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「ポピ――」母が、階段の下から大きな声で呼ぶ。「支度できたあ――?」
「は――い」私も部屋の中から大声で返事する。
下に降りると母は、大きな紙袋と小さなバスケットを私に差し出した。「はい、じゃあこれをお願いね」にっこりと笑う。
「はーい」返事しながら私は紙袋の中を覗き込む。「うわあ、きれい!」
紙袋の中にあったのは、オフホワイトの生地。きらきらと小さな光の粒が表面に輝いている。
「きれいでしょ」母はさらににっこりと目を細めた。「ミヴィズで見つけたの。これをドレスにしてさ、刺繍も入れてもらおうと思って」
「すごーい」私は溜息まじりに言った。「ママの服?」
「うん、ママのはブラウス。ドレスはポピー、あなたのよ」母は指で私の鼻の先をちょんとつついた。
「ほんと?」私は心臓が跳ね上がるくらい嬉しくなった。すっごい! 刺繍入りのドレスなんて、お姫様みたいじゃん!「やったあ! 楽しみい」紙袋を持ったままくるりと回る。
「じゃあ、気をつけて行って来てね」母は腰に手を当てて言った。「バスケットの中に冷たい飲み物とクッキーとか入れてあるから。途中でつまみながらでもいいし」またにっこり笑う。
「うん!」私は大きくうなずいて玄関を出た。
今日はツィックル箒は使わず、歩いて行くことにしたんだ。
母がお使いのご褒美として、私の箒の手入れと調整をしてくれることになっている。
箒もたまにはお休みさせてあげないとね。
「キャビッチは持ったー?」母は歩き出す私の背後からまた声をかけた。
「持ったよお」私は背負っているリュックを肩の上から親指で差して、肩越しに振り向き答えた。「もっちろん!」
「鬼魔(キーマ)に気をつけてねー」母は大きく手を振った。
――ちょっと、大げさ過ぎるんじゃないかな?
私はそんな風に思って、歩きながらつい苦笑してしまった。
だって、もう十三歳だよ?
鬼魔に気をつけてなんて……逆に、鬼魔の方に言ってあげるべきなんじゃないか?『今からポピーが町から森へ抜けていくから、気をつけなー』って。
『さもないと、ガーベラとフリージア譲りのキャビッチスローを食らってぶっ倒されるぞー』とかね。
そんなことを思って一人でくすくす笑いしながら歩くうち、私はキューナン通りに出た。
町の中は今日も賑やかだ。
「あらポピーおはよう、お使い?」時々そんな風に声をかけられたりもする。
店のおばさんとか、店に買い物に来ているおばさんとか。
おじさん達というのはあんまり声をかけたりはして来ないけど、皆私を見つけると「おう」と言ってにっこり笑いかけてくれる。
やがて前方に、高い尖塔が姿を見せ始めた。
聖堂だ。
――あの辺りから、かな。
私は、真っ青な空に向かってそびえ立つ尖った塔を見上げながらそう思った。
何がかって?
まあ、そのうちわかるよ。
それから私は“ミヴィズ”の前を通りかかった。
母が、この素敵な服地を買った店だ。
母のお気に入りの店なんだけれど、私はこのお店の隣にある小さな雑貨屋“クロルリンク”というお店が好きなんだ。
今日も、若い人から年配の人まで――全員女性だ――お客さんの出入りが多い。
でも、私もなんだけどここに来る人たちっていうのは、買い物よりもお店の商品を眺めて目と心を楽しませるのが主な目的なんだよね。
食器、ハンカチ、アクセサリー、時計、写真立て――小さくて、きらきらして、かわいくて、少し大人っぽくて。
――ああ、いいなあ……
私は今日もつい、紙袋とバスケットを手に提げたまま――それとリュックを背負ったまま、クロルリンクの棚に並ぶ品々を眺めるため立ち寄った。
――ほんの少し、だけね。
そう、心の中で自分に言い聞かせつつ。
入ってすぐの正面にある『今日のおすすめ』の棚の上には、小さな箱――ジュエリーとかちょっとした小物を入れる用の――が、色や形もさまざまに、とってもきれいな形で並べられていた。
私は少し前かがみになって――背が伸びたんだ――ひとつひとつ、小箱の中も外も眺めていった。
――いいなあ! 私だったら、何を入れよう……どれにしよう……
そんな事を夢みたいに想いながら眺めているうちふと、その中の、高さも幅も十センチほどの白地の箱に目がとまった。
その箱には、細い塔の絵がペン画で描かれていた。
それを見た時、私の頭の中にさっき遠くから眺めた聖堂の高い塔が蘇ったのだ。
――行くかあ。
私はふう、と息をつき、リュックをひょいっと上げて、クロルリンクを出た。
さっきよりも日差しが強まっている。
――急げ急げ。
私は早足で進んだ。
そして、聖堂の前までたどり着いた。
「ポピー、おはよう」
聖堂で働くお姉さんたちが箒で庭を掃きながら、私に挨拶の声をかけてくれた。
「おはようございます」私もにっこりと挨拶する。
「森へ行くの?」
「はい」頷く。
ふわっ
という感じで、“そいつ”は現れた。
やっぱりね。
といっても、姿は見えない――まだ。
どこかその辺に、隠れているんだろう。
気配は全然、隠せてないんだけど。
「気をつけてね」お姉さんの一人が言う。
「はい」私は頷く。
「鬼魔の方がね」別のお姉さんが言う。
あははは、とそこに集まっていた三人のお姉さん達が一斉に笑う。
ふわっふわっ
気配が、なんだかゆらめく。
きっと、どきんとしたのだろう。
そうだよ。
気をつけな。
鬼魔――あなたが、ね。
私は心の中でそう警告しながら、お姉さん達と一緒になって笑い、手を挙げてまた歩き出した。
歩きながら、わざとまたリュックをひょいっと上に上げる。
この中に、キャビッチが入っている。
人の手のひらほどの――大小さまざまあるけれど――不思議な力を持つ、魔法の野菜。
持って来たのは、自分で育てたものを三個と、今日は特別に母のものも三個、もらえた。
「もっとたくさん持って行きな」母はそう言っていたけど、あんまり詰め込むとさすがに肩がこるし、これでいい、と私は断ったのだ。
やっぱ大げさ過ぎだよね。
まあ、親ってのはどこもそうなんだろうけどさ。
親友のヨンベも『多分永久に子ども扱いされる』って言ってたし。
有り難いような、重苦しいような。
ふわ、ふわ、ふわ
“そいつ”は、建物二、三件分くらい後ろからずっと私の後をつけて来ていた。
もう少し行けば、森へ続く道に入る。
建物がだんだん少なくなってくる。
今日もいい天気だ。
私は歩きながらバスケットを開け、母が入れておいてくれたレモネードを取り出してひとくち飲んだ。
これもクロルリンクで買ったガラス瓶に入っている。
この中に入れた飲み物はずっと冷たいまんまで、ぬるくなったりしない。
クロルリンクで売っているガラス製品には、そういう魔法がかけられているのだ。
キャビッチを細かく細かく、目に見えないほどの小さな粒に砕いて、ガラスの材料の中に混ぜるんだって、前に聞いたことがある。
キャビッチとあと、何かの魔石の粉、なんだけど……んーと、それは忘れた。
ふわ、ふわ、ふわ
“そいつ”は、私が美味しそうに飲んでいるものに興味を持ったのか、しきりに動き回っている。
「飲みたいの? レモネード」私は顔を上に上げて声をかけた。
すると“そいつ”は、ぴたっと止まった。
「いるんでしょ」私はそう言って、わざと大きくため息をついた。「ユエホワ」
しーん。
何の反応も、ない。
「ユエホワ?」私はいぶかしく思って、周りの木々の上の方をぐるりと見回した。
鬼魔の姿は、どこにも見えない。
「クッキーもあるよー」私はバスケットを持ち上げてゆさゆさと揺らした。
しーん。
相変わらず、何の反応もない。
「なんで隠れてんの?」私はいつもの“そいつ”らしくない事を不審に思い、口を尖らせた。「なに企んでんの?」少し怒って、そう訊く。「ユエホワ!」
「ユエホワって、誰?」
小さな声が、どこからともなく聞えた。
「は――い」私も部屋の中から大声で返事する。
下に降りると母は、大きな紙袋と小さなバスケットを私に差し出した。「はい、じゃあこれをお願いね」にっこりと笑う。
「はーい」返事しながら私は紙袋の中を覗き込む。「うわあ、きれい!」
紙袋の中にあったのは、オフホワイトの生地。きらきらと小さな光の粒が表面に輝いている。
「きれいでしょ」母はさらににっこりと目を細めた。「ミヴィズで見つけたの。これをドレスにしてさ、刺繍も入れてもらおうと思って」
「すごーい」私は溜息まじりに言った。「ママの服?」
「うん、ママのはブラウス。ドレスはポピー、あなたのよ」母は指で私の鼻の先をちょんとつついた。
「ほんと?」私は心臓が跳ね上がるくらい嬉しくなった。すっごい! 刺繍入りのドレスなんて、お姫様みたいじゃん!「やったあ! 楽しみい」紙袋を持ったままくるりと回る。
「じゃあ、気をつけて行って来てね」母は腰に手を当てて言った。「バスケットの中に冷たい飲み物とクッキーとか入れてあるから。途中でつまみながらでもいいし」またにっこり笑う。
「うん!」私は大きくうなずいて玄関を出た。
今日はツィックル箒は使わず、歩いて行くことにしたんだ。
母がお使いのご褒美として、私の箒の手入れと調整をしてくれることになっている。
箒もたまにはお休みさせてあげないとね。
「キャビッチは持ったー?」母は歩き出す私の背後からまた声をかけた。
「持ったよお」私は背負っているリュックを肩の上から親指で差して、肩越しに振り向き答えた。「もっちろん!」
「鬼魔(キーマ)に気をつけてねー」母は大きく手を振った。
――ちょっと、大げさ過ぎるんじゃないかな?
私はそんな風に思って、歩きながらつい苦笑してしまった。
だって、もう十三歳だよ?
鬼魔に気をつけてなんて……逆に、鬼魔の方に言ってあげるべきなんじゃないか?『今からポピーが町から森へ抜けていくから、気をつけなー』って。
『さもないと、ガーベラとフリージア譲りのキャビッチスローを食らってぶっ倒されるぞー』とかね。
そんなことを思って一人でくすくす笑いしながら歩くうち、私はキューナン通りに出た。
町の中は今日も賑やかだ。
「あらポピーおはよう、お使い?」時々そんな風に声をかけられたりもする。
店のおばさんとか、店に買い物に来ているおばさんとか。
おじさん達というのはあんまり声をかけたりはして来ないけど、皆私を見つけると「おう」と言ってにっこり笑いかけてくれる。
やがて前方に、高い尖塔が姿を見せ始めた。
聖堂だ。
――あの辺りから、かな。
私は、真っ青な空に向かってそびえ立つ尖った塔を見上げながらそう思った。
何がかって?
まあ、そのうちわかるよ。
それから私は“ミヴィズ”の前を通りかかった。
母が、この素敵な服地を買った店だ。
母のお気に入りの店なんだけれど、私はこのお店の隣にある小さな雑貨屋“クロルリンク”というお店が好きなんだ。
今日も、若い人から年配の人まで――全員女性だ――お客さんの出入りが多い。
でも、私もなんだけどここに来る人たちっていうのは、買い物よりもお店の商品を眺めて目と心を楽しませるのが主な目的なんだよね。
食器、ハンカチ、アクセサリー、時計、写真立て――小さくて、きらきらして、かわいくて、少し大人っぽくて。
――ああ、いいなあ……
私は今日もつい、紙袋とバスケットを手に提げたまま――それとリュックを背負ったまま、クロルリンクの棚に並ぶ品々を眺めるため立ち寄った。
――ほんの少し、だけね。
そう、心の中で自分に言い聞かせつつ。
入ってすぐの正面にある『今日のおすすめ』の棚の上には、小さな箱――ジュエリーとかちょっとした小物を入れる用の――が、色や形もさまざまに、とってもきれいな形で並べられていた。
私は少し前かがみになって――背が伸びたんだ――ひとつひとつ、小箱の中も外も眺めていった。
――いいなあ! 私だったら、何を入れよう……どれにしよう……
そんな事を夢みたいに想いながら眺めているうちふと、その中の、高さも幅も十センチほどの白地の箱に目がとまった。
その箱には、細い塔の絵がペン画で描かれていた。
それを見た時、私の頭の中にさっき遠くから眺めた聖堂の高い塔が蘇ったのだ。
――行くかあ。
私はふう、と息をつき、リュックをひょいっと上げて、クロルリンクを出た。
さっきよりも日差しが強まっている。
――急げ急げ。
私は早足で進んだ。
そして、聖堂の前までたどり着いた。
「ポピー、おはよう」
聖堂で働くお姉さんたちが箒で庭を掃きながら、私に挨拶の声をかけてくれた。
「おはようございます」私もにっこりと挨拶する。
「森へ行くの?」
「はい」頷く。
ふわっ
という感じで、“そいつ”は現れた。
やっぱりね。
といっても、姿は見えない――まだ。
どこかその辺に、隠れているんだろう。
気配は全然、隠せてないんだけど。
「気をつけてね」お姉さんの一人が言う。
「はい」私は頷く。
「鬼魔の方がね」別のお姉さんが言う。
あははは、とそこに集まっていた三人のお姉さん達が一斉に笑う。
ふわっふわっ
気配が、なんだかゆらめく。
きっと、どきんとしたのだろう。
そうだよ。
気をつけな。
鬼魔――あなたが、ね。
私は心の中でそう警告しながら、お姉さん達と一緒になって笑い、手を挙げてまた歩き出した。
歩きながら、わざとまたリュックをひょいっと上に上げる。
この中に、キャビッチが入っている。
人の手のひらほどの――大小さまざまあるけれど――不思議な力を持つ、魔法の野菜。
持って来たのは、自分で育てたものを三個と、今日は特別に母のものも三個、もらえた。
「もっとたくさん持って行きな」母はそう言っていたけど、あんまり詰め込むとさすがに肩がこるし、これでいい、と私は断ったのだ。
やっぱ大げさ過ぎだよね。
まあ、親ってのはどこもそうなんだろうけどさ。
親友のヨンベも『多分永久に子ども扱いされる』って言ってたし。
有り難いような、重苦しいような。
ふわ、ふわ、ふわ
“そいつ”は、建物二、三件分くらい後ろからずっと私の後をつけて来ていた。
もう少し行けば、森へ続く道に入る。
建物がだんだん少なくなってくる。
今日もいい天気だ。
私は歩きながらバスケットを開け、母が入れておいてくれたレモネードを取り出してひとくち飲んだ。
これもクロルリンクで買ったガラス瓶に入っている。
この中に入れた飲み物はずっと冷たいまんまで、ぬるくなったりしない。
クロルリンクで売っているガラス製品には、そういう魔法がかけられているのだ。
キャビッチを細かく細かく、目に見えないほどの小さな粒に砕いて、ガラスの材料の中に混ぜるんだって、前に聞いたことがある。
キャビッチとあと、何かの魔石の粉、なんだけど……んーと、それは忘れた。
ふわ、ふわ、ふわ
“そいつ”は、私が美味しそうに飲んでいるものに興味を持ったのか、しきりに動き回っている。
「飲みたいの? レモネード」私は顔を上に上げて声をかけた。
すると“そいつ”は、ぴたっと止まった。
「いるんでしょ」私はそう言って、わざと大きくため息をついた。「ユエホワ」
しーん。
何の反応も、ない。
「ユエホワ?」私はいぶかしく思って、周りの木々の上の方をぐるりと見回した。
鬼魔の姿は、どこにも見えない。
「クッキーもあるよー」私はバスケットを持ち上げてゆさゆさと揺らした。
しーん。
相変わらず、何の反応もない。
「なんで隠れてんの?」私はいつもの“そいつ”らしくない事を不審に思い、口を尖らせた。「なに企んでんの?」少し怒って、そう訊く。「ユエホワ!」
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