ヒビキとクロードの365日

あてきち

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12月

12月31日『大晦日』

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 ヒビキ「できたよー!」

クロード「おお、美味しそうですね。これが『年越しそば』ですか」

 ヒビキ「奮発してえび天とかき揚げものってるよ。なんたって今日12月31日は『大晦日』だからね! あ、大根おろしいる?」

クロード「はい、いただきます。それにしても、この作品も今年の4月に始まったかと思っていたら、あっという間に年越しを迎えることになるとは。時間の流れとは早いものですね。ずずずず、うむ、美味し!」

 ヒビキ「ずずずずずー、うん、我ながらいい茹で加減。美味しい♪」

クロード「ところでヒビキ様。『おおみそか』とはどういう意味なのですか?」

 ヒビキ「旧暦では毎月の最終日を『晦日(みそか)』と呼んでいたんだ。で、年内最後にして最大の晦日、つまり12月31日のことを『大晦日』と呼んだらしいよ」

クロード「そもそも『晦日』の意味が不明ですね」

 ヒビキ「元々は『三十日(みそか)』が語源で、それが転じて、月の末日を意味する『晦(かい、つごもり)』の日を『晦日(みそか)』と呼ぶようになったらしい」

クロード「博識ですね、ヒビキ様」

 ヒビキ「えへへ。ちなみに、大晦日は『晦』の字から『大つごもり』とも呼ばれているね。晦日の別名『月隠り(つきごもり)』が転じた言葉なんだって」

クロード「ますます博識です、ヒビキ様」

 ヒビキ「えへへ。〇ィキペディア様様だね」

クロード「……まあ、記念日の解説で大体お世話になっているのですから当然といえば当然でしたか。では訂正して。博識ですね、ウ〇キペディア」

 ヒビキ「……あれ? あ、鐘の音――」

クロード「『除夜の鐘』ですね。厳かな音です。確か、108回撞くのでしたっけ?」

 ヒビキ「これも『大晦日』の風物詩だね。諸説あるけど、人間が持つ108の煩悩を祓うために鳴らすっていうのが有名な由来かな。あとは、月の数12と、二十四節気24、七十二候の72を足して108として、一年間を表すっていう説もあるよ」

クロード「さすがはウィ〇ペディア、博識でいらっしゃる」

 ヒビキ「もう俺のことは褒めてくれないんだね……作法は微妙にお寺によって微妙に異なるらしい。108回のうち107回を年内に撞いて、最後の1回を新年(1月1日)に撞く寺院もあるそうだよ」

クロード「寺院によって風習が違うというのは興味深いですね。ところで『除夜の鐘』の『除夜』って何です?」

 ヒビキ「大晦日の夜って意味だね。古い年を除き去り、新年を迎える日という意味で大晦日を『徐日(じょじつ)』ともいうんだけど、その夜だから『除夜』ってわけ」

クロード「ヒビキ様の国は『大晦日』に別名を付けすぎですね。おっと、忘れていました。さすがは博識です、ウィキ〇ディア」

 ヒビキ「おかしいなぁ、調べた俺も結構頑張ったはずなんだけど……」

クロード「気が付けば静かになっていますね。おや、そろそろですよ、ヒビキ様」

 ヒビキ「本当だ。それじゃあ、カウントダウン開始! 10、9、8、7、6――」

クロード「今日まで『ヒビキとクロードの365日』を読んでくださった皆様、誠にありがとうございます。残りあと3ヶ月ほどですが――」

 ヒビキ「5、4、3、2、1――」

クロード「来年もよろしくお願いいたしまーす!」




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