ヒビキとクロードの365日

あてきち

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11月

11月17日『将棋の日』

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クロード「おや? 今日の更新は久しぶりに随分と遅れましたね」

 ヒビキ「そういうリアルタイムで更新をチェックしている人にしか理解できなメタ発言は慎みたまえ、クロード君……はい、王手」

クロード「あ、ちょ、ちょっと待ってください」

 ヒビキ「ダメ。もう何回『待った』してあげてると思ってるのさ。おかげで更新が遅れたんだからね」

クロード「いや、それとこれとはまた話が違うといいますか……うう、負けました」

 ヒビキ「というわけで、俺はクロードに『オセロ』で勝利したのだった」

クロード「それこそ待ってください。違いますよね? 私達がやっていた盤上遊戯は『おせろ』ではなく『ショーギ』ですよ」

 ヒビキ「何せ今日11月17日は『将棋の日』だからね!」

クロード「話の繋げ方としてはちょっと酷くありませんか?」

 ヒビキ「ノープロブレム。気にするだけ無駄なのです! 『将棋の日』は日本将棋連盟が1975年に制定した記念日だね。今、メディアなんかでも将棋は熱いから、今年もちゃんと記念日を銘打ったイベントをやっていたりするよ。例えば大阪にる関西将棋会館にて『第45回将棋の日in関西』とか」

クロード「第45回なのですから流行の有無はあまり関係ないような……そのうえ、更新時間的にイベントは既に終了していますけどね」

 ヒビキ「大丈夫。いつも通り来年にご期待くださいということで」

クロード「まあ、その辺はこれまで同様諦めるとして、記念日の由来は何ですか?」

 ヒビキ「江戸時代、第八代将軍・徳川吉宗が毎年、旧暦11月17日を『御城将棋』をする日としたことにちなんでだよ」

クロード「おしろしょーぎ?」

 ヒビキ「昔は将棋の家元のことを『将棋所』と呼んでいたんだけど、江戸時代には江戸城内の公務として年に一度将棋所同士が対局をする行事があったんだって」

クロード「一種の対抗戦ということですか」

 ヒビキ「うん。開始当初は時期が不定期だったんだけど、これを徳川吉宗が享保元年(1716年)から、旧暦11月17日に行うように決めたそうだよ」

クロード「ふむふむ、当時の国主肝煎りの行事というわけですね。さぞや立派なものだったのでしょう」

 ヒビキ「残念ながら実態はそれほどでもなかったみたいだよ。形式的には将軍の面前での午前試合ってことになってたけど、実際に将軍が観戦のために訪れたことはほとんどなかったみたい。せいぜい老中がごく短時間観戦する程度だったんだって。公務の妨げになるからって、時代が経つにつれて形骸化(儀式化)していったらしい」

クロード「……よ、よく今まで存続できましたね、この遊び」

 ヒビキ「あくまで『御城将棋』が廃れていったってだけで、将棋の魅力が色褪せたわけじゃないからね。今でも愛される日本の文化的盤上遊戯だよ」

クロード「それはよかったです。というわけでもう一局いかがですか?」

 ヒビキ「もう九十九敗目だけど、まだやるの?」

クロード「ははは、勝てるまで続けますよ」

 ヒビキ「ははは、今俺の徹夜が決定しました」

★★★★★
その他の記念日『蓮根の日』
※1994年11月17日。
※茨城県土浦市にて全国の蓮根産地が集まって開催された『蓮根サミット』が由来。

クロード「盤上を穿て『飛車』! 駆け抜けろ『角行』!」
 ヒビキ「……知略遊戯でなぜ突貫させるんだ。はいとった」
クロード「ぎゃー!」
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