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3月
3月2日『ミニの日』
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〇〇〇〇『プップー!』
クロード「おや、ヒビキ様。玄関の方からラッパのような音が」
ヒビキ「ラッパっていうか車のクラクションじゃない?」
クロード「家の前で迷惑はことですね」
ヒビキ「まあ、しばらくすれば通り過ぎるでしょ」
〇〇〇〇『プップップーーーッ!!』
クロード「そういえばヒビキ様、先月はコミック版鑑定士(仮)の最新第3巻が発売されたそうですよ。私が大活躍しているとかしているとか」
ヒビキ「メッチャ自分推しだね、クロード。俺も結構頑張ってるんだけど」
〇〇〇〇『プププププププププププーーーーッ!!!』
エマリア「ねぇ、私の活躍が収録されてないんだけど、どうなってるのかしら?」
クロード「……前回から引き続きまだいたのですね、エマリア殿」
ヒビキ「エマリアさんの活躍は4巻じゃない? もしくは幻の話扱いに……」
〇〇〇〇『プップッププププププププププププウウウウウッ!』
エマリア「あんなに恥ずかしい思いをしたのにお蔵入りなんて許さないわよ!」
ラクリシア「姉さんのセクシードレス姿は誰にも渡さなーい!」
エマリア「黙りなさい!」
ラクリシア「ぐべええええええええ!?」
ヒビキ「エ、エマリアさん、さすがに脳天に肘打ちはやりすぎじゃない?」
クロード「床に顔面を強打しましたね……鼻血でしょうか、血だまりが……」
ラクリシア「痛嬉しいよ、姉さん!」
ヒビキ「……嬉しいんだ」
エマリア「相変わらず気持ち悪いわ、ラクリシア」
ラクリシア「一年かけてようやく登場したのに扱いが酷いよ、姉さん!?」
クロード「ラクリシア殿、あなたの発言も相当酷いことを自覚してください」
ヒビキ「ところでラクリシアさんは何しに来たの?」
ラクリシア「何しにって……あれを持ってきたんじゃないか」
クロード「もしかして、例のクラクションはラクリシア殿だったのですか?」
ラクリシア「そうだよ! 君達ときたらいくら鳴らしても全然来ないんだから!」
エマリア「知らないわよ、そんなの。というか、なんで車なんて持ってきたのよ」
ヒビキ「テラダイナスから持ってきたの? いや、あれは……ああ、そういう」
クロード「何かご存じなのですか、ヒビキ様?」
ヒビキ「あれ、ドイツの自動車会社『BMW』製の車『Mini』だよ」
クロード「『びーえむだぶりゅー』の『みに』?」
エマリア「小ぶりで可愛らしいフォルムの車ね。どうしたの、あれ?」
ラクリシア「コウイチに無理を言って用意してもらったんだ。なにせ今日は――」
ヒビキ「今日3月2日は『ミニの日』だからね」
ラクリシア「なんで言ってしまうんだ!?」
ヒビキ「なんでって、記念日を紹介するのは俺の仕事だし……」
エマリア「ヒビキ、なんなの、その『ミニの日』って?」
ヒビキ「ドイツの『BMW』の子会社『BMWジャパン』が制定した記念日だよ。3月2日の『32』と『ミニ』をかけた語呂合わせが由来だね。BMWは『ミニ』というブランドの自動車を販売していることから、こんな記念日を作ったみたい。小さいもの、ミニチュアを愛そうって趣旨の記念日なんだってさ」
ラクリシア「俺が言いたかったこと全部言っちゃったよ!」
エマリア「ふーん。由来と趣旨は分かったけど、わざわざこんな記念日を作った理由がよく分からないわね。自社の車を愛してねってことでしょうけど……」
クロード「車自体がそもそも小さくありませんからね」
ヒビキ「ほかの車と比較すれば小さめなんだからいいじゃない」
ラクリシア「ちょっと、君達! 俺の話を――」
クロード「とはいえ、ヒビキ様の世界にはこれよりも小さい車はありますしね」
エマリア「まあ、別に世界最小じゃなきゃ記念日を作ってはいけないなんて法律があるわけでもないんだし、別にいいけど」
ラクリシア「ね、姉さん、俺の話……」
ヒビキ「エマリアさん、前回と結論がほぼ同じだよ?」
エマリア「そう言われても私、あんまり興味ないのよね、記念日なんて」
ヒビキ「エマリアさんこそ、この作品の趣旨をガン無視してるよね?」
クロード「私もヒビキ様のご紹介でなければ特には……」
ラクリシア「……あの……」
ヒビキ「二人にとっては異世界の記念日だからそう思うのも仕方ないかもしれないけど、せめて本文中ではもう少しリアクションをだね……」
ラクリシア「うわーーーん! やっとの思いで登場したのに誰も話を聞いてくれないいいいいいいいいい!」
ヒビキ「あ、ラクリシアさんが泣きながら出て行っちゃった」
クロード「そういえばすっかり忘れていましたね。美形であんな個性的な性格なのに、なぜこんなにも存在感が薄いのでしょうか?」
エマリア「まさに『ミニの日』にふさわしいゲストだったってことじゃない?」
ヒビキ「……ラクリシアさんへの愛情がミニマムだね、エマリアさん」
★★★★★
その他の記念日『お水送り』
※奈良市の東大寺二月堂の修二会の『お水取り』で使う水を、二月堂の井戸につながっているとされる淵に送る行事。
クロード「……は?」
エマリア「何を説明しているのか本気で分からないわ……」
ヒビキ「えーと、詳しくは自力で調べてね。検索検索♪」
ラクリシア「せめてここでくらい俺に話題を振ってくれー!」
クロード「おや、ヒビキ様。玄関の方からラッパのような音が」
ヒビキ「ラッパっていうか車のクラクションじゃない?」
クロード「家の前で迷惑はことですね」
ヒビキ「まあ、しばらくすれば通り過ぎるでしょ」
〇〇〇〇『プップップーーーッ!!』
クロード「そういえばヒビキ様、先月はコミック版鑑定士(仮)の最新第3巻が発売されたそうですよ。私が大活躍しているとかしているとか」
ヒビキ「メッチャ自分推しだね、クロード。俺も結構頑張ってるんだけど」
〇〇〇〇『プププププププププププーーーーッ!!!』
エマリア「ねぇ、私の活躍が収録されてないんだけど、どうなってるのかしら?」
クロード「……前回から引き続きまだいたのですね、エマリア殿」
ヒビキ「エマリアさんの活躍は4巻じゃない? もしくは幻の話扱いに……」
〇〇〇〇『プップッププププププププププププウウウウウッ!』
エマリア「あんなに恥ずかしい思いをしたのにお蔵入りなんて許さないわよ!」
ラクリシア「姉さんのセクシードレス姿は誰にも渡さなーい!」
エマリア「黙りなさい!」
ラクリシア「ぐべええええええええ!?」
ヒビキ「エ、エマリアさん、さすがに脳天に肘打ちはやりすぎじゃない?」
クロード「床に顔面を強打しましたね……鼻血でしょうか、血だまりが……」
ラクリシア「痛嬉しいよ、姉さん!」
ヒビキ「……嬉しいんだ」
エマリア「相変わらず気持ち悪いわ、ラクリシア」
ラクリシア「一年かけてようやく登場したのに扱いが酷いよ、姉さん!?」
クロード「ラクリシア殿、あなたの発言も相当酷いことを自覚してください」
ヒビキ「ところでラクリシアさんは何しに来たの?」
ラクリシア「何しにって……あれを持ってきたんじゃないか」
クロード「もしかして、例のクラクションはラクリシア殿だったのですか?」
ラクリシア「そうだよ! 君達ときたらいくら鳴らしても全然来ないんだから!」
エマリア「知らないわよ、そんなの。というか、なんで車なんて持ってきたのよ」
ヒビキ「テラダイナスから持ってきたの? いや、あれは……ああ、そういう」
クロード「何かご存じなのですか、ヒビキ様?」
ヒビキ「あれ、ドイツの自動車会社『BMW』製の車『Mini』だよ」
クロード「『びーえむだぶりゅー』の『みに』?」
エマリア「小ぶりで可愛らしいフォルムの車ね。どうしたの、あれ?」
ラクリシア「コウイチに無理を言って用意してもらったんだ。なにせ今日は――」
ヒビキ「今日3月2日は『ミニの日』だからね」
ラクリシア「なんで言ってしまうんだ!?」
ヒビキ「なんでって、記念日を紹介するのは俺の仕事だし……」
エマリア「ヒビキ、なんなの、その『ミニの日』って?」
ヒビキ「ドイツの『BMW』の子会社『BMWジャパン』が制定した記念日だよ。3月2日の『32』と『ミニ』をかけた語呂合わせが由来だね。BMWは『ミニ』というブランドの自動車を販売していることから、こんな記念日を作ったみたい。小さいもの、ミニチュアを愛そうって趣旨の記念日なんだってさ」
ラクリシア「俺が言いたかったこと全部言っちゃったよ!」
エマリア「ふーん。由来と趣旨は分かったけど、わざわざこんな記念日を作った理由がよく分からないわね。自社の車を愛してねってことでしょうけど……」
クロード「車自体がそもそも小さくありませんからね」
ヒビキ「ほかの車と比較すれば小さめなんだからいいじゃない」
ラクリシア「ちょっと、君達! 俺の話を――」
クロード「とはいえ、ヒビキ様の世界にはこれよりも小さい車はありますしね」
エマリア「まあ、別に世界最小じゃなきゃ記念日を作ってはいけないなんて法律があるわけでもないんだし、別にいいけど」
ラクリシア「ね、姉さん、俺の話……」
ヒビキ「エマリアさん、前回と結論がほぼ同じだよ?」
エマリア「そう言われても私、あんまり興味ないのよね、記念日なんて」
ヒビキ「エマリアさんこそ、この作品の趣旨をガン無視してるよね?」
クロード「私もヒビキ様のご紹介でなければ特には……」
ラクリシア「……あの……」
ヒビキ「二人にとっては異世界の記念日だからそう思うのも仕方ないかもしれないけど、せめて本文中ではもう少しリアクションをだね……」
ラクリシア「うわーーーん! やっとの思いで登場したのに誰も話を聞いてくれないいいいいいいいいい!」
ヒビキ「あ、ラクリシアさんが泣きながら出て行っちゃった」
クロード「そういえばすっかり忘れていましたね。美形であんな個性的な性格なのに、なぜこんなにも存在感が薄いのでしょうか?」
エマリア「まさに『ミニの日』にふさわしいゲストだったってことじゃない?」
ヒビキ「……ラクリシアさんへの愛情がミニマムだね、エマリアさん」
★★★★★
その他の記念日『お水送り』
※奈良市の東大寺二月堂の修二会の『お水取り』で使う水を、二月堂の井戸につながっているとされる淵に送る行事。
クロード「……は?」
エマリア「何を説明しているのか本気で分からないわ……」
ヒビキ「えーと、詳しくは自力で調べてね。検索検索♪」
ラクリシア「せめてここでくらい俺に話題を振ってくれー!」
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