ヒビキとクロードの365日

あてきち

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3月

3月9日『記念切手記念日』

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 ヒビキ「ぎゃああああああああああああああ!」

クロード「どうしました、ヒビキ様!?」

 ヒビキ「ク、クロード、これ……」

クロード「これ? ああ、切手ですね。これがどうかしました?」

 ヒビキ「い、一枚使われてるんだけど……」

クロード「そういえばこの前使いましたね。懸賞に応募したかったのですけど私製ハガキしかなかったので。それにしても、青いタヌキの切手だなんて可愛いですね」

 ヒビキ「クロードの、馬鹿野郎―!」

クロード「ど、どうしたのですか? なぜそんなに怒っているのですか?」

 ヒビキ「今日3月9日は『記念切手記念日』だからと久しぶりに見てみたら、切手が使われているんだから怒るに決まってるでしょー!」

クロード「『記念切手記念日』? なんだか回文みたいで面白いですね」

 ヒビキ「全然面白くないよ~。あぁ、もう購入できない限定品だったのに」

クロード「そんなに希少なものだったのですか?」

 ヒビキ「1997年に発行された『ドラえもんグリーティング切手』だよ。原作者の藤子・F・不二雄先生が亡くなった翌年に発売されたものだから当時も結構騒がれたけど、今でも人気があるんだ。だっていうのに、使っちゃうなんて……」

クロード「そ、それは申し訳ございません」

 ヒビキ「ううう、頑張って郵便局並んだのに~」

クロード「……ヒビキ様、本編開始2016年時点で16歳だったヒビキ様が、どうやって1997年に切手を購入すべく郵便局に並ぶことができるのでしょうか?」

 ヒビキ「……」

クロード「……まさか、ヒビキ様の年齢って本当はもっと上――」

 ヒビキ「『記念切手記念日』とは、1894年3月9日に、日本初の記念切手が発行されたことにちなんだ記念日だよ!」

クロード「む? 特に記念日の説明は求めていませんがが。それよりヒビキ様の年」

 ヒビキ「日本で初めて発行された記念切手は、明治天皇成婚25周年を記念したもので、値段は2銭と5銭の二種類があったらしいよ!」

クロード「…………まあ、いいですけど。しかし、2銭・5銭と言われても単位が違うせいでいくらだかよく分かりませんね」

 ヒビキ「ふぅ、危なかった。概算だけど大体1銭であんパン1個買えたくらいだったらしいから、2銭で200円くらいの感覚でいいんじゃないかな?」

クロード「ヒビキ様、今、危なかったって……」

 ヒビキ「5銭で約500円ってことだね。切手としてはなかなかのお値段だけど、普及率が今ほどでないことを考えると妥当だったのかもしれないね」

クロード「…………まあ、いいですけど。そういえば、ヒビキ様がお持ちの記念切手はいくらだったのですか?」

 ヒビキ「80円切手が5枚で400円だよ。でも、値段じゃないんだ、値段じゃ」

クロード「ヒビキ様の国の方々は『記念』とか『限定』という言葉に大層弱いですからね。切手など使ってなんぼだというのに、使わずに保管しておくだけだなんて、そちらの方がもったいないと思いますよ」

 ヒビキ「世界中の記念切手コレクターを敵に回す発言、ありがとう(怒)」

クロード「本編上で切手コレクター設定があるわけでもないのに、そんなに怒らないでください。スマホでピポパ……ほら、探してみるとネット―オークションで購入できますよ。少々高いですが、元が400円ですから大した価格でもありません」

 ヒビキ「そういう問題じゃないんだってば! ……でも、クロードには分かんないんだろうなぁ。はぁ、俺のドラえもん切手……」

クロード「……実はまだ郵便を送ってないので切手自体は家にあったりするのですが。言うべきか、そのまま送ってしまうべきか……どうしたものでしょう?」





★★★★★
その他の記念日『雑穀の日』
※日本雑穀協会が制定。
※『雑穀』=『ざっ(3)こく(9)』の語呂合わせ。

 ヒビキ「はい、今日のご飯だよ」
クロード「今日も雑穀がゆですか……その、そろそろ許していただけませんか?」
 ヒビキ「雑穀は健康にいいし、歯ごたえもあって美味しいでしょ」
クロード「そう言いながらご自分のメニューはハンバーグセットなんですね」
 ヒビキ「何言ってるのさ。俺だって食べてるでしょ、雑穀」
クロード「適度なバランスの雑穀米でしょう? 私のにも米を混ぜてください!」
 ヒビキ「あー、美味しいな、雑穀」
クロード「ぐぬぬぬ、お、美味しいなぁ、雑穀」
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