293 / 388
12月
12月28日『官公庁御用納め・仕事納め』
しおりを挟むクロード「ただいま帰りました、ヒビキ様」
バルス「おう、おかえり。はぁ、こたつがあったけ~」
クロード「……なぜバルス殿が我が家にいるのですか?」
ジュエル「お邪魔しています、クロード様」
ヒビキ「あ、お帰り、クロード。今お茶を淹れるところだからクロードもどう?」
クロード「ジュエル殿もいらっしゃっていたのですか。あ、お茶いただきます」
ジュエル「最近手に入った紅茶で、ヒビキ様にお裾分けしようと思いまして」
ヒビキ「一緒にお菓子ももらっちゃったんだ。ありがとう、ジュエルさん」
クロード「それはそれは、ありがとうございます、ジュエル殿」
バルス「おい、俺も来てるんだが?」
ジュエル「バルス様は、いつの間にかついてきてただけではありませんか。その図体でよく隠れ切ったものですわ」
バルス「ちゃ、ちゃんと手土産は持ってきただろう?」
ジュエル「それで持ってくるのがワインって……」
ヒビキ「俺、まだ十七歳だから飲めないね」
バルス「いや、でも、こっちじゃ十五で成人だし……」
ヒビキ「ごめんね、バルス兄貴。お酒は二十歳になってからいただくね」
クロード「まあ、ワインなら数年置いた方が美味しくなるでしょうけど。それはそうと、お二人ともこんな昼間からうちに来てよかったのですか? 冒険者ギルドは?」
ジュエル「ご安心ください。もう年末ですもの。ギルドもお休みですわ」
ヒビキ「今日12月28日は『官公庁御用納め・仕事納め』の日だからね」
クロード「仕事納め? 要するに、今日で今年の仕事は終わりということですか?」
ヒビキ「1873年から、官公庁は12月29日から1月3日までを休暇とすることが法律で定められていて、12月28日が仕事納めとなっているんだ。民間企業でもこれに倣っているケースは多いらしいよ。サービス業は無理だけど」
クロード「ほぉ、そうなのですか……ん? だったらむしろ、今日は最後の仕事があるのでは?」
バルス「ち、ち、ち。クロード、そんなことも分かんねえのか?」
クロード「……ケンカを売っていると解釈しても?」
ヒビキ「ケンカは禁止! 相変わらずバルス兄貴相手だと沸点が低いな。バルス兄貴もクロードを煽らないように」
クロード「も、申し訳ございません」
バルス「すまん、つい、な……」
ジュエル「ふふふ。クロード様、正確には、今年は12月27日が仕事納めですわ」
クロード「どういうことです?」
ヒビキ「通常は12月28日だけど、それが土・日曜日の場合、直前の金曜日が仕事納めになるんだ。今年の12月28日は土曜日だから昨日ってわけ」
バルス「つーわけだ。はー! ようやく面倒な机仕事から解放されたー!」
ジュエル「私もこれで数日はバルス様の面倒をみなくて済んでほっとしています」
クロード「それはそれは。お二人ともご苦労様です。まあ、今日くらいはバルス殿も我が家への滞在を許してあげましょう。その代わり、年始は来ないでくださいね」
バルス「来るし! 絶対に来るからな!」
ヒビキ「クロード、意地悪言わないの」
クロード「ふふ、申し訳ございません」
ジュエル「来年も楽しい一年になるといいですわね……ところでクロード様」
クロード「はい、何でしょう?」
ジュエル「……折角のこたつですのに、なぜ足を入れずに座っているのですか?」
バルス「何? 本当だ。何やってんだ、お前」
クロード「私はこたつに入らないと決めているので。お気になさらず」
バルス「いや、でもよ……」
クロード「お気になさらず」
バルス「お、おう……意味わかんねぇ」
ヒビキ「なんで頑なにこたつを拒むかな? お正月には丸くなって入ってよね」
クロード「……ヒビキ様、それはネコです」
★★★★★
その他の記念日『鏡餅の日』
※多くの地域ではこの日に鏡餅をつく……らしい。
ヒビキ「なんで頑なにこたつを拒むかな? お正月には丸くなって入ってよね」
クロード「……ヒビキ様、それはネコです」
ジュエル「ドッキーン!」
バルス「ん? どうした、ジュエル?」
ジュエル「な、なんでもありませんわ!? ほほほほほほ」
バルス「??? なんだぁ?」
バルス「おう、おかえり。はぁ、こたつがあったけ~」
クロード「……なぜバルス殿が我が家にいるのですか?」
ジュエル「お邪魔しています、クロード様」
ヒビキ「あ、お帰り、クロード。今お茶を淹れるところだからクロードもどう?」
クロード「ジュエル殿もいらっしゃっていたのですか。あ、お茶いただきます」
ジュエル「最近手に入った紅茶で、ヒビキ様にお裾分けしようと思いまして」
ヒビキ「一緒にお菓子ももらっちゃったんだ。ありがとう、ジュエルさん」
クロード「それはそれは、ありがとうございます、ジュエル殿」
バルス「おい、俺も来てるんだが?」
ジュエル「バルス様は、いつの間にかついてきてただけではありませんか。その図体でよく隠れ切ったものですわ」
バルス「ちゃ、ちゃんと手土産は持ってきただろう?」
ジュエル「それで持ってくるのがワインって……」
ヒビキ「俺、まだ十七歳だから飲めないね」
バルス「いや、でも、こっちじゃ十五で成人だし……」
ヒビキ「ごめんね、バルス兄貴。お酒は二十歳になってからいただくね」
クロード「まあ、ワインなら数年置いた方が美味しくなるでしょうけど。それはそうと、お二人ともこんな昼間からうちに来てよかったのですか? 冒険者ギルドは?」
ジュエル「ご安心ください。もう年末ですもの。ギルドもお休みですわ」
ヒビキ「今日12月28日は『官公庁御用納め・仕事納め』の日だからね」
クロード「仕事納め? 要するに、今日で今年の仕事は終わりということですか?」
ヒビキ「1873年から、官公庁は12月29日から1月3日までを休暇とすることが法律で定められていて、12月28日が仕事納めとなっているんだ。民間企業でもこれに倣っているケースは多いらしいよ。サービス業は無理だけど」
クロード「ほぉ、そうなのですか……ん? だったらむしろ、今日は最後の仕事があるのでは?」
バルス「ち、ち、ち。クロード、そんなことも分かんねえのか?」
クロード「……ケンカを売っていると解釈しても?」
ヒビキ「ケンカは禁止! 相変わらずバルス兄貴相手だと沸点が低いな。バルス兄貴もクロードを煽らないように」
クロード「も、申し訳ございません」
バルス「すまん、つい、な……」
ジュエル「ふふふ。クロード様、正確には、今年は12月27日が仕事納めですわ」
クロード「どういうことです?」
ヒビキ「通常は12月28日だけど、それが土・日曜日の場合、直前の金曜日が仕事納めになるんだ。今年の12月28日は土曜日だから昨日ってわけ」
バルス「つーわけだ。はー! ようやく面倒な机仕事から解放されたー!」
ジュエル「私もこれで数日はバルス様の面倒をみなくて済んでほっとしています」
クロード「それはそれは。お二人ともご苦労様です。まあ、今日くらいはバルス殿も我が家への滞在を許してあげましょう。その代わり、年始は来ないでくださいね」
バルス「来るし! 絶対に来るからな!」
ヒビキ「クロード、意地悪言わないの」
クロード「ふふ、申し訳ございません」
ジュエル「来年も楽しい一年になるといいですわね……ところでクロード様」
クロード「はい、何でしょう?」
ジュエル「……折角のこたつですのに、なぜ足を入れずに座っているのですか?」
バルス「何? 本当だ。何やってんだ、お前」
クロード「私はこたつに入らないと決めているので。お気になさらず」
バルス「いや、でもよ……」
クロード「お気になさらず」
バルス「お、おう……意味わかんねぇ」
ヒビキ「なんで頑なにこたつを拒むかな? お正月には丸くなって入ってよね」
クロード「……ヒビキ様、それはネコです」
★★★★★
その他の記念日『鏡餅の日』
※多くの地域ではこの日に鏡餅をつく……らしい。
ヒビキ「なんで頑なにこたつを拒むかな? お正月には丸くなって入ってよね」
クロード「……ヒビキ様、それはネコです」
ジュエル「ドッキーン!」
バルス「ん? どうした、ジュエル?」
ジュエル「な、なんでもありませんわ!? ほほほほほほ」
バルス「??? なんだぁ?」
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/essay.png?id=5ada788558fa89228aea)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる