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2月
2月10日『ニットの日』
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ヒビキ「今日2月10日は『ニットの日』でーす!」
クロード「ニットって何でしたっけ?」
ヒビキ「英語だと『knit』。要するに『編み物』のことだね」
クロード「そういえば冬は『ニット帽』なんてものも服屋で見かけますね。素材は何でもいいのでしょうか?」
ヒビキ「一般的にはニット帽も含めて毛糸で編むものを『ニット』と呼ぶね。竹や蔓、籐や藁で作った工芸品や、漁を行うための網を編む行為も編み物の範囲に入るけど、英語では糸を編む行為とは区別して『weave』とか『plait』などに訳されるから、今回の記念日とは違う括りになるかな」
クロード「今回は、先程のニット帽や手編みのセーターなどを指すわけですね」
ヒビキ「そゆこと。何せ制定したのが『横浜手作りニット友の会』だからね」
クロード「横浜手作りって……また随分とマイナーそうな」
ヒビキ「そうでもないよ? 1988年に友の会が最初にこの記念日を制定したわけだけど、1994年には全国的な記念日として『日本ニット工業組合連合会』が制定したんだ。もちろん制定の由来は『ニット』=『ニッ(2)ト(10)』の語呂合わせだよ」
クロード「二日続けて服飾系の記念日かと思ったら、語呂合わせまで続けてとは」
ヒビキ「今日の記念日は語呂合わせが多いんだよね。『ふとんの日』『ニートの日』『蕗の薹の日』『太物の日』に……」
クロード「……いくつあるんですか」
ヒビキ「まだまだあるけど?」
クロード「いえ、もう結構です。『ニットの日』について話を戻しましょう」
ヒビキ「といっても、記念日の紹介としてはあれで終わりなんだけど」
クロード「『ニット』とは言いませんが、編み物はこちらの世界でもよく見かけますよ。冬場はやはり毛糸で編んだ衣服が重宝されますから」
ヒビキ「エアコンもない世界だもの、防寒着として優秀だもんね、ニット生地」
クロード「ですが、編み物を使うにはちょうどよい季節でしょうが、編み物をするには少々遅いようにも感じます。今から編み始めるようでは凍死してしまいますよ」
ヒビキ「その辺は記念日制定にあたって多少文句があったとかなかったとか」
クロード「そうなのですか?」
ヒビキ「語呂合わせに頼らずに、編み始める10月頃にした方がよかったのではという声もあったらしいね。2月14日も近いから、バレンタインのプレゼントに手編みのセーターを連想することもできるけど、今からじゃ間に合わない」
クロード「記念日を思い出した頃には手遅れということですか。そういう意味では確かに10月頃に記念日を思い出してもらって、ニットに手を付けるというやり方の方が合理的のような気がします」
ヒビキ「といっても、10月に記念日を示唆されてバレンタインプレゼントについて計画的に考えられる人間が、果たして何人いることやら」
クロード「始めるにしても継続するにしても、編み物はハードルが高いですしね」
ヒビキ「だけどそこは俺! ちゃんと昨年から頑張ってました!」
クロード「ヒビキ様、まさか」
ヒビキ「じゃじゃーん! クロードに手編みのセーターをプレゼントでーす!」
クロード「わあっ、ありがとうございます、ヒビキ様! 着ませんけど」
ヒビキ「……ちょっと?」
クロード「ヒビキ様のお気持ち、大変嬉しく感激しました! 着ませんけど」
ヒビキ「何でさ!? 喜んでくれたなら着てよ!」
クロード「……冬でも獣人にセーターは暑いんですよ」
ヒビキ「え? そうなの?」
クロード「よく考えてみてください。普通の狼ですら全裸で雪山を駆け回っているのですよ? それよりも体格に優れた私が、この程度の寒さにセーターを必要とするわけがないではありませんか」
ヒビキ「うー、せっかく作ったのに……そういえば、バルス兄貴とクロードの体格は似ていたような」
クロード「これは私のセーターです! 誰にもあげませんからね! 着ませんけど」
ヒビキ「……喜んで受け取ってもらえたのに、これ程あげ甲斐のないプレゼントは初めてだよ」
★★★★★
その他の記念日『フルートの日』
※『フルート』=『フ(2)ルート(10)』の語呂合わせ。
※日本フルート普及推進協議会が2019年に制定。
クロード「うわぁ、まだ語呂合わせの記念日があったんですね」
ヒビキ「あとは『封筒の日』とか?」
クロード「どんだけ乱立してるんですか、2月10日の記念日」
ヒビキ「覚えられるけど覚えられないというか……」
クロード「記念日の制定理由にはやはり確たるものが必要ですね」
クロード「ニットって何でしたっけ?」
ヒビキ「英語だと『knit』。要するに『編み物』のことだね」
クロード「そういえば冬は『ニット帽』なんてものも服屋で見かけますね。素材は何でもいいのでしょうか?」
ヒビキ「一般的にはニット帽も含めて毛糸で編むものを『ニット』と呼ぶね。竹や蔓、籐や藁で作った工芸品や、漁を行うための網を編む行為も編み物の範囲に入るけど、英語では糸を編む行為とは区別して『weave』とか『plait』などに訳されるから、今回の記念日とは違う括りになるかな」
クロード「今回は、先程のニット帽や手編みのセーターなどを指すわけですね」
ヒビキ「そゆこと。何せ制定したのが『横浜手作りニット友の会』だからね」
クロード「横浜手作りって……また随分とマイナーそうな」
ヒビキ「そうでもないよ? 1988年に友の会が最初にこの記念日を制定したわけだけど、1994年には全国的な記念日として『日本ニット工業組合連合会』が制定したんだ。もちろん制定の由来は『ニット』=『ニッ(2)ト(10)』の語呂合わせだよ」
クロード「二日続けて服飾系の記念日かと思ったら、語呂合わせまで続けてとは」
ヒビキ「今日の記念日は語呂合わせが多いんだよね。『ふとんの日』『ニートの日』『蕗の薹の日』『太物の日』に……」
クロード「……いくつあるんですか」
ヒビキ「まだまだあるけど?」
クロード「いえ、もう結構です。『ニットの日』について話を戻しましょう」
ヒビキ「といっても、記念日の紹介としてはあれで終わりなんだけど」
クロード「『ニット』とは言いませんが、編み物はこちらの世界でもよく見かけますよ。冬場はやはり毛糸で編んだ衣服が重宝されますから」
ヒビキ「エアコンもない世界だもの、防寒着として優秀だもんね、ニット生地」
クロード「ですが、編み物を使うにはちょうどよい季節でしょうが、編み物をするには少々遅いようにも感じます。今から編み始めるようでは凍死してしまいますよ」
ヒビキ「その辺は記念日制定にあたって多少文句があったとかなかったとか」
クロード「そうなのですか?」
ヒビキ「語呂合わせに頼らずに、編み始める10月頃にした方がよかったのではという声もあったらしいね。2月14日も近いから、バレンタインのプレゼントに手編みのセーターを連想することもできるけど、今からじゃ間に合わない」
クロード「記念日を思い出した頃には手遅れということですか。そういう意味では確かに10月頃に記念日を思い出してもらって、ニットに手を付けるというやり方の方が合理的のような気がします」
ヒビキ「といっても、10月に記念日を示唆されてバレンタインプレゼントについて計画的に考えられる人間が、果たして何人いることやら」
クロード「始めるにしても継続するにしても、編み物はハードルが高いですしね」
ヒビキ「だけどそこは俺! ちゃんと昨年から頑張ってました!」
クロード「ヒビキ様、まさか」
ヒビキ「じゃじゃーん! クロードに手編みのセーターをプレゼントでーす!」
クロード「わあっ、ありがとうございます、ヒビキ様! 着ませんけど」
ヒビキ「……ちょっと?」
クロード「ヒビキ様のお気持ち、大変嬉しく感激しました! 着ませんけど」
ヒビキ「何でさ!? 喜んでくれたなら着てよ!」
クロード「……冬でも獣人にセーターは暑いんですよ」
ヒビキ「え? そうなの?」
クロード「よく考えてみてください。普通の狼ですら全裸で雪山を駆け回っているのですよ? それよりも体格に優れた私が、この程度の寒さにセーターを必要とするわけがないではありませんか」
ヒビキ「うー、せっかく作ったのに……そういえば、バルス兄貴とクロードの体格は似ていたような」
クロード「これは私のセーターです! 誰にもあげませんからね! 着ませんけど」
ヒビキ「……喜んで受け取ってもらえたのに、これ程あげ甲斐のないプレゼントは初めてだよ」
★★★★★
その他の記念日『フルートの日』
※『フルート』=『フ(2)ルート(10)』の語呂合わせ。
※日本フルート普及推進協議会が2019年に制定。
クロード「うわぁ、まだ語呂合わせの記念日があったんですね」
ヒビキ「あとは『封筒の日』とか?」
クロード「どんだけ乱立してるんですか、2月10日の記念日」
ヒビキ「覚えられるけど覚えられないというか……」
クロード「記念日の制定理由にはやはり確たるものが必要ですね」
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