ヒビキとクロードの365日

あてきち

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1月

1月24日『全国学校給食週間(~30日)』

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 ヒビキ「あああああああああああああ! やってしまたあああああああああ!」

クロード「どうしたのですか、ヒビキ様!?」

 ヒビキ「まさかこんなことになるなんてえええ……」

クロード「突然キッチンで項垂れて、一体何があったのですか?」

 ヒビキ「…………今日、1月24日は……」

クロード「今日が何か……?」

 ヒビキ「うううう、今日1月24日は『全国学校給食週間』の始まりだったんだ!」

クロード「……はぁ、そうなのですか」

 ヒビキ「何その淡泊な反応!?」

クロード「いつもの記念日の紹介ですよね? むしろそれが本当にどうしたというのですか? 床に手足をついて叫ぶようなことでもないでしょうに」

 ヒビキ「クロード、分からないの?」

クロード「何がです?」

 ヒビキ「なんて察しの悪い。今日から1月30日までの一週間は、1946年12月24日に東京都・神奈川県・千葉県で学校給食が再開されたことを記念して制定された『全国学校給食週間』なんだよ。つまり……キッチンを元に戻す必要なんてなかったってことさ! あー、もう! 俺のバカバカバカ!」

クロード「はぁ……」

 ヒビキ「結局反応が淡泊なんだけど!?」

クロード「ところで、今日は1月24日ですよ? 先程の説明では、学校給食が再開されたのは12月24日だとか。一ヶ月ずれているではありませんか」

 ヒビキ「ああ、それは12月24日が冬休みだからだよ。そんな日を学校関連の記念日にしても意味ないでしょ。だから一ヶ月ずらして1月24日からになったんだ」

クロード「うーむ、柔軟といえばよいのか、適当といえばよいのか」

 ヒビキ「くー、事前調査をミスったぁ。文部科学省のサイトでもしっかり宣伝しているちゃんとした記念日だったのに」

クロード「公的な記念日なのですか?」

 ヒビキ「別に休みになるわけじゃないけどね。この期間中に、学校給食の意義や役割について児童生徒や教職員、保護者に地域住民にいたるまで理解と関心を深めてもらうための活動をするらしいよ」

クロード「というか、給食とはそんなに重要なのですかね?」

 ヒビキ「給食は児童生徒の栄養管理をしっかり考慮して作られているんだ。子供の成長には栄養バランスのとれた食事は不可欠。家庭によっては食事管理がいい加減なところもある以上、学校給食の存在意義は大きいと思うよ」

クロード「ふーむ、私の世界には存在しない考え方なのでなかなか理解が難しいですね。それで、期間中の活動とはどのようなことをするのですか?」

 ヒビキ「学校給食に関する展示をしたり、ホームページやSNSでの広報活動、その他にも発表会や食育授業体験会なんかもするそうだよ。文部科学省以外でも、SNSで『全国学校給食週間』で検索すれば結構活動している組織が出てくるよ。気になる人はちょっと試してみてもいいんじゃないかな」

クロード「ほぉ、それは気になります。どれ、ピポパ……おお、本当に色々出てきますね。みんな子供の栄養管理に気を遣っているのですね。よいことです」

 ヒビキ「ううう、だから俺もそれに見習って学校給食を作ってあげたかったのに」

クロード「おっと、話がループしそうです。今日はここまでにしておきましょう」

 ヒビキ「その締め方は酷過ぎない!?」

クロード「みなさん、さようなら~」

 ヒビキ「うわーん! 給食を作りたかった―!」

クロード「食べ切れもしないのによく言うものです……」




★★★★★
その他の記念日『法律扶助の日』
※1952年1月24日。
※法律扶助制度を行っている『法律扶助協会』が設立されたことに由来。
※1993年に制定。

 ヒビキ「ところでクロード、『みなさん』って誰のこと?」
クロード「え、今さら聞きます? その他の記念日の話をしてくださいよ」
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