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2.王国編
第6話 兵士達の横暴
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兵士達の姿を見た僕の頭に浮かんだのは兵士達の暴走という言葉だった。
王国兵はかなり練度が低い。
だからこそ、勝手に村人達を襲うような行動を取ってもおかしくない、そう判断したのだ。
「っ!」
そして次の瞬間、僕とエイナは激情に促されるまま、それぞれの武器を抜き身の状態で握っていた。
今見る限り、兵士の数は30人程度とかなり少ない。
僕とエイナであっさりと殲滅できるだろう。
けれども、いくら兵士達が暴走していようが王国兵に手を出せば王国に睨まれる可能性がある。
そしてそれは無名の冒険者である僕たち個人ではなく、ギルドへと向かう。
だから迂闊な行動は取れない。
とにかく今は、話し合いで説得だけでも……
「おい、そこの冒険者。お前ら、王国に刃向かう気か?」
「………え?」
……と、僕が判断を決めようとしたその時だった。
兵士達の頭だと思える人間が剣をぬきはなった僕たちを嘲笑し、一枚の紙を差し出したのだ。
それはとてつもなく高級な紙で、けれども僕はそれだけしか分からず戸惑う。
「勅命書!?」
「なっ!?」
けれども、次の瞬間エイナとパラスがあげた驚愕の声に、言葉を失うことになった。
勅命書、それは国王直々の命令を伝える紙。
ーーー そしてその勅命書は、目の前の男達は王国の命で村人達を襲うことは王命であることを証明していた。
◇◆◇
「くっ!」
……勅命書が本物であることを確認した僕たちは、渋々武器を納めた。
もしかしたら、勅令書を利用しているだけで村人を襲うのは勅令では無いかもしれない。
けれども、相手が勅命書を持っている今、僕達には何の手出しもすることは出来なかった。
……今の僕達の行動で、ギルドと王国の全面戦争に陥りかねないのだから。
「待ってください!何で村人達を連れて行こうとするんですか!そこには私の親族がいます!訳だけでも……」
「はぁ?」
けれども黙って引き下がることだけは僕にはできなかった。
見た限り、この中にはシュライトさんらしき人間は見当たらなかった。
けれども兵士達に捕らえられた村人達の多くは若い女性達で、だからこそ僕は土下座をして頼み込む。
「あがっ!?」
「翔!?」
ーーー けれども、兵士達は僕の頭を踏みつけただけで僕の問いに答えることはなかった。
そしてその兵士の態度に、パラスが怒りの声を上げる。
おそらく彼のことだ。
魔術でも行使しようとしているのだろう。
「くそっ!」
「おい?戦争だぞ!戦争!そこの魔法使いは考えられないのか?」
「くっ!」
……けれども、兵士の言葉にパラスは何もできない。
「あはは!そうだよ!それでいいんだよ!」
そして悔しげなパラスの様子に、兵士は大声をあげて笑う。
「何が冒険者だ!何が王国程の力がある組織だ!お前らは所詮屑なんだよ!俺たちエリートに頭を下げてれば良いんだよ!」
その兵士の言葉には隠しきれない優越感が浮かんでいた。
「ここまでにしていてやるよ。雑魚ども」
「ぐっ!」
そして一方的に捲し立てて、満足したのか兵士達は僕の頭から足を下ろして最後に僕を蹴りあげた。
「次は森の中を探すぞ!それでも見つからなかったら、魔獣の中にこいつらを投げ込んで、拷問でもするか!」
それから兵士達は下劣な笑いをあげながら森の中へと消えていく。
「翔!」
「大丈夫か!」
その瞬間、傷つけられた僕へとパラスとエイナが駆け寄ってくる。
「雑魚が!」
そしてその光景に対して、最後に兵士は隠す気の無い嘲りとともにそう吐き捨てて森の中へと去っていった……
王国兵はかなり練度が低い。
だからこそ、勝手に村人達を襲うような行動を取ってもおかしくない、そう判断したのだ。
「っ!」
そして次の瞬間、僕とエイナは激情に促されるまま、それぞれの武器を抜き身の状態で握っていた。
今見る限り、兵士の数は30人程度とかなり少ない。
僕とエイナであっさりと殲滅できるだろう。
けれども、いくら兵士達が暴走していようが王国兵に手を出せば王国に睨まれる可能性がある。
そしてそれは無名の冒険者である僕たち個人ではなく、ギルドへと向かう。
だから迂闊な行動は取れない。
とにかく今は、話し合いで説得だけでも……
「おい、そこの冒険者。お前ら、王国に刃向かう気か?」
「………え?」
……と、僕が判断を決めようとしたその時だった。
兵士達の頭だと思える人間が剣をぬきはなった僕たちを嘲笑し、一枚の紙を差し出したのだ。
それはとてつもなく高級な紙で、けれども僕はそれだけしか分からず戸惑う。
「勅命書!?」
「なっ!?」
けれども、次の瞬間エイナとパラスがあげた驚愕の声に、言葉を失うことになった。
勅命書、それは国王直々の命令を伝える紙。
ーーー そしてその勅命書は、目の前の男達は王国の命で村人達を襲うことは王命であることを証明していた。
◇◆◇
「くっ!」
……勅命書が本物であることを確認した僕たちは、渋々武器を納めた。
もしかしたら、勅令書を利用しているだけで村人を襲うのは勅令では無いかもしれない。
けれども、相手が勅命書を持っている今、僕達には何の手出しもすることは出来なかった。
……今の僕達の行動で、ギルドと王国の全面戦争に陥りかねないのだから。
「待ってください!何で村人達を連れて行こうとするんですか!そこには私の親族がいます!訳だけでも……」
「はぁ?」
けれども黙って引き下がることだけは僕にはできなかった。
見た限り、この中にはシュライトさんらしき人間は見当たらなかった。
けれども兵士達に捕らえられた村人達の多くは若い女性達で、だからこそ僕は土下座をして頼み込む。
「あがっ!?」
「翔!?」
ーーー けれども、兵士達は僕の頭を踏みつけただけで僕の問いに答えることはなかった。
そしてその兵士の態度に、パラスが怒りの声を上げる。
おそらく彼のことだ。
魔術でも行使しようとしているのだろう。
「くそっ!」
「おい?戦争だぞ!戦争!そこの魔法使いは考えられないのか?」
「くっ!」
……けれども、兵士の言葉にパラスは何もできない。
「あはは!そうだよ!それでいいんだよ!」
そして悔しげなパラスの様子に、兵士は大声をあげて笑う。
「何が冒険者だ!何が王国程の力がある組織だ!お前らは所詮屑なんだよ!俺たちエリートに頭を下げてれば良いんだよ!」
その兵士の言葉には隠しきれない優越感が浮かんでいた。
「ここまでにしていてやるよ。雑魚ども」
「ぐっ!」
そして一方的に捲し立てて、満足したのか兵士達は僕の頭から足を下ろして最後に僕を蹴りあげた。
「次は森の中を探すぞ!それでも見つからなかったら、魔獣の中にこいつらを投げ込んで、拷問でもするか!」
それから兵士達は下劣な笑いをあげながら森の中へと消えていく。
「翔!」
「大丈夫か!」
その瞬間、傷つけられた僕へとパラスとエイナが駆け寄ってくる。
「雑魚が!」
そしてその光景に対して、最後に兵士は隠す気の無い嘲りとともにそう吐き捨てて森の中へと去っていった……
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