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12月
12月5日『国際ボランティア・デー』
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ヒビキ「というわけで、今日はごみ拾いをします!」
クロード「突然ヒビキ様の世界の繁華街に来て、何を言い出すのですか?」
ヒビキ「繁華街はポイ捨てゴミがいっぱいだからね。環境美化に努めましょう!」
クロード「そのお考え自体は大変高潔で素晴らしいと思うのですが、なぜ急にそんなことを始めようと思ったのです?」
ヒビキ「なんたって今日12月5日は『国際ボランティア・デー』だからね!」
クロード「まあ、そういうことなんでしょうね……で、何なのですか、その『国際ボランティア・デー』というのは」
ヒビキ「1985年に国際連合によって採択された国際デーだよ。世界の平和と社会開発の実現のために活動するボランティアの意義の認識を高め、ボランティア活動の推進を目的として定められたんだ」
クロード「というか、そもそも『ボランティア』って何なのですか?」
ヒビキ「今さら!? まあ、いいけど。ボランティアというのは、日本では、自発的に他人・社会に奉仕する人、または活動を指す言葉だよ。『ボランティア』の語源は、『欲する・願う』を意味するラテン語の『volo(ウォロ)』から生まれた、『意思』を意味する言葉『voluntas(ヴォルンタース)』。これが英語の『volunteer(ボランティア)』が生まれたと言われているよ」
クロード「思いのほか詳しい説明、ありがとうございます。自発的に行う奉仕活動のことを『ボランティア』というのですね」
ヒビキ「そう。だから、学校行事で生徒達が行っている奉仕活動は、厳密にいうとボランティアとはいえなかったりするんだ」
クロード「半ば強制されてますからね、あれは。ということは、ヒビキ様に連れられてごみ拾いをする私もまた、ボランティアとは言い難いということに」
ヒビキ「俺としてはごみ拾いをした結果さえあれば自発的だろうが強制的だろうがどっちでもいいんだけどね」
クロード「ごみ拾いに限ってはそうなのでしょうが、自主的に奉仕する精神そのものが重要と考えると、また見方も違ってきますね」
ヒビキ「ボランティアは善意を前提の行う活動だけど、それが逆に周りに迷惑をかける場合もあるから気を付けないとね。最近の被災地へのボランティアは自治体を中心に割と統制が取れているけど『阪神・淡路大震災』の頃は、むしろボランティアが救済活動の妨げになってかなり不評だったらしいから」
クロード「いわゆる烏合の衆になってしまったのですね。善意があってもそれに方向性がなければ破落戸と変わらないわけですか。勉強になります」
ヒビキ「目的と方法が確立されれば集団ボランティアは大きな力になるのもまた事実。みんなもボランティアをする時はそのあたりに注意しようね!」
クロード「……みんなって誰です?」
ヒビキ「というわけで、全員で街の清掃活動を始めるよ!」
リリアン「はーい」
クロード「て、リリアンいたのか」
ヴェネ「ヴェネはリリアンちゃんのフードで終わるのを待ってるにゃ。ZZZ……」
クロード「ヴェネ様まで」
エマリア「さーて、私の魔法の出番ね! 風魔法でゴミを集めるわよ」
ユーリ「エマリアさん、こっちの世界で魔法は目立つのでやめた方が……」
タイキ「それ以前にエルフも魔族も獣人もしゃべる猫も超目立つけどな」
クロード「え、ちょ、何……」
アマネ「それじゃあ、アタシは街の南方面、恭子は北方面ね」
キョウコ「うん、任せて亜麻音ちゃん。先生は東、新藤君は西でいいですか?」
コウイチ「ああ、構わない。つまり、ヒビキは東方面ということだな」
バルス「ちょっと待った! 俺は西方面なんだからヒビキも西だろうが!」
ジュエル「バルス様、仕事になりませんので、ヒビキ様は西も東もなしですわ」
クロード「は? え? バルス殿にコウイチ殿にジュエル殿に……いつの間に!」
ヒビキ「だって街の清掃に俺とクロードだけじゃ手が足りないもの」
クロード「いや、確かにそうですが、こんなにいっぺんに集まっては収拾が……」
クレアンナ「本当でありますよ。なんで私達が異世界のお掃除なんて」
パトリシア「たまにはいいじゃないの、クレアンナ。私は箒掃きでもしようかしら」
クレアンナ「ぷぷぷ、黒いドレスに箒って、まさに魔女のお婆さんでありますね」
パトリシア「ふふふ、大鍋でしっかり煮込んであげるわね、クレアンナ」
クレアンナ「ちょ、どこから出したでありますか!? い、嫌でありますううう!」
ラクリシア「…………おーい、早く掃除を始めないかー? ……カオスだ」
クロード「いや、本当にカオスですよ何ですかこの状況……」
ヒビキ「うわぁ、これが統制の取れていないボランティアかぁ。確かに、烏合の衆もいいところだね。さ、クロード。リーダーシップをよろしくお願いします」
クロード「無理です! 私にこれはまとめられません!」
★★★★★
その他の記念日『聖ニコラウスの日の前夜祭』
※12月6日『聖ニコラウスの日』の前夜祭。
クロード「そもそも『聖ニコラウスの日』って何ですか?」
ヒビキ「キリスト教の主教『ニコラウス』さんの命日かな。彼は『サンタクロース』の起源ともいわれているんだ」
クロード「ほぉ、サンタクロースの」
ヒビキ「オランダでは12月6日の「聖ニコラスの日」の前日、つまり今日と、25日のクリスマスに、年2回プレゼントがもらえるらしいよ」
クロード「それはそれは。オランダの大人達は12月物入りですね」
ヒビキ「サンタクロースの話でそういうセリフを言わないの」
クロード「突然ヒビキ様の世界の繁華街に来て、何を言い出すのですか?」
ヒビキ「繁華街はポイ捨てゴミがいっぱいだからね。環境美化に努めましょう!」
クロード「そのお考え自体は大変高潔で素晴らしいと思うのですが、なぜ急にそんなことを始めようと思ったのです?」
ヒビキ「なんたって今日12月5日は『国際ボランティア・デー』だからね!」
クロード「まあ、そういうことなんでしょうね……で、何なのですか、その『国際ボランティア・デー』というのは」
ヒビキ「1985年に国際連合によって採択された国際デーだよ。世界の平和と社会開発の実現のために活動するボランティアの意義の認識を高め、ボランティア活動の推進を目的として定められたんだ」
クロード「というか、そもそも『ボランティア』って何なのですか?」
ヒビキ「今さら!? まあ、いいけど。ボランティアというのは、日本では、自発的に他人・社会に奉仕する人、または活動を指す言葉だよ。『ボランティア』の語源は、『欲する・願う』を意味するラテン語の『volo(ウォロ)』から生まれた、『意思』を意味する言葉『voluntas(ヴォルンタース)』。これが英語の『volunteer(ボランティア)』が生まれたと言われているよ」
クロード「思いのほか詳しい説明、ありがとうございます。自発的に行う奉仕活動のことを『ボランティア』というのですね」
ヒビキ「そう。だから、学校行事で生徒達が行っている奉仕活動は、厳密にいうとボランティアとはいえなかったりするんだ」
クロード「半ば強制されてますからね、あれは。ということは、ヒビキ様に連れられてごみ拾いをする私もまた、ボランティアとは言い難いということに」
ヒビキ「俺としてはごみ拾いをした結果さえあれば自発的だろうが強制的だろうがどっちでもいいんだけどね」
クロード「ごみ拾いに限ってはそうなのでしょうが、自主的に奉仕する精神そのものが重要と考えると、また見方も違ってきますね」
ヒビキ「ボランティアは善意を前提の行う活動だけど、それが逆に周りに迷惑をかける場合もあるから気を付けないとね。最近の被災地へのボランティアは自治体を中心に割と統制が取れているけど『阪神・淡路大震災』の頃は、むしろボランティアが救済活動の妨げになってかなり不評だったらしいから」
クロード「いわゆる烏合の衆になってしまったのですね。善意があってもそれに方向性がなければ破落戸と変わらないわけですか。勉強になります」
ヒビキ「目的と方法が確立されれば集団ボランティアは大きな力になるのもまた事実。みんなもボランティアをする時はそのあたりに注意しようね!」
クロード「……みんなって誰です?」
ヒビキ「というわけで、全員で街の清掃活動を始めるよ!」
リリアン「はーい」
クロード「て、リリアンいたのか」
ヴェネ「ヴェネはリリアンちゃんのフードで終わるのを待ってるにゃ。ZZZ……」
クロード「ヴェネ様まで」
エマリア「さーて、私の魔法の出番ね! 風魔法でゴミを集めるわよ」
ユーリ「エマリアさん、こっちの世界で魔法は目立つのでやめた方が……」
タイキ「それ以前にエルフも魔族も獣人もしゃべる猫も超目立つけどな」
クロード「え、ちょ、何……」
アマネ「それじゃあ、アタシは街の南方面、恭子は北方面ね」
キョウコ「うん、任せて亜麻音ちゃん。先生は東、新藤君は西でいいですか?」
コウイチ「ああ、構わない。つまり、ヒビキは東方面ということだな」
バルス「ちょっと待った! 俺は西方面なんだからヒビキも西だろうが!」
ジュエル「バルス様、仕事になりませんので、ヒビキ様は西も東もなしですわ」
クロード「は? え? バルス殿にコウイチ殿にジュエル殿に……いつの間に!」
ヒビキ「だって街の清掃に俺とクロードだけじゃ手が足りないもの」
クロード「いや、確かにそうですが、こんなにいっぺんに集まっては収拾が……」
クレアンナ「本当でありますよ。なんで私達が異世界のお掃除なんて」
パトリシア「たまにはいいじゃないの、クレアンナ。私は箒掃きでもしようかしら」
クレアンナ「ぷぷぷ、黒いドレスに箒って、まさに魔女のお婆さんでありますね」
パトリシア「ふふふ、大鍋でしっかり煮込んであげるわね、クレアンナ」
クレアンナ「ちょ、どこから出したでありますか!? い、嫌でありますううう!」
ラクリシア「…………おーい、早く掃除を始めないかー? ……カオスだ」
クロード「いや、本当にカオスですよ何ですかこの状況……」
ヒビキ「うわぁ、これが統制の取れていないボランティアかぁ。確かに、烏合の衆もいいところだね。さ、クロード。リーダーシップをよろしくお願いします」
クロード「無理です! 私にこれはまとめられません!」
★★★★★
その他の記念日『聖ニコラウスの日の前夜祭』
※12月6日『聖ニコラウスの日』の前夜祭。
クロード「そもそも『聖ニコラウスの日』って何ですか?」
ヒビキ「キリスト教の主教『ニコラウス』さんの命日かな。彼は『サンタクロース』の起源ともいわれているんだ」
クロード「ほぉ、サンタクロースの」
ヒビキ「オランダでは12月6日の「聖ニコラスの日」の前日、つまり今日と、25日のクリスマスに、年2回プレゼントがもらえるらしいよ」
クロード「それはそれは。オランダの大人達は12月物入りですね」
ヒビキ「サンタクロースの話でそういうセリフを言わないの」
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