ヒビキとクロードの365日

あてきち

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2月

2月25日『夕刊紙の日』

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クロード「さて、今日の記念日は何ですか、ヒビキ様?」

 ヒビキ「今日はクロードの方から聞いてくるんだ?」

クロード「前振りが面倒で」

 ヒビキ「毎回俺が苦労して用意しているのになんて言い草だよ」

クロード「さて、今日の記念日は何ですか、ヒビキ様?」

 ヒビキ「……今日2月25日は『夕刊紙の日』だよ」

クロード「ゆうかんし? 最近どこかで聞いたような……」

 ヒビキ「つい最近新聞関係の記念日を紹介したばかりだからね。毎朝うちに届いている新聞が『朝刊紙』で、毎日夕方に配布・販売される新聞が『夕刊紙』さ。『夕刊紙の日』は、1969年2月24日、日本初の駅売り専門夕刊紙『夕刊フジ』が創刊されたことにちなんだ記念日だよ」

クロード「駅売り専門とは、随分売り場を狭めた戦略ですね」

 ヒビキ「そうでもないでしょ? 駅なんて日本全国にあるし、国内の駅の利用者数を考えれば客層としては十分いると思うよ」

クロード「そういう考え方もできるのですね。しかし、各家庭に配布する方が客数は多いようにも思えますが?」

 ヒビキ「うーん。そこは棲み分けてるんじゃない? 基本的には朝刊紙で事足りるし、朝刊を買った人が夕刊まで買うとは思えないなぁ」

クロード「言われてみれば……朝と夜の二回新聞を読むのは何気に大変そうです」

 ヒビキ「実際、全国的に夕刊は廃止傾向にあるみたいだよ。きちんと生き残っているのはそれこそ『夕刊フジ』みたいな専門夕刊紙くらいじゃないかな?」

クロード「夕刊専門といいますが、普通の新聞と何が違うのですか?」

 ヒビキ「結構違うよ。例えば見出しとか」

クロード「見出し?」

 ヒビキ「記事のタイトルことだよ。『夕刊フジ』を発行している産業経済新聞社は、この新聞のことをビジネスマンに強い新聞だと言っていて、見出しを見ただけで強い関心を示してもらえるような工夫をしているんだって」

クロード「ふーむ、例えばどんな感じなのです?」

 ヒビキ「堅物勇者に二股疑惑!? 相手は美少女と美少年!? ――とか?」

クロード「それは私のこ――とじゃないですからね! 何ですかその見出しは!」

 ヒビキ「ものすごーく興味が湧いたでしょ?」

クロード「怒りが湧きましたよ!」

 ヒビキ「見出しひとつでそういう感情が生まれることが大事なんだよ。駅のホームで待っている間にパッと買ってもらわないといけないんだから」

クロード「ぐぬぬ、確かに見出しひとつとっても普通の新聞とは違うようですね」

 ヒビキ「普通の新聞はゆっくり見れるから、理解しやすい見出しが多いからね」

クロード「ちょっと夕刊紙を読んでみたくなりました。駅に行ってみましょうか」

 ヒビキ「最近はコンビニでも買えるよ」

クロード「では、そちらへ行ってみましょう。どんな新聞があるか楽しみです」

 ヒビキ「……まだ朝だから朝刊しか並んでないけどね」





★★★★★
その他の記念日『新神学者シメオンの日』
※中世の正教会の神学者、成人『シメオン』の記憶日。

クロード「正教会って何でしたっけ?」
 ヒビキ「キリスト教の教派のひとつだね。東方教会に属しているよ」
クロード「説明が説明になっていない件について。東方教会って何でしたっけ?」
 ヒビキ「キリスト教は大きく分けて西方と東方に分かれているんだ。どっちが正しいなんてことはないけど、どちらかというと主流は西方だね。バチカンの元首ローマ教皇が属しているのも西方教会のカトリック教会だし。他にも教派はたくさんあって、聖公会、プロテスタント、アナバプテスト、非カルケドン派とアッシリア東方教会を含む東方諸教会、過去に遡っていけばさらに――」
クロード「こ、これ以上宗教に関わるのはやめておきましょうか……」
 ヒビキ「主神様や姉さんとがっつり関わってるのに、今さらじゃない?」
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