ヒビキとクロードの365日

あてきち

文字の大きさ
上 下
288 / 388
12月

12月23日『テレホンカードの日』

しおりを挟む
クロード「さーて、今日の記念日は?」

 ヒビキ「今日12月23日は『クリスマス・イヴイヴ』です!」

クロード「え、まさか、嘘ですよね?」

 ヒビキ「嘘だよ♪ 何、『イヴイヴ』って。うけるんですけど♪」

クロード「そうですか、よかった。では、今日の記念日は何なのですか?」

 ヒビキ「今日12月23日は『テレホンカードの日』でーす! ……ん?」

クロード「えっと、ヒビキ様」

 ヒビキ「えっと、クロード」

ヒビキ&クロード「「テレホンカードって、何(ですか)?」」

コウイチ「じょ、冗談だろう……?」

 ヒビキ「あ、25歳の候兄ちゃん。久しぶり」

コウイチ「……あえて年齢を口にした理由が聞きたいな、ヒビキ」

クロード「何しに来たのですか、コウイチ殿。とりあえずお帰り下さい」

コウイチ「とりあえずで帰してどうする。相変わらず無礼な駄犬だ」

クロード「ほぉ? 宣戦布告ならいつでもお受けしますよ?」

コウイチ「本当に負け犬ほどよく吠えるものだ。いいだろう、表に出――」

 ヒビキ「会って5秒でケンカ始めないでよ! 馬鹿なの? 二人は馬鹿なの?」

クロード「ヒ、ヒビキ様、馬鹿だなんて人聞きの悪い……」

 ヒビキ「いやホント、いい加減成長してくれない?」

クロード「……申し訳ございません」

コウイチ「ははは、しっかり猛省しろ。トップブリーダーを紹介してやろうか?」

 ヒビキ「煽らないでよ、候兄ちゃん。それで『テレホンカード』って何なの?」

コウイチ「本気で知らないのか?」

 ヒビキ「うーん、名前は聞いたことあるようなないような……?」

クロード「コウイチ殿はご存知なので?」

コウイチ「いや、まあ、俺も現役世代かと問われると微妙な年齢だが、知識はある。『テレホンカード』とは公衆電話で使用できる、いわゆるプリペイドカードだな」

 ヒビキ「公衆電話かぁ。俺、使ったことないかも」

コウイチ「1982年12月23日に、最初のカード式公衆電話が始動したことにちなんでNTTが制定した記念日だな。小銭を使用せずに利用できるというのは、当時は画期的で、爆発的に広まっていったらしい」

 ヒビキ「でも、最近は名前を聞くことも稀だよ?」

コウイチ「1990年代半ばから携帯電話が普及していったことで公衆電話の利用率が減少したのが原因だろう。次第に公衆電話自体が減少し、当然テレホンカードの需要も減っていったわけだ。確か現在ではテレホンカードの販売はほぼ中止されているそうだぞ。昔はちょっとした贈り物や懸賞の定番だったんだがな」

 ヒビキ「へー、知らなかった。勉強になるなぁ。」

クロード「さすがによくご存じで。やはり年の功でしょうか」

コウイチ「博識なだけだ。第一、お前26歳だろうが。ええ、年増?」

クロード「はは、男に年増などと言われましてもねぇ? それに、自分で博識とか言っちゃて、くくく」

コウイチ「ああ、無知と年寄りの僻みというやつか。持たざる者は哀れだな」

クロード「はぁ? 異世界の知識をひけらかして識者気取りとか片腹痛いんですけど。大体私が年寄りとか、あなただって一年後には通る道なんですけどぉ?」

コウイチ「ふっ、語るに落ちるとはこのことだな。大して歳も離れていない相手に年の功などと言って。人の事を笑う前に自分を見て大笑いでもしたらどうだ?」

クロード「ここまで人を小馬鹿にして……覚悟はできているのでしょうね」

コウイチ「こちらが善意で解説していれば付け上がりやがって。躾けてやるよ」


※クロードとコウイチの間に見えない火花が散った! 今、激闘が始まーー


 ヒビキ「それじゃあ、俺はテレホンカードの実地に行ってくるねー。二人とも留守番よろしくー!」

クロード&コウイチ「「えっ!? ヒビキ(様)!?」」

 ヒビキ「もう付き合ってらんないよ。誰に電話しよっかなぁ?」

クロード&コウイチ「「…………」」


★★★★★
その他の記念日『(旧)天皇誕生日』
※前天皇、つまり現・上皇陛下の誕生日
※平成元年(1989年)から平成30年(2018年)まで。

コウイチ「……で、どうするんだ? ……やるのか?」
クロード「……ヒビキ様がいない前でですか?」
コウイチ「……そうだよなぁ」
クロード「構ってもらえないのにケンカしても意味ないですし……」
コウイチ「仕方ない、帰って来るまで待つか。お茶でも淹れよう、飲むか?」
クロード「ええ、いただきます。あ、リビングの棚に茶菓子がありますよ」
 ヒビキ「(物陰からチラ見)……あの二人、仲いいんだけど。え、何? 二人ともアピールでケンカしてたの? 仲が悪いのは演技なの? …………どゆこと?」
※この作品は本編の設定と一切関係がありません。ご了承くださいませ。
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

処理中です...