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その思いの理由 (ソシリア視点)

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 実のところ、私がサーシャリアとアルフォードをひっつける為に打っていた手は、セインに頼むことだけではなかった。

 王妃様にそれとなく話を漏らし、外堀を埋めること。
 そして、サーシャリアを悲劇のヒロインとして広め、アルフォードとの婚約時に不満がでないようにすること。

 などなど、私は様々なことに手を回していた。
 もちろん、それらは決して手の掛かることではない。
 王妃様は元々、サーシャリアに好印象を抱いていたし、伯爵家の自爆のおかげで、噂を広めるのに対した苦労もいらなかった。
 それでも、徐々に形を整えられている確信が私にはあった。

 そして、そのことを全てではないが、マルクとリーリアに私は語る。
 最終的に、セインに頼みごとをした下りを話すときには、セインもリーリアも信じられないものをみるような表情となっていた。

「……お前、本当にアルフォードのこといえないよな」

「貴方、まだそんなこというの?」

「……ごめん、ソシリア。今回は私も、マルク側よ」

「リーリア!?」

 まさかのリーリアの言葉に衝撃を受けている私に、マルクは淡々と告げる。

「当たり前だろうが。相変わらず、お前は一度決めたら行動力の化身となるのを改めろ」

「……言い過ぎじゃない?」

「じゃないわ。いくらアルフォードが認めてくれないからと言って、外堀を埋めるどころか、外に砦を作って逃げられない状況を作ろうとするのはやめなさい……」

「……なっ!」

「だから、それは俺たちのせりふなんだよ……」

 マルクは、そうしてあきらめたようにため息をつく。

「まあ、お前がそうなるのもわかるけどな。ーー契約結婚、サーシャリアの為でもあったんだろう?」

「いえ、そこまで考えてなかったわよ」

 マルクの言葉を、私は否定する。
 そう、本当にこんなことがあると思っていたわけではないのだ。
 一番の理由は、私もアルフォードも結婚できない理由があって、都合がよかっただけなのだから。

「まあでも、サーシャリアの為になればいいとは思っていたのは事実よ」

 それは、本当にかすかな思いだった。
 それでも、こんな時があるなら私は、恩に報いたいとは思っていた。
 私の人生を大きく変えてくれたサーシャリアに、少しは報いたいと思っていた。

 ……その機会が今きているのだから、私はそう改めてある決意を固める。

「だから私は、アルフォードを何とかして説得したいの。サーシャリアと前を向けるように。だから、二人には協力してほしい」

 瞬間、マルクリーリアの表情は真剣なものに変わった。
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