ヒビキとクロードの365日

あてきち

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12月

12月25日『クリスマス』

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クロード「もう朝……昨夜は、本当にヒビキ様は帰ってこなかった。ううう」

 ヒビキ「おはよう、クロード」

クロード「おはようございます……あれっ!? 帰ってたんですか、ヒビキ様!」

 ヒビキ「うん、ついさっきね。というかクロード、なんで朝からサンタコス? 今日12月25日が『クリスマス』だからって朝からテンション高すぎじゃない?」

クロード「い、いえ、これは、昨日の格好のまま泣き疲れて眠ってしまって……というか、今気が付いたのですが、いつの間にかリビングがクリスマス仕様に?」

 ヒビキ「せっかくのクリスマスだもの。飾り付けくらいしなくちゃね」

クロード「おお、私の身長ほどもある『くりすますつりー』が」

 ヒビキ「デンマークから取り寄せた本物のモミの木だよ。玄関にはもちろんリースも飾ってあるから後で見てみるといいよ。クリスマスケーキも食べようね」

クロード「ううう、ヒビキ様、ありがとうございます!」

 ヒビキ「昨日は留守番させてごめんね。今日は二人でクリスマスパーティーをしよう。ちゃーんとクリスマスプレゼントも用意してあるからね」

クロード「ううううううう、ヒビキ様あああああああああああ!」

 ヒビキ「もう、サンタの格好をして泣かない泣かない。まあ、起き抜けにパーティーするわけにもいかないから、とりあえずお茶でも飲んで落ち着こう」

クロード「はい。ずずずず……はぁ、昨夜の絶望が嘘のように晴れていきますねぇ」

 ヒビキ「うわぁ、緑茶をすするサンタの図ってシュールゥ……」

クロード「そうですか? しかし、現代の『さんた』は確か黒い炭酸飲料をがぶ飲みするのですよね? それに比べれば可愛いものだと思うのですが」

 ヒビキ「そのサンタはフィクションです」

クロード「確か、『サンタクロース』の赤い服はその炭酸飲料の会社の影響だとか」

 ヒビキ「それデマだからね。例の会社が広告で使用する前からヨーロッパではサンタといえば赤い服のイメージが広がっていたからね?」

クロード「そもそも『さんたくろーす』とは何なのでしょうか?」

 ヒビキ「サンタコスしておいてそんなこと聞いちゃう? 『サンタクロース』の起源は、キリスト教の聖人『聖ニコラオス』だよ。彼のとある逸話がモデルになってサンタクロースが生まれたと言われているんだ」

クロード「ほぉ、起源は聖人ですか。もっとおっとりしたイメージでしたが、意外に神聖な存在なのですね」

 ヒビキ「正教会系の国ではサンタクロースは聖ニコラオスであると認めているところもあるくらいだからね。良い子にプレゼントっていうとお伽話みたいに感じるけど、サンタクロースは一種の信仰の対象なんだ」

クロード「……浮かれて『さんたこす』をした自分が恥ずかしくなる事実ですね」

 ヒビキ「まあ、日本ではゆるキャラみたいなものだから気にしなくていいよ」

クロード「信仰の対象がゆるキャラ扱い!? 大らかで片付けてよいのでしょうか?」




★★★★★
その他の記念日『スケートの日』
※1861年12月25日。
※函館滞在中だったイギリスの探検家トーマス・ライト・ブラキストンが日本で初めてスケートをした日。

 ヒビキ「というわけで、俺とクロードのクリスマスパーティーを始めまーす!」
クロード「かんぱーい!」
コウイチ「乾杯♪」
 バルス「かんぱいっ!!」
ヒビキ&クロード「「なんか増えてる!?」」
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