ヒビキとクロードの365日

あてきち

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2月

2月13日『NISAの日』

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 ヒビキ「うーん、どうしようかなぁ?」

クロード「何かお悩みですか、ヒビキ様?」

 ヒビキ「あ、クロード。もう風邪は治ったの?」

クロード「ええ、一晩眠ったら全快しておりました。獣人はタフですから」

 ヒビキ「タフなら風邪自体ひかないはずだけどねぇ」

クロード「それを言われると返答のしようもないのですが……ともかく、何を唸っておいでなのですか?」

 ヒビキ「冒険者の資金が結構たまったからね、このまま懐に溜め込んでいるだけじゃもったいないでしょ? だから、どうしようかなって思ってさ」

クロード「つまり、何かにお金を使いたいと?」

 ヒビキ「今日2月13日は『NISAの日』だから、そっちに投資してもいいかなと思ってるんだけど……」

クロード「『にいさの日』? ……『兄さんの日』の聞き間違いでしょうか?」

 ヒビキ「『NISA(ニーサ)の日』。『小額投資非課税制度』のことだよ」

クロード「しょうが……え?」

 ヒビキ「異世界人に漢字の羅列はやはり厳しいか。小額投資非課税制度、別名日本版ISA(Individual Saving Account)とも呼ばれている非課税口座制度だね。ちなみに『NISA』の『N』は『Nippon(日本)』の『N』だよ」

クロード「……ソウナノデスカ」

 ヒビキ「うんうん、これだけじゃ理解できないよね。日本人だって正しく理解できている人間がどれだけいることか」

クロード「申し訳ありません。できればもう少し詳しく説明していただけると助かります。非課税ということは、税金が掛からないということですよね?」

 ヒビキ「『小額投資非課税制度』の言葉をそのまま言っちゃえば、『小額投資に税金を課さない制度』ということになるね。一般的に、株式や投資信託の投資金における売却益と配当には税金がかかるんだよ」

クロード「利益分から税金が徴収されるのですか?」

 ヒビキ「うん。『小額投資非課税制度』NISAは、特定の口座を開設することで年間120万円までは税率をゼロにする制度なんだ」

クロード「120万円までの利益額が非課税なのですか?」

 ヒビキ「120万円までの投資額が非課税だよ」

クロード「非課税で投資できるのは120万円までということですか。大金ではありますが、投資の視点から見ると、大した金額ではなさそうですね」

 ヒビキ「だから『小額投資非課税制度』っていうんだ。個人向けの制度だし」

クロード「とはいえ、小額でも非課税は魅力的ですね。120万円くらいなら投資に回しても問題ないと思いますよ? されてはいかがです?」

 ヒビキ「まあ、俺は未成年だから80万円までの『ジュニアNISA』だけどね」

クロード「でしたらなおのこと投資されては? 私は全然構いませんよ」

 ヒビキ「あ、うん。問題はそこじゃなくてね……」

クロード「何か問題が?」

 ヒビキ「異世界の金貨を地球でどうやって換金すればいいかなって」

クロード「……往復可能な異世界ファンタジー定番の悩みに直面していたのですね」

 ヒビキ「悩みつつもちょっと楽しい今日この頃だったりなかったり?」

クロード「もう好きなだけ悩んでいてください……心配して損しました」

 ヒビキ「損をしても自己責任。それが投資です」

クロード「そんなところを投資に絡めなくてもいいですよ」




★★★★★
その他の記念日『名字の日』
※1875年2月13日。
※明治政府が平民苗字必称義務令という太政官布告を出した。
※これにより、全ての国民に『姓』を名乗ることが義務付けられた。

 ヒビキ「そういえば、こっちの世界は平民も普通に家名があるよね」
クロード「ある平民もいればない平民もいます。ないのは主に孤児でしょうか」
 ヒビキ「異世界の名字の歴史とかもいつか調べてみたいもんだね」
クロード「さて、作者の脳内設定ではどうなっているこ◎※★▽◇ΣΩΦ%&@」
 ヒビキ「クロードがバグった!?」
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