ヒビキとクロードの365日

あてきち

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1月

1月15日『小正月』

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 ヒビキ「今日1月15日は『小正月こしょうがつ』だよ!」

クロード「おや、今日は前振りはなしですか?」

 ヒビキ「毎回前振りを考えるのってメンドーなんだよね」

クロード「そういう身も蓋もない発言はしないように。というか、一月ももう半分に差し掛かったというのに、まだ『正月』を引きずるんですね」

 ヒビキ「1月1日、もしくは1日から7日までの期間を『大正月おおしょうがつ』というのに対し、1月15日、もしくは14日から16日までの期間を『小正月』と呼ぶんだ。まあ、期間については地域によってマチマチだったりするけど」

クロード「大だの小だのと、何が違うのでしょう?」

 ヒビキ「感覚的には『元旦』を正式な正月とする意識に基づいた呼称みたいだね。『小正月』は別名『裏正月』とか『二番正月』とも呼ばれるらしいし」

クロード「というか、『小正月』とは何のためにあるのです?」 

 ヒビキ「由来は中国式の太陽太陰暦導入以前、望の日(満月の日)を月初とした考え方の名残りだといわれているよ。最近はそうでもないけど、昔は1月15日って結構重要な日だったみたいだね」

クロード「何かありましたっけ?」

 ヒビキ「例えば『成人の日』。今は『ハッピーマンデー制度』によって1月の第二月曜日とされているけど、昔は1月15日だった。これはかつての『元服の儀』を小正月に行っていたことが由来なんだって。他にも『粥占』という、お粥を使って一年の占いをしたり、農業の豊作祈願をしたり、儀式的な風習をしていたらしいよ」

クロード「本当に正月休みも終わって、本格的に日常を始めるための準備といったところでしょうか」

 ヒビキ「1月15日はちょうど『松の内』の終わりでもあるし、年神や祖霊を迎える行事が多いのが『大正月』、家庭的な行事が中心になるのが『小正月』って感じ?」

クロード「松の内、ですか?」

 ヒビキ「お正月の風物詩『門松』を飾る期間を『松の内』というんだ。といっても、関東地方では大正月の終わり、1月7日くらいで片付けるらしいけど」

クロード「関東だけ7日なのですか? なんでまた」

 ヒビキ「江戸時代に徳川幕府の命で松の内は大正月までとされたんだけど、関東地方以外にはあまり広まらなかったみたい。今となってはどちらでも問題ないけどね」

クロード「ヒビキ様の国はそれほど広いとも思えないのですが、意外と風習に地域差があるものですね。とはいえ、門松も今日までとなると本当に正月は終わったということなのでしょうね。今から一年が始まるとはいえ、少々寂しくもあります」

 ヒビキ「ふふ、気持ちは分かるよ。でも、そう、2020年はまだ始まったばかりだからね、寂しがってなんていられないよ。そろそろ俺達の時間も動いてもらわないと」

クロード「そうですね。いい加減私達も動きませんと……本編とか」

 ヒビキ「そう、本編とか……いやホント、いつ動くの?」


※未定です。頑張ります。


 ヒビキ「もう、そればっかり! 本気で頑張ってよね!」

クロード「……私達の前途は多難ですねぇ」


※ホントごめんなさい。頑張ります!





★★★★★
その他の記念日『左義長(どんど焼)』
※『小正月』に行われる火祭り。
※その年の門松や注連飾り、書初めなどを持ち寄って焼く。
※その灰を持ち帰り自宅の周囲にまくとその年の厄を除くといわれている。

クロード「これが『小正月』で行われる儀式のひとつですか」
 ヒビキ「ちなみに、作者在住福井県にある勝山市の『左義長』は毎年2月の最終土・日に行われていて、それがもう300年も続いているんだって」
クロード「300年とは凄いですね……えっと、観光の宣伝的な?」
 ヒビキ「県外の人もぜひ一度見に行こうね♪ 俺との約束だよ!」
クロード「約束はともかく、一回くらいは訪れてみてはいかがでしょう?」
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