ヒビキとクロードの365日

あてきち

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11月

11月27日『ノーベル賞制定記念日』

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クロード「おや、二日連続でギリギリ更新ですか。最近では珍しいことで」

 ヒビキ「だからそれをネタにしないんだってば。ところでダイナマイトを作ったんだけどこれ、どうしよう?」

クロード「唐突に何を作っているんですか、何をっ!?」

 ヒビキ「だって今日11月27日は『ノーベル賞制定記念日』だから」

クロード「のーべる賞? それと何の関係があるというのです?」

 ヒビキ「『ノーベル賞』は、スウェーデンの化学者アルフレッド・ノーベル氏が創設したものだよ。物理学・化学・生理学・医学・文学・平和および経済学の『5分野+1分野』で顕著な功績を残した人物に贈られるんだ」

クロード「??? やはり、それとダイナマイトのと関係が分かりませんが」

 ヒビキ「『ノーベル賞』は、ノーベル氏が発明したダイナマイトから得た財産をもとに始まったものなんだよ」

クロード「そういうことですか。では、毎年11月27日に授与式をするので?」

 ヒビキ「それは12月10日。今日はノーベル賞が制定された日だよ。1895年11月27日、ノーベル氏がノーベル賞を創設することを遺言書に署名した日なんだ」

クロード「世の中には色んな記念日がありますね、本当に。それのしてもダイナマイトを発明した人が平和に関する賞を創設するとは不思議なものですね」

 ヒビキ「まあ、爆薬や兵器を元に富を築いた彼を『死の商人』と呼ぶ人もかなりいたそうだしね。お兄さんが亡くなったことが、ノーベル氏本人が亡くなったと新聞で誤報されて『死の商人、死す』なんて見出しが書かれたこともあったみたい」

クロード「なかなかインパクトのある見出しですね」

 ヒビキ「これをきっかけだったかどうかは不明だけど、彼は死後の自分がどのように人々から記憶されるかを考えるようになったんだって」

クロード「もしや、そこから『ノーベル賞』創設の話になるのですか?」

 ヒビキ「そうかもね。彼は遺言を書いた翌年、1896年の12月10日に63歳で亡くなってしまった。そして1901年から『ノーベル賞』が始まったんだ」

クロード「授与式の日は彼の命日だったのですね」

 ヒビキ「今年(2019年)は化学賞に、旭化成名誉フェローの吉野彰さんが選ばれたから、今年の授与式もテレビに釘付けだね」

クロード「となると、中継番組を録画しておかないといけませんね」

 ヒビキ「うん、楽しみだね♪」

クロード「はい! ……ところでヒビキ様」

 ヒビキ「うん?」

クロード「……そのダイナマイト、どうするのですか? ……あれ? 何か音が」

 ヒビキ「あ、そういえばタイマー付きのダイナマイトだったんだった!」

クロード「それダイナマイトというかもうただの時限爆弾じゃないですか! 早く外に捨ててきてください!」

 ヒビキ「そ、そうしたいけどもう時間が――あっ!」

クロード「ヒビキさ――」


★★★★★
その他の記念日『いい鮒の日』
※『いい鮒』=『い1い1フ2ナ7』の語呂合わせ。
※茨城県の古河鮒甘露煮組合が制定。

クロード「ヒビキさ――」
 ヒビキ「どぱーん! びっくりした? ジョークグッズでしたー♪」
クロード「ふ・ざ・け・る・なあああああああああああああああ!」
 ヒビキ「うわああああああ! ごめーん!」
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