ヒビキとクロードの365日

あてきち

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11月

11月4日『ユネスコ憲章記念日』

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 ヒビキ「というわけでやってきました、ギリシャはアテネ!」

クロード「冒頭からヒビキ様の世界に来るのは久しぶりですね。確かここは……」

 ヒビキ「俺は今パルテノン神殿の上に立っている!」

クロード「えらくハイテンションですね、ヒビキ様……あと、確かに上といえば上なのですが……とりあえず降りましょうか、柱から。怒られちゃいますよ」


※しばらくお待ちください……。







 ヒビキ「というわけで、古代ギリシャで最も有名といっても過言ではない建築物、パルテノン神殿にやってきました」

クロード「今日はなぜこんなところに来たのですか?」

 ヒビキ「なぜなら今日11月4日は『ユネスコ憲章記念日』だからであります!」

クロード「ゆねすこ……? どこかで聞いたような……」

 ヒビキ「『United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization』それぞれの単語の頭文字を取って『UNESCO(ユネスコ)』というんだ。日本語だと『国際連合教育科学文化機関』だね」

クロード「そういえば記念日の説明でも時折登場しますね、そんな組織が」

 ヒビキ「今日はそのユネスコの設立根拠となる条約『国際連合教育科学文化機関憲章』略して『ユネスコ憲章』が効力を発生し、機関が活動を開始した記念日なんだ。1946年11月4日のことだね。ちなみに日本は1951年7月2日に加盟している」

クロード「といいますか、ユネスコとは何をするための組織なのですか?」

 ヒビキ「組織名の通りなんだけどね。国際連合の経済社会理事会の下におかれた、教育、科学、文化の発展と推進を目的とした専門機関だよ。具体的にいうと、識字率の向上や義務教育の普及活動、世界遺産の登録や保護とかだね。もちろん他にも色々やっているみたいだけど、重点的に推進する目標は『万人のための基礎教育』と『文化の多様性の保護および文明間対話の促進』なんだって」

クロード「識字率の向上……世界規模で基礎力を高めることで文明度を押し上げようとしているのですね。実現すれば喜ばしいことです。しかし、それとこの神殿に一体何の関係があるのでしょうか?」

 ヒビキ「ユネスコのシンボルマークが、このパルテノン神殿なんだ。はい、これがそのマークを描いた旗ね」

クロード「ほぉ、確かにこの神殿を模した形をしています。柱の部分を『UNESCO』という文字で表現しているのですね」

 ヒビキ「パルテノン神殿が祀っていた神様は、『知恵』と『芸術』と『工芸』と『戦略』を司る女神『アテーナー』だったんだ」

クロード「ああ、ユネスコの理念にぴったりの神様だったというわけですか。ヒビキ様の世界では有名な古代遺跡だったこともあってちょうどよかったのですね。ところで、今日の記念日にある『ユネスコ憲章』とはどんな内容なのですか?」

 ヒビキ「全文はとてもここでは紹介しきれないから、詳しくは『ユネスコ憲章』で検索検索♪ でお願い。ただ、全て読まなくても前文の冒頭からでもユネスコの理念の一部くらいは理解できるんじゃないかな?」



ユネスコ憲章 前文

 この憲章の当事国政府は、その国民に代って次のとおり宣言する。
 戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。(以下省略)



 ヒビキ「ユネスコ憲章はこの文章から始まっているんだ」

クロード「……確か、第二次世界大戦というヒビキ様の世界の戦争が終結したのが1945年の9月でしたから……」

 ヒビキ「ま、そういうこと。さて、せっかくパルテノン神殿に来たんだから文化的で教育的な神殿見学でもしてから帰ろうか」

クロード「……そうですね。せっかくですからここの歴史を勉強しながら見て回りましょう」

 ヒビキ「ということで、最初はこの神殿の建築様式について。まずは神殿の頭頂部の形状から――」

クロード「はーい、ストップ。だから世界文化遺産に土足で登ろうとしないように。その行動のどの辺に文化的で教育的要素があるというのですか」

★★★★★
その他の記念日『いいよの日』
※『いいよ』とほめる社会、許す社会になればという願いが込められた記念日。
※『いいよ』=『い1い1よ4』の語呂合わせ。
※兵庫県神戸市の聴きプロ、北原由美氏が制定。

クロード「自分とは違う誰かを認められる……ユネスコの理念にも通じる素敵な記念日ですね」
 ヒビキ「クロード……俺、クロードが毎日徹底ブラッシングをさせてくれたらいいなって思ってるんだ。……言ってくれるよね、『いいよ』って?」
クロード「ヒビキ様、記念日を悪用しないでください。絶対にダメです!」
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