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1月
1月22日『カレーの日』
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ヒビキ「お昼ごはんだよー」
クロード「おお、もうそんな時間ですか。今日のメニューは何でしょう?」
ヒビキ「カレーライスだよ」
クロード「それは楽しみですね。そういえば、書籍第2巻でヒビキ様が作ってくれたことがありましたっけ。懐かしい思い出です」
ヒビキ「確かあの時、クロードはまだ野菜を切るのに苦労する程度の料理下手で済んでいたんだっけ。懐かしい思い出だね」
クロード「そんな遠い目をするのはやめてください。今の私の料理レベル設定はこの作品の中だけですから大丈夫です……大丈夫ですよね?」
ヒビキ「た、多分……そんなことより食べようよ。今日のカレーは一味違うよ!」
クロード「そうなのですか? それは楽しみです。して、何が違うのでしょう?」
ヒビキ「なんと今日は『給食風カレー』なのです! なんたって今日1月22日は『カレーの日』だからね!」
クロード「給食風?」
ヒビキ「全国学校栄養士協議会が学校給食開始35周年を記念して1982年1月22日、全国の小中学校で統一献立として一斉にカレー給食を出した。それを記念して全日本カレー工業協同組合が、2016年11月に『カレーの日』を制定したんだよ」
クロード「そういえば、カレーはヒビキ様の国では国民食などと呼ばれていましたね。しかし、わざわざ給食風と呼ぶからには、いつものカレーと何か違うのですか?」
ヒビキ「食べてみれば分かるよ」
クロード「はぁ、ではいただきます。パクリ、もぐもぐ……」
ヒビキ「どう?」
クロード「えぇ、とても美味しいです。確かに普段のカレーとは何か違うような気がしますが、具体的に何が違うのでしょう、パクリ、もぐもぐ、パクリ、もぐもぐ」
ヒビキ「首を傾げながらも食べるのをやめないんだ」
クロード「はい、不思議とスプーンが止まらない美味しさです。なんというか、全体的にコクがあるというか、まろやかで食べやすいというか、もぐもぐ」
ヒビキ「まあ、その感想であながち間違ってないと思うよ。俺もいただきまーす。パクリ、もぐもぐ……うーん、美味しい♪」
クロード「ヒビキ様、この美味しさの秘訣は一体……給食とは普通の店よりも低予算で作られているのでしょう? この味の違いは何なのですか?」
ヒビキ「まあ、この秘訣は普通の飲食店では難しいだろうね。キッチンに来てみれば分かるよ。見てみる?」
クロード「ぜひ!」
ヒビキ「というわけで、これが給食カレーの美味しさの秘訣だよ」
クロード「……こ、こんなことが。いつの間にかキッチンが大改造されている。そして私に目の前に、五右衛門風呂みたいに巨大な釜が……中はカレーで一杯ですね」
ヒビキ「なんで五右衛門風呂を知っているかはさておいて、これが給食カレーの美味しさの秘密『大量調理』さ」
クロード「大量に調理すると美味しくなるのですか?」
ヒビキ「煮込み系料理に関してはね。大量にまとめて煮込むことで材料にゆっくりと長い時間をかけて、均一に熱が伝わるようになるんだ。それに量が多いと火をとめても予熱で穏やかに加熱し続けることができる。これのおかげで肉や野菜の旨味成分が均一に溶けだし、クロードが先程感じたコクやまろやかさが出るってわけ」
クロード「大量調理にそのような効果があるとは」
ヒビキ「これだけの量となると本場のカレー店でも難しいだろうね」
クロード「意外と貴重なんですね、給食カレーって」
ヒビキ「その通り。だから大人は給食カレーを懐かむんだよ、もう食べられない味だから。クロードも懐かしかったでしょ」
クロード「いえ、まったく。何せ私はこれが初ですから」
ヒビキ「あ、そうだった。大人だけどクロードは異世界人だった」
クロード「ところでヒビキ様、この大量のカレーはどうするのですか? どんなに頑張っても私達だけでは食べ切れませんよ?」
ヒビキ「だよね。しょうがない、皆に声をかけて食べてもらうか」
クロード「それでも人数的に足りない気がします。何せ学校給食並みの量ですから」
ヒビキ「……ヴェネくんに期待ってことで」
クロード「いやー、流石に無理でしょう……無理ですよね?」
★★★★★
その他の記念日『飛行船の日』
※1916年1月22日。
※当時の陸軍による初の国産飛行船『雄飛号』が実験飛行を行ったことに由来。
ヴェネ「ひっひっふー、ひっひっふー」
クロード「……まさか本当に食べ切るとは」
ヒビキ「八割はヴェネくんのお腹に入っちゃったね」
ヴェネ「ヴェネに、不可能は、ないの、にゃっ。ひっひっふー、ひっひっふー」
クロード「あれだけ食べて腹がポッコリ膨れるでけなのはなぜでしょうか……?」
クロード「おお、もうそんな時間ですか。今日のメニューは何でしょう?」
ヒビキ「カレーライスだよ」
クロード「それは楽しみですね。そういえば、書籍第2巻でヒビキ様が作ってくれたことがありましたっけ。懐かしい思い出です」
ヒビキ「確かあの時、クロードはまだ野菜を切るのに苦労する程度の料理下手で済んでいたんだっけ。懐かしい思い出だね」
クロード「そんな遠い目をするのはやめてください。今の私の料理レベル設定はこの作品の中だけですから大丈夫です……大丈夫ですよね?」
ヒビキ「た、多分……そんなことより食べようよ。今日のカレーは一味違うよ!」
クロード「そうなのですか? それは楽しみです。して、何が違うのでしょう?」
ヒビキ「なんと今日は『給食風カレー』なのです! なんたって今日1月22日は『カレーの日』だからね!」
クロード「給食風?」
ヒビキ「全国学校栄養士協議会が学校給食開始35周年を記念して1982年1月22日、全国の小中学校で統一献立として一斉にカレー給食を出した。それを記念して全日本カレー工業協同組合が、2016年11月に『カレーの日』を制定したんだよ」
クロード「そういえば、カレーはヒビキ様の国では国民食などと呼ばれていましたね。しかし、わざわざ給食風と呼ぶからには、いつものカレーと何か違うのですか?」
ヒビキ「食べてみれば分かるよ」
クロード「はぁ、ではいただきます。パクリ、もぐもぐ……」
ヒビキ「どう?」
クロード「えぇ、とても美味しいです。確かに普段のカレーとは何か違うような気がしますが、具体的に何が違うのでしょう、パクリ、もぐもぐ、パクリ、もぐもぐ」
ヒビキ「首を傾げながらも食べるのをやめないんだ」
クロード「はい、不思議とスプーンが止まらない美味しさです。なんというか、全体的にコクがあるというか、まろやかで食べやすいというか、もぐもぐ」
ヒビキ「まあ、その感想であながち間違ってないと思うよ。俺もいただきまーす。パクリ、もぐもぐ……うーん、美味しい♪」
クロード「ヒビキ様、この美味しさの秘訣は一体……給食とは普通の店よりも低予算で作られているのでしょう? この味の違いは何なのですか?」
ヒビキ「まあ、この秘訣は普通の飲食店では難しいだろうね。キッチンに来てみれば分かるよ。見てみる?」
クロード「ぜひ!」
ヒビキ「というわけで、これが給食カレーの美味しさの秘訣だよ」
クロード「……こ、こんなことが。いつの間にかキッチンが大改造されている。そして私に目の前に、五右衛門風呂みたいに巨大な釜が……中はカレーで一杯ですね」
ヒビキ「なんで五右衛門風呂を知っているかはさておいて、これが給食カレーの美味しさの秘密『大量調理』さ」
クロード「大量に調理すると美味しくなるのですか?」
ヒビキ「煮込み系料理に関してはね。大量にまとめて煮込むことで材料にゆっくりと長い時間をかけて、均一に熱が伝わるようになるんだ。それに量が多いと火をとめても予熱で穏やかに加熱し続けることができる。これのおかげで肉や野菜の旨味成分が均一に溶けだし、クロードが先程感じたコクやまろやかさが出るってわけ」
クロード「大量調理にそのような効果があるとは」
ヒビキ「これだけの量となると本場のカレー店でも難しいだろうね」
クロード「意外と貴重なんですね、給食カレーって」
ヒビキ「その通り。だから大人は給食カレーを懐かむんだよ、もう食べられない味だから。クロードも懐かしかったでしょ」
クロード「いえ、まったく。何せ私はこれが初ですから」
ヒビキ「あ、そうだった。大人だけどクロードは異世界人だった」
クロード「ところでヒビキ様、この大量のカレーはどうするのですか? どんなに頑張っても私達だけでは食べ切れませんよ?」
ヒビキ「だよね。しょうがない、皆に声をかけて食べてもらうか」
クロード「それでも人数的に足りない気がします。何せ学校給食並みの量ですから」
ヒビキ「……ヴェネくんに期待ってことで」
クロード「いやー、流石に無理でしょう……無理ですよね?」
★★★★★
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※1916年1月22日。
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ヴェネ「ひっひっふー、ひっひっふー」
クロード「……まさか本当に食べ切るとは」
ヒビキ「八割はヴェネくんのお腹に入っちゃったね」
ヴェネ「ヴェネに、不可能は、ないの、にゃっ。ひっひっふー、ひっひっふー」
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