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11月
11月18日『雪見だいふくの日』
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クロード「ふむ。日が暮れると本格的に寒さを感じるようになってきましたね。といっても、全身もふもふの私は大丈夫ですが……て、似たようなことを以前にも言った気がします。さて、農作業は終わりにしてリビングで寛ぎますか」
ヒビキ「あ、お仕事終わり? お疲れ様、クロード」
クロード「はい。それはそうとヒビキ様、リビングが随分暖かいですね」
ヒビキ「そろそろエアコンを付けないと家の中も寒くて寒くて」
クロード「そういえば『こたつ』とかいうものはまだ置かないのですか?」
ヒビキ「あー、そろそろ考えないとね。うちに在庫はないから買わないといけないし。まあ、でも、今日のところはエアコンで十分かなぁ。そしてぬくいお部屋で食べるアイスのなんと美味しいこと」
クロード「あいす? 確か氷菓子のことですよね。しかし、お手元にあるのは『わがし』とかいう菓子に見えるのですが……『もち』とか『だいふく』に似ています」
ヒビキ「中らずと雖も遠からずってところかな。何せ今日11月18日は『雪見だいふくの日』だからね♪ あー、美味しい、もぐもぐ」
クロード「唐突すぎて何の話やら……『ゆきみだいふく』というのはその菓子の名前ですか? やはり『あいす』ではなく『だいふく』じゃないですか」
ヒビキ「そいういう名前のアイスなの。正確な種別は『アイスミルク』だけど」
クロード「それは大事なことなのですか?」
ヒビキ「全然。気になる人は『アイスミルク』で調べてみてね♪」
クロード「それで何なのですか、その『雪見だいふく』とやらは。というか、私の分はないのですか? 甘くて美味しそうなのですが」
ヒビキ「ないよ」
クロード「即答ですか!? 酷い!」
ヒビキ「『雪見だいふく』は、アイスクリームの外側を薄い求肥で包み、大福のように丸く整形した冷菓の一種だよ。1981年10月に菓子メーカーのロッテが発売したんだ。和の大福と洋のアイスクリームというミスマッチな組み合わせがウケて、発売から今に至るまで人気の冬のアイスだね」
クロード「私の悲痛な叫びは無視ですか……それはそうと、冬のアイス?」
ヒビキ「一応通年で『ミニ雪見だいふく』が販売されているけど、今俺が持っている二個入りのレギュラーサイズは基本的に冬季限定販売だね」
クロード「なぜ冬だけなのですか? 人気があるのなら、アイスクリームなのですから夏も販売すればよいではないですか」
ヒビキ「これが餅菓子であることの制約とでもいえばいいのか。ほら、俺の一個をあげるから食べて見なよ。あーん」
クロード「あーん、パクリ、もぐもぐ……ほぉ、もちもちの食感を突き破った先にまろやかなバニラアイスの甘味が口内で溶けだして……人気があるのも頷ける美味しさです。しかし、これがどうかしましたか?」
ヒビキ「アイスを包む求肥だけど、夏に食べたらどうなるか想像してみてよ」
クロード「夏に? …………むぅ? 口の中でドロドロしてそうですね」
ヒビキ「それで合ってるよ。餅って、本来低温にするとカチカチに固まってしまうんだよ。だから『雪見だいふく』は糖類やデンプンを加えて柔らかく口当たりがよいように加工されているんだ。ただ、その代償として高温には弱いわけで……」
クロード「ふむ、気温が高いと溶けてしまうのですね」
ヒビキ「そう。だから夏には向かないアイスなんだよね」
クロード「とても美味しいので少々残念ですが、冬の風物詩だと思って楽しむのが吉ということなのでしょう……ところで、もう一個食べたいのですが本当に私の分はないのでしょうか?」
ヒビキ「ないよ」
クロード「どうして私の分も買っておいてくれなかったのですか?」
ヒビキ「いや、うん……本当は、その、2個買ったんだけど……ね、ほら、その」
クロード「……さては、今食べたのが私の分だったのですね! 私が家庭菜園を勤しんでいる間にペロリと食べちゃったわけですか!」
ヒビキ「ご、ごめーん! ぬくぬくリビングのまったりアイスという魅力には勝てなかったんだよー!」
クロード「許しません!」
ヒビキ「即答!? 酷いや!」
クロード「どの口がそれを言うのか!」
★★★★★
その他の記念日『いいイヤホン・ヘッドホンの日』
※イヤホン・ヘッドホン専門店『e☆イヤホン』の株式会社タイムマシンが制定。
※イヤホン・ヘッドホンの魅力を世界に向けて発信するための記念日。
※『いいイヤホン』=『いい(11)イヤ(18)ホン』の語呂合わせ。
ヒビキ「というわけで買ってきたよ、ヘッドホン。はい、クロードの分」
クロード「……ヒト種用のを渡されても困るのですが。そういえば『雪見だいふくの日』の由来を聞いていませんでしたね」
ヒビキ「11月で『いい』。パッケージを開けて縦に見ると、二個のだいふくと楊枝が『18』に見えることから18日、ってことらしいよ」
ヒビキ「あ、お仕事終わり? お疲れ様、クロード」
クロード「はい。それはそうとヒビキ様、リビングが随分暖かいですね」
ヒビキ「そろそろエアコンを付けないと家の中も寒くて寒くて」
クロード「そういえば『こたつ』とかいうものはまだ置かないのですか?」
ヒビキ「あー、そろそろ考えないとね。うちに在庫はないから買わないといけないし。まあ、でも、今日のところはエアコンで十分かなぁ。そしてぬくいお部屋で食べるアイスのなんと美味しいこと」
クロード「あいす? 確か氷菓子のことですよね。しかし、お手元にあるのは『わがし』とかいう菓子に見えるのですが……『もち』とか『だいふく』に似ています」
ヒビキ「中らずと雖も遠からずってところかな。何せ今日11月18日は『雪見だいふくの日』だからね♪ あー、美味しい、もぐもぐ」
クロード「唐突すぎて何の話やら……『ゆきみだいふく』というのはその菓子の名前ですか? やはり『あいす』ではなく『だいふく』じゃないですか」
ヒビキ「そいういう名前のアイスなの。正確な種別は『アイスミルク』だけど」
クロード「それは大事なことなのですか?」
ヒビキ「全然。気になる人は『アイスミルク』で調べてみてね♪」
クロード「それで何なのですか、その『雪見だいふく』とやらは。というか、私の分はないのですか? 甘くて美味しそうなのですが」
ヒビキ「ないよ」
クロード「即答ですか!? 酷い!」
ヒビキ「『雪見だいふく』は、アイスクリームの外側を薄い求肥で包み、大福のように丸く整形した冷菓の一種だよ。1981年10月に菓子メーカーのロッテが発売したんだ。和の大福と洋のアイスクリームというミスマッチな組み合わせがウケて、発売から今に至るまで人気の冬のアイスだね」
クロード「私の悲痛な叫びは無視ですか……それはそうと、冬のアイス?」
ヒビキ「一応通年で『ミニ雪見だいふく』が販売されているけど、今俺が持っている二個入りのレギュラーサイズは基本的に冬季限定販売だね」
クロード「なぜ冬だけなのですか? 人気があるのなら、アイスクリームなのですから夏も販売すればよいではないですか」
ヒビキ「これが餅菓子であることの制約とでもいえばいいのか。ほら、俺の一個をあげるから食べて見なよ。あーん」
クロード「あーん、パクリ、もぐもぐ……ほぉ、もちもちの食感を突き破った先にまろやかなバニラアイスの甘味が口内で溶けだして……人気があるのも頷ける美味しさです。しかし、これがどうかしましたか?」
ヒビキ「アイスを包む求肥だけど、夏に食べたらどうなるか想像してみてよ」
クロード「夏に? …………むぅ? 口の中でドロドロしてそうですね」
ヒビキ「それで合ってるよ。餅って、本来低温にするとカチカチに固まってしまうんだよ。だから『雪見だいふく』は糖類やデンプンを加えて柔らかく口当たりがよいように加工されているんだ。ただ、その代償として高温には弱いわけで……」
クロード「ふむ、気温が高いと溶けてしまうのですね」
ヒビキ「そう。だから夏には向かないアイスなんだよね」
クロード「とても美味しいので少々残念ですが、冬の風物詩だと思って楽しむのが吉ということなのでしょう……ところで、もう一個食べたいのですが本当に私の分はないのでしょうか?」
ヒビキ「ないよ」
クロード「どうして私の分も買っておいてくれなかったのですか?」
ヒビキ「いや、うん……本当は、その、2個買ったんだけど……ね、ほら、その」
クロード「……さては、今食べたのが私の分だったのですね! 私が家庭菜園を勤しんでいる間にペロリと食べちゃったわけですか!」
ヒビキ「ご、ごめーん! ぬくぬくリビングのまったりアイスという魅力には勝てなかったんだよー!」
クロード「許しません!」
ヒビキ「即答!? 酷いや!」
クロード「どの口がそれを言うのか!」
★★★★★
その他の記念日『いいイヤホン・ヘッドホンの日』
※イヤホン・ヘッドホン専門店『e☆イヤホン』の株式会社タイムマシンが制定。
※イヤホン・ヘッドホンの魅力を世界に向けて発信するための記念日。
※『いいイヤホン』=『いい(11)イヤ(18)ホン』の語呂合わせ。
ヒビキ「というわけで買ってきたよ、ヘッドホン。はい、クロードの分」
クロード「……ヒト種用のを渡されても困るのですが。そういえば『雪見だいふくの日』の由来を聞いていませんでしたね」
ヒビキ「11月で『いい』。パッケージを開けて縦に見ると、二個のだいふくと楊枝が『18』に見えることから18日、ってことらしいよ」
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