ヒビキとクロードの365日

あてきち

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12月

12月26日『プロ野球誕生の日』

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クロード「よいしょよいしょっと。クリスマスも終わって、このモミの木、どこに片付ければよいのでしょうか? 季節ごとのイベントはとても楽しいのですが、それが終わったあとの虚無感には何とも言い難いものがありますね」

 ヒビキ「あと一週間もしたら次はお正月だから片付けも急がなくちゃね。そうだ、モミの木を門松仕様に飾り付けるっていうのはどうかな? 改めて用意しなくてもいいし、結構いい案じゃない?」

クロード「ずぼらもここに極まれりですね、ヒビキ様。第一、門松とやらの材料はこの前揃えたではありませんか……というか、何ですかその格好は?」

 ヒビキ「えへへ、似合う?」

クロード「はい、いつも通り服に着せられてる感は半端ないですがお似合いですよ」

 ヒビキ「それ、褒めてるようで全く褒めてないよね?」

クロード「それで、その特徴的な服装は何なのですか? つば付きのキャップはともかく、微妙にぴっちりしたズボンに、この季節に半そでですか。アンダーシャツを着ているのでまだマシかもしれませんが、それにしたって……ついでにその半そでの正面に刺繍されている『ヒビキーズ』とは……」

 ヒビキ「これは特注した野球ユニフォームだよ。なんたって今日12月26日は『プロ野球誕生の日』だからね!」

クロード「ぷろ野球? 確か、金銭を受け取って野球という競技を行う仕事でしたっけ? ヒビキ様の国では人気の種目だとか……おや? しかし、確か今はしーずんおふではありませんでしたっけ?」

 ヒビキ「1934年12月26日に、アメリカのプロ野球とのい対戦のために、現在のプロ野球リーグでは最古のチーム『大日本東京野球倶楽部』が設立されたことに由来する記念日だよ」

クロード「ああ、海外のチームと対戦するために作られたチームなのですか。だからヒビキ様の国でしーずんおふの今が記念日になったのですね」

 ヒビキ「ちなみに『大日本東京野球倶楽部』はのちに『読売ジャイアンツ』として生まれ変わり、今日は『ジャイアンツの日』とも呼ばれているね」

クロード「野球の記念日のオンパレードですね。しーずんおふなのに」

 ヒビキ「しつこいね、クロード」

クロード「そういえば、先程『現在のプロ野球リーグでは最古』と仰っていましたが、それ以前にもプロ野球チームがあったのですか?」

 ヒビキ「日本初のプロ野球球団は1920年に設立された『日本運動協会』だよ。ただ、1929年に解散していて、今のプロ野球リーグとの繋がりはまったくないね」

クロード「それを含めると野球の歴史も案外長いのですね。おや、もしかしてそのユニフォームに記されている『ヒビキーズ』とは……」

 ヒビキ「そう! 俺達も野球チームを作ろうと思ってさ! クロードは4番にしてあげてもいいよ」

クロード「……私、野球の知識も経験も皆無なのですが」

 ヒビキ「チームメイトは俺とクロードと、大樹に亜麻音に恭子ちゃんに、エマリアさんとユーリとリリアンとヴェネくん!」

クロード「男女混合なうえに子供のリリアンとネコのヴェネ様まで……?」

 ヒビキ「候兄ちゃんがコーチでバルス兄貴が監督だよ。貫禄ありそうだし!」

クロード「せめて逆にしましょうよ。バルス殿も野球知識皆無ですよ?」

 ヒビキ「ジュエルさんとパトリシアさんと、クレアンナさんとシアにはマネージャーをやってもらうんだ。野球に女子マネは必須だからね♪」

クロード「男女混合の補欠なしチームにマネージャーが三人と一匹とか多すぎるでしょう? ……一匹て」

 ヒビキ「よーし、メンバーも揃ったし、次の試合では勝つぞー!」

クロード「ちなみに、対戦相手は誰なのですか?」

 ヒビキ「主神様率いる神様チームですっ!」

クロード「良くも悪くも試合にならないでしょうね……」




★★★★★
その他の記念日『ボクシング・デー』
※イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・スイスなどの公休日。
※キリスト教に由来した休日。

クロード「『ぼくしんぐ』とは確か『拳闘』のことですよね? それが休日?」
 ヒビキ「クリスマスの翌日、教会が貧しい人達のために寄付を募ったクリスマスプレゼントの箱(BOX)を開ける日であったことから『ボクシング・デー(Boxing Day)』と呼ばれるようになったそうだよ」
クロード「つまり、競技としての『ぼくしんぐ』とは無関係?」
 ヒビキ「英語のスペルは同じだけどね」
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