ヒビキとクロードの365日

あてきち

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1月

1月20日『二十四節気その20 第二十四【大寒】』

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クロード「ふむ、なんと、小麦が……」

 ヒビキ「そんな真剣にテレビにかじりついてどうしたの、クロード?」

クロード「あ、ヒビキ様。いえ、ちょっと気になるニュースをやっていたので思わず。何か御用ですか?」

 ヒビキ「大した事じゃないんだけど、今日の記念日の解説でもしようかなって」

クロード「うわぁ、本当に大した用事じゃないですね」

 ヒビキ「いやいや、記念日はこの作品の大事なコンセプトでしょ? そこはもっと気にしてほしいところなんだけど」

クロード「それで、今日の記念日は何なのですか?」

 ヒビキ「むう、対応が淡泊だなぁ。今日1月20日は二十四節気の『大寒』だよ」

クロード「だいかん? 名前の響きからして寒そうですね」

 ヒビキ「まあ、名前のまんまだからね。寒さが最も厳しくなる季節のことだよ。『暦便覧』では『冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也』と説明されているね」

クロード「寒さが最も厳しい季節ですか……」

 ヒビキ「前の『小寒』の時にも説明したけど、今の時期は『寒』といって今はその中間。『小寒』からどんどん寒さが増していった頂点が今ってことだね。まあ、実際には1月26日から2月4日あたりが最も寒いらしいけど」

クロード「それくらいなら誤差の範囲ではありますが……」

 ヒビキ「どうしたの? さっきから微妙に歯切れが悪いけど」

クロード「ああ、その……ヒビキ様、今日、寒いですか?」

 ヒビキ「……まあ、ほどほどに?」

クロード「ええ、ほどほどには寒いでしょうけど、正直なところ今日が最も寒い日だと言われても、あまり実感がないんですよね」

 ヒビキ「今年(2020年)は暖冬みたいだから、それはもうしょうがないよ」

クロード「ヒビキ様の国では、今年はあまり雪が降っていないとか」

 ヒビキ「毎年恒例、北海道の札幌雪祭りの雪も、今年はよそから集めているくらいだからね。雪が降らないのは楽だけど、結構大変なんじゃないかな」

クロード「はい。今もニュースで小麦の栽培に問題が出ていると言っていました」

 ヒビキ「ああ、そのニュースを見てたの。確か、毎年雪の下で越冬するはずなのに雪がないせいで、地表に出たままの小麦が凍害に遭っているんだっけ」

クロード「農家も大被害ですし、小麦の価格が高騰するかもしれませんね」

 ヒビキ「世の中小麦を使った食品は多いだけに、ちょっと心配になっちゃうよ」

クロード「そう考えると、やはり季節というのは暦通りに進んでもらった方が何かと都合がよいのでしょうね。これからヒビキ様の世界はどうなっていくのでしょうか」

 ヒビキ「そ、そんな風に心配されるとこっちも不安になるんだけど……」

クロード「むしろ不安になった方がよいのではないですか?」

 ヒビキ「はぁ、世界にも回復魔法とか効いたらいいのに」

クロード「そんな夢みたいなこと言ってないで、地道に環境改善に努めてください」

 ヒビキ「夢の世界の住人みたいな存在に現実を諭されるとか、心が冷えるよ」

クロード「今日は『大寒』ですからね。一年で最も冷たくなる日ですから」

 ヒビキ「無理にそこに繋げなくてもいいのにぃ……」





★★★★★
その他の記念日『二十日正月』
※1月20日のこと。
※この日を正月の終わりとする節目の日。
※かつては正月の祝い納めとして仕事を休む物忌みの日だった。

クロード「正月はもう終わったと思っていたのに、まさかまだ続いていたとは」
 ヒビキ「意外と長かったんだね、お正月……」
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