空から来た少女

赤嶺誠

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空から来た少女 1

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 ある日、空から女の子の赤ちゃんが落ちてきた。それもゆっくりと。その赤ちゃんはアルディスという男の人に育てられた。赤ちゃんの名前はシーダ。アルディスは剣士だったからシーダに幼い頃から剣術を教えていた。不幸にもこの時代は戦いばかりだったからだ。アルディスにシーダが剣術を教えてもらったのは4歳の頃からだ。アルディスは世界一と言っても過言ではないくらい強い。毎日鍛える日々。それがシーダを強くしていった。
 12歳の頃にはアルディスには及ばないが、そこそこ強い兵士と同じ位の腕だった。剣術をはじめて8年、この時点で普通の人達よりスタートが早い。普通では12歳から剣術をやり始める。8年早く始めているから、最近剣術を始めた子には余裕で勝つ。そして18歳で家を出た。基本、戦いで女は必要ないが国王がシーダの噂を聞き押し寄せて来た。アルディスはシーダに「好きに選びなさい」と言った。シーダには世の中を平和にしたいという夢があったから、誘いを喜んで受けた。そして、シーダの初めての戦争の時に、シーダは大活躍をし、国王からたくさんの褒美をいただいた。だがシーダはその褒美を敵国に渡し、同盟を結ぶように説得しに行った。それを聞いた国王は急いでシーダをとめに行ったが、もう手遅れだった。シーダには世の中を平和にしたいという夢があったから。そしてシーダは見事に同盟を結び、帰って来た。国王、国民、そしてアルディスも喜んだ。だがシーダに達成感はなかった。シーダはこれからの戦いを絶対勝てるようにと少しだけ国王に休みをもらった。そしてアルディスのところに戻り再び鍛え直してもらった。シーダは相手に死人がでるのはしかたがないが味方に死人がでるのは自分の力不足だと考えたからだ。この戦いでの死人は486人。それぞれに悲しむ家族がいると思ったら、シーダは夜も眠らずアルディスに鍛えてもらった。アルディスは剣1本、こっちは2本、だがアルディスには通用しない。シーダの2つ目の夢が出来た。アルディスを超える事だ。これからの戦いもアルディスに勝つ力があれば絶対勝てると考えたからだ。
 シーダがアルディスのところに戻って2日目、大事件が起きた。国王が同盟を結んだはずの国のネーレという名の女に殺された。ネーレは国王の館にいた全ての兵士も殺した。ネーレはアルディスが何度戦っても勝てなかった女戦士だ。本当の世界一はもしかして…………ネーレ?
 あの日、国王が殺された日、それを教えてくれたのはシーダの戦友のリアナだった。リアナは賢く軍師として戦場に行ってた。リアナはアルディスに憧れて剣術をはじめた。そして伝えに来たとき、アルディスがいてもびっくりしていた。シーダはその事を話してない事を思い出した。それからリアナはうらやましと毎日言うようになった。
 まぁ、そんなことよりも次の国王を決める選挙が明日国王の館である。候補は2人。金で人を動かし国で1番の金持ちのサタン。いつでも冷静で国で1番の天才エドガー。サタンは俺に入れてくれたら残りの人生幸せにおくれる位の大金を渡すと皆に言った。エドガーは国を安定させ世界を平和にしようと言った。シーダ、アルディス、リアナは勿論エドガーに入れた。しかし、サタンに入れる人も多かった。結果は4票差でエドガーの勝利。サタンは持っていた金をほとんど使いまた別の国で国王となった。とりあえず、エドガーが国王になったからにはもう安心だと国民が喜んだ。シーダにはまだやるべきことが残っていた。
 シーダは選挙が終わったらアルディスの家に帰りネーレを倒す作戦をアルディスとリアナと3人で考えた。3人とも剣術が得意だ。軍師のリアナも、もとは兵士だったからだ。アルディスが手も足も出なかった相手に3人でかかれば勝てるかと考えた。その頃にはシーダはアルディスより実力は上だった。作戦はそれで決まった。ネーレは夜、いつも国王の館の近くの橋にいると通達が入ったから、次の日の夜決行した。
 その橋でネーレは来るのがわかっていたかのように待ち構えていた。3対1だからさすがに勝てると余裕だったシーダは次の瞬間、絶望を見た。3人で襲いかかったのにネーレは全ての攻撃をよけ、その上リアナを殺して、アルディスの左腕を切った。幸いシーダはいろんなところに切り傷しか受けなかったが、アルディスが逃げろと大声で言ったからシーダはすぐ逃げた。シーダは怖かった。そして途中まで逃げたがまた引き返した。だが、シーダが戻った頃にはリアナの死体しかなかった。アルディスの血のようなものを発見したからその血をたどってみると、川につながっていた。シーダは泣いた。これまでに無い悲しさだった。父親同然のアルディスととっても仲が良かった戦友のリアナも殺されたからだ。シーダは決心した。2人の仇を討つ。ネーレを殺す。シーダは1人でアルディスの家に帰った。
 1人でアルディスの家に帰ったシーダは、夜中泣き続けた。それほど悲しかったのだ。しかし、シーダは切り替えが早かった。
 次の日の朝、シーダはすぐ家をでて、国王に昨日あったことを言いに行った。そしたら国王のエドガーはすぐに兵士に指示を出した。このように。「今夜、敵国の最強の剣士、ネーレを討つから皆準備しておけ」と。シーダの国の兵士の数の合計は約590000人。この数の多さならエドガーは勝てると確信していたがふと思い出した。あの3人攻撃を無駄な動き1つ無く、その後一瞬で3人を死に追いやった。いくら数が多くても無理かもしれないと。そしてエドガーは再び「前言撤回。戦うのは狙撃手だけだ。だが、近くに来られたら殺されるから、そこには銃手と剣士を置く。あと、戦うのは腕の立つものそだけだ。自分が無理だと思うやつは戦場に来るな自信のあるやつだけ来い」と言った。シーダは夜まで休むことにした。
 夜、作戦が開始された。狙撃手は高台で待ち構えた。そして、シーダと54人の剣士はネーレと戦うため、橋に行った。そこでまたネーレは待ち構えていた。そして、戦いが始まった。まず、狙撃手がネーレの頭を狙う。そして撃つ。しかしネーレはよける。だが、1発だけネーレの肩を撃ち抜いた。それを撃ったのは何と国王のエドガー。その隙に皆が一斉に襲いかかった。ネーレは腹に剣が刺さったがまだ動いている。30人位の腕の立つ剣士がいともたやすく殺された。皆が言った。「こいつ、不死身か」と。そしたらネーレはこう言った。「心臓を剣か銃で撃ち抜かなきゃ殺せない」と。だから皆が銃を狙って、撃って撃って撃って、刺して刺して刺した。ネーレは足も刺され、身動きがとれなくなった。それをチャンスに皆が襲いかかるその時、「ヤメロ~」と言う声が響いた。それはシーダが言った言葉だった。そしてシーダはネーレの傷の応急処置をした。「助けてもらって嬉しいか?助けたくなかった。でも、ここで助けないとアルディスと、リアナが悲しむ」とシーダは言った。ネーレは今までの悪事を全て謝った。そしてネーレはこう言った。「アルディスはおそらく生きているぞ。アルディスは自分で川に飛び込んで逃げた。あと、あの血はアルディスの肩の血だ。命に別状はない」シーダはそれを聞いて嬉しくて、家に帰ってアルディスの帰りを待つことにした。しかし、国王が10日後には戻って来いと言った。戦争があるからと。
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