッチは投げなかった。
「――」そのかわり、私はキャビッチを持っていない方の手を見た――その手には、森の外まで乗ってきた私の箒がにぎられていたのだ。私は声の聞こえた方――正面の、少し上のあたりに顔を上げ「そうよ。ツィックル。私の箒よ」と答えた。
「きれいね」小さな声は続けてそう言い「ユエホワも箒に乗るの?」と訊いてきた。
「ユエホワ」私はその名前を小さくくり返して「彼は、乗らないわ。彼自分で飛べるから」と答えた。
「そう。よかった」小さな声は、よろこんでいるようだった。「箒に乗って飛ばれると、ちかづけないから」
「え?」私は目を見ひらいた。「ちかづけない、って――あなたは、だれ? 鬼魔なの?」質問しながら、私の心はあせった。
ふわ ふわ
なぜかというと、そのあと急にその気配が遠ざかっていくのが感じられたからだ。
「ねえ、待って」呼びかけるけれど、声はもう答えてくれなかった。
ふわ
それっきり、気配もまったく感じなくなった。
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