ヒビキとクロードの365日

あてきち

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12月

12月22日『二十四節気その18 第二十二【冬至】』

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クロード「ふぅ、お茶が美味しい」

 ヒビキ「何さ、そんなしみじみとした顔しちゃって」

クロード「いえ、四月から始まったこの作品も、気が付けばもう年の瀬かと思うと何やら感慨深い気持ちになりまして

 ヒビキ「そうだねぇ。まさか本当に今日まで毎日更新が続けられるなんて作者も思っていなかっただろうね。そしてまさか、今に至ってもまだ本編が再開されていないなんて作者自身本当に考えてもみなかっ」

クロード「ヒビキ様、穏やかな気分が台無しになるのでその話はその辺で」

 ヒビキ「そうだね。さて、お茶を一服したらそろそろ動かないと」

クロード「朝から慌ただしいですね。今日は何か予定でも?」

 ヒビキ「今日12月22日は二十四節気の『冬至』だからね。早くしないとすぐに日が暮れちゃうから、やることは早めに済ませておかないと」

クロード「トージ? 新世紀エヴ」

 ヒビキ「クロードー! 著作権って知ってるー!? あと全然違うから!」

クロード「私あれ、テレビシリーズ全話見てもさっぱり理解できなかったんですよね。それに劇場版が作られて完結したのかと思ったら新設定を加えた新たな劇場版を作るとか今まで作った分は何だったんだとむしろ憤慨してしま」

 ヒビキ「クロード―! この世界にどれだけ熱狂的ファンがいると思ってるの!? あと今日のテーマとホントに関係ないからそろそろ本気でやめて!」

クロード「申し訳ございません。それで『トージ』とは何ですか?」

 ヒビキ「『トージ』じゃなくて『冬至』ね。大体あの作品のキャラクターだって『トージ』じゃなくて『トウジ』だし」

クロード「ヒビキ様、自ら掘り返さないでください」

 ヒビキ「ごめん。『冬至』は北半球では太陽の南中高度が最も低くなる日のことだよ。暦便覧では『日南の限りを行て、日の短きの至りなれば也』と説明されているね」

クロード「えっと、つまり、昼間が短い日なのですか?」

 ヒビキ「うん。一年で昼の時間が最も短く夜が最も長くなる日といわれているよ」

クロード「日の出が最も遅く日の入りが最も早い日ということですか?」

 ヒビキ「それは一致しないらしいよ? 日本では日の出が最も遅いのは当時の約半月後で、日の入りが最も早いのは当時の約半月前なんだって」

クロード「それでも昼の時間が一番短いのが今日なのですか?」

 ヒビキ「太陽の傾きの問題かな? 『冬至』の日には太陽が最も南寄りに回るから日の出・日の入りの時間とは別に太陽の姿を見れる時間が短くなるみたい」

クロード「となると、確かにヒビキ様の仰るとおり、早めに行動すべきですね」

 ヒビキ「うん、そして今日の夜は柚子湯に入ろう」

クロード「ゆずゆ?」

 ヒビキ「『冬至風呂』といって、『冬至』の日には柚子湯に入る風習があるらしいよ。他にもカボチャの煮物や『と』の付く食べ物を食べる風習もあったんだって」

クロード「もしかして、今日の朝食の粥も『冬至』に関係が?」

 ヒビキ「『冬至粥』だね。『冬至』の朝に小豆粥を食べると疫病にかからないという伝承があるそうだよ。まあ、普通に体によさそうだしね」

クロード「いろんな風習があるんですねぇ。勉強になります」

 ヒビキ「よし、それじゃあ、お茶も飲み終わったことだし、行動開始!」

クロード「はい! ……ところで、何をするのでしょう?」

 ヒビキ「そりゃあ、もちろん……あれ? 普段俺達って何してたっけ?」

クロード「この家に住み始めてからは冒険者活動もしていませんし、今は私の家庭菜園もお休み中です……」

 ヒビキ「年賀状は書き終わったし、大掃除はまだちょっと早いような……」

クロード「……」

 ヒビキ「……」

クロード「……あ、ヒビキ様、急須のお茶がからっぽです」

 ヒビキ「本当? だったら淹れなおしてくるよ。ちょっと待ってて」

クロード「ありがとうございます……とりあえず、もう一服しましょうか」



※その後、リビングでまったり過ごしているうちに日が暮れたそうな……。




★★★★★
その他の記念日『酒風呂の日』
※季節の節目に酒風呂に入り、健康増進を図る目的。
※株式会社高橋助作酒造店が制定。
※『湯で治す』=『湯治(とうじ)』≒『冬至』の語呂合わせ?
※日本酒製造責任者『杜氏(とうじ)』と『冬至』の語呂合わせ?

クロード「ヒビキ様は未成年なのですから酒風呂はダメですよ」
 ヒビキ「飲まなくても?」
クロード「ダメです。香りにあてられる姿が容易に想像できます」
 ヒビキ「否定できないところが悲しいね」
クロード「酒風呂は私が責任をもって体験しておきます。後で感想を教えましょう」
 ヒビキ「何それズルい!!!」
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