148 / 169
気づいたこと (アルフォード視点)
しおりを挟む
思いもしていなかった言葉に、俺は一瞬言葉を失ってしまう。
そんな俺をかまうことなく、伯爵家当主は一気にまくし立て始めた。
「よく考えてみてください、アルフォード様。今回の事態の元凶は一体なんでしょうか? そう、サーシャリアが逃げ出したことなのです」
「……本気で言っているのか?」
「本気も何も事実ではないですか!」
そういって、さらに伯爵家当主はまくし立て始める。
「サーシャリアさえ逃げ出さなければ、辺境貿易がここまで滞ることもなかったのです! それを考えれば……アルフォード様?」
しかし、その伯爵家当主の勢いは俺の様子を見た瞬間、失速することとなった。
そんな伯爵家当主へと、俺は呆れを隠せない様子で告げる。
「……そんなことを言われても、私はどうすればいい?」
「……は?」
「はあ、まだ分かってないのか?」
どうしようもなく鈍い伯爵家当主に、私はため息をもらす。
「この事態の責任が、失踪したサーシャリアのものだと言う意味を少しでも考えて見ろ。サーシャリアは一ヶ月も失踪してないんだぞ」
「……何がいいたいのですか?」
「──自分の無能さをカミングアウトされたって、私はどうしようもできないということだよ」
「なっ!」
俺の言葉に、伯爵家当主の顔が朱に染まる。
その怒りの表情を見ながら、俺は内心嘆息を漏らしていた。
正直、俺はここで伯爵家当主への恨みを露わにするつもりはなかった。
あくまで、俺は中立の人間だと伯爵家当主に思わせるために。
けれど、このことだけは指摘せずにはいられなかった。
「……一ヶ月いなかった人間と、一ヶ月で事業を傾けた人間。どっちが無能に見える?」
「……っ!」
そして、ようやく自分の発言の意味を理解したのか、伯爵家当主は言葉を失う。
しかし、直ぐにわめきたて始めた。
「これだけの侮辱。たとえアルフォード様とはいえ、許せませんぞ!」
そんなどうしようもない伯爵家当主の姿に、俺は思わず頭を抑えそうになる。
……ただ、もう一つだけ指摘せずにはいられないことがあった。
「言っておくが、私はあくまで意味を要約しただけだ。それに、ここでその名前を出したということは、お前も理解しているんだろう?」
「……なんのことですか?」
そういって、怪訝そうな伯爵家当主の顔を真っ正面から見返し、俺は告げた。
「サーシャリアは自分なんて比にならない優秀な人間だった、そのことにそろそろ気づいたんだろ、そう言ってるんだよ」
◇◇◇
更新遅れてしまい申し訳ありません!
そんな俺をかまうことなく、伯爵家当主は一気にまくし立て始めた。
「よく考えてみてください、アルフォード様。今回の事態の元凶は一体なんでしょうか? そう、サーシャリアが逃げ出したことなのです」
「……本気で言っているのか?」
「本気も何も事実ではないですか!」
そういって、さらに伯爵家当主はまくし立て始める。
「サーシャリアさえ逃げ出さなければ、辺境貿易がここまで滞ることもなかったのです! それを考えれば……アルフォード様?」
しかし、その伯爵家当主の勢いは俺の様子を見た瞬間、失速することとなった。
そんな伯爵家当主へと、俺は呆れを隠せない様子で告げる。
「……そんなことを言われても、私はどうすればいい?」
「……は?」
「はあ、まだ分かってないのか?」
どうしようもなく鈍い伯爵家当主に、私はため息をもらす。
「この事態の責任が、失踪したサーシャリアのものだと言う意味を少しでも考えて見ろ。サーシャリアは一ヶ月も失踪してないんだぞ」
「……何がいいたいのですか?」
「──自分の無能さをカミングアウトされたって、私はどうしようもできないということだよ」
「なっ!」
俺の言葉に、伯爵家当主の顔が朱に染まる。
その怒りの表情を見ながら、俺は内心嘆息を漏らしていた。
正直、俺はここで伯爵家当主への恨みを露わにするつもりはなかった。
あくまで、俺は中立の人間だと伯爵家当主に思わせるために。
けれど、このことだけは指摘せずにはいられなかった。
「……一ヶ月いなかった人間と、一ヶ月で事業を傾けた人間。どっちが無能に見える?」
「……っ!」
そして、ようやく自分の発言の意味を理解したのか、伯爵家当主は言葉を失う。
しかし、直ぐにわめきたて始めた。
「これだけの侮辱。たとえアルフォード様とはいえ、許せませんぞ!」
そんなどうしようもない伯爵家当主の姿に、俺は思わず頭を抑えそうになる。
……ただ、もう一つだけ指摘せずにはいられないことがあった。
「言っておくが、私はあくまで意味を要約しただけだ。それに、ここでその名前を出したということは、お前も理解しているんだろう?」
「……なんのことですか?」
そういって、怪訝そうな伯爵家当主の顔を真っ正面から見返し、俺は告げた。
「サーシャリアは自分なんて比にならない優秀な人間だった、そのことにそろそろ気づいたんだろ、そう言ってるんだよ」
◇◇◇
更新遅れてしまい申し訳ありません!
0
お気に入りに追加
7,690
あなたにおすすめの小説
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

【完結】わたしの欲しい言葉
彩華(あやはな)
恋愛
わたしはいらない子。
双子の妹は聖女。生まれた時から、両親は妹を可愛がった。
はじめての旅行でわたしは置いて行かれた。
わたしは・・・。
数年後、王太子と結婚した聖女たちの前に現れた帝国の使者。彼女は一足の靴を彼らの前にさしだしたー。
*ドロッとしています。
念のためティッシュをご用意ください。

妹の嘘の病により、私の人生は大きく狂わされましたが…漸く、幸せを掴む事が出来ました
coco
恋愛
病弱な妹の願いを叶える為、私の婚約者は私に別れを告げた。
そして彼は、妹の傍に寄り添う事にしたが…?

【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います
菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。
その隣には見知らぬ女性が立っていた。
二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。
両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。
メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。
数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。
彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。
※ハッピーエンド&純愛
他サイトでも掲載しております。

お妃様に魔力を奪われ城から追い出された魔法使いですが…愚か者達と縁が切れて幸せです。
coco
恋愛
妃に逆恨みされ、魔力を奪われ城から追い出された魔法使いの私。
でも…それによって愚か者達と縁が切れ、私は清々してます─!

お前のせいで不幸になったと姉が乗り込んできました、ご自分から彼を奪っておいて何なの?
coco
恋愛
お前のせいで不幸になった、責任取りなさいと、姉が押しかけてきました。
ご自分から彼を奪っておいて、一体何なの─?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる