ヒビキとクロードの365日

あてきち

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2月

2月16日『天気図記念日』

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 テレビ『明日の気象情報をお知らせします』

クロード「……ふむぅ」

 ヒビキ「どうしたの、クロード? テレビを見ながら首を傾げて」

クロード「いえ、いつも思っていたのですが、テレビの天気予報はなぜあんなに見づらいのだろうかと」

 ヒビキ「見づらい?」

クロード「天気を知らせるのに、なぜあんなに画面上に線を引いてあるのですか? あれでは地図の邪魔になって見えにくいと思うのですが……」

 ヒビキ「線って……『等圧線』のこと?」

クロード「とうあつせん?」

 ヒビキ「つまり、クロードは根本的に『天気図』というものを知らなかったんだね。いや、異世界人のクロードが知ってるわけないか」

クロード「ヒビキ様、名前から何となく意味は伝わりますが、その『天気図』とはどういったものなのでしょう?」

 ヒビキ「今日2月16日は『天気図記念日』だからね、教えて進ぜよう」

クロード「なんて上から目線。そしてなんて都合のいい記念日」

 ヒビキ「そういうツッコミは受け付けません。『天気図』というのは、気象現象を把握するために、地図上に天気や気圧、気温や湿度などの数値や等値線、記号を記入した図のことだよ。要するに、今俺達が見ているテレビ画面がそうです」

クロード「あの線には意味があったのですね」

 ヒビキ「あれは『等圧線』といって、同じ気圧の地点を結んで描かれた線なんだ。各地にあるそれぞれの観測地点の気圧データをもとに作成されているんだよ」

クロード「そもそも『気圧』というものがよく分からないのですが……」

 ヒビキ「気体の圧力という意味なんだけど、細かい説明は文字数を超圧迫するので自分で調べてね。気圧は天候に大きな影響を与える目安のひとつとだけ覚えておけば今は十分かな」

クロード「だから天気図には等圧線が記されているのですね」

 ヒビキ「天気予報でも気圧は結構話題に上がるから、知っておいて損はないと思うよ。明日は晴れです、雨です、と聞くだけでもいいかもしれないけど、なぜそうなるのかを知っておけると天気予報に対する理解も深まるしね」

クロード「それで、今日はその天気にまつわる記念日というわけですか」

 ヒビキ「『天気図記念日』だよ。1883年2月16日、日本で初めて天気図が作成されたことに由来する記念日だね。といっても、誰が定めたものかは今となっては不明らしいけど」

クロード「ヒビキ様の国には確か天気を司る役所があったのでは?」

 ヒビキ「気象庁のこと? どうやら違うらしいよ。1883年にはなかっただろうし、どちらかというと正式に印刷・発行された同年3月1日の方が記念日っぽいしね」

クロード「言われてみるとそうですよね。記念日にするなら世間一般に公開された日を選んだ方が妥当です。ヒビキ様の国の記念日って、時々ニッチな選び方をされる記念日がありますよね」

 ヒビキ「別に日本だけじゃないと思うんだけどなぁ……ともかく、天気図の説明はざっとこんなものかな」

クロード「恐れ入ります。これで安心して天気予報を見ることができますよ」

 ヒビキ「それはよかった。まあ、基本異世界にいる俺達に日本の天気予報を見る意味なんてないとは思うけど」

クロード「……と、時々行くんだからいいんです!」





★★★★★
その他の記念日『寒天の日』
※日本一の寒天の産地、長野県の茅野商工会議所と、長野県寒天水産加工業協同組合が制定。
※2005年2月16日。
※NHKテレビ『ためしてガッテン』にて寒天が取り上げられたことに由来。

クロード「テ、テレビで取り上げられた日を記念日って……ないですか、そんなに記念日の由来となる理由がないですか、寒天!?」
 ヒビキ「日本では江戸時代にはある食べ物なんだけどねぇ」

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