ヒビキとクロードの365日

あてきち

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10月

10月26日『原子力の日』

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クロード「おや? ヒビキ様のお姿が見えませんね。ヒビキ様―? あ、いたいた。ヒビキ様、冬の家庭菜園のことで相談が……あれ? ヒビキ様じゃ、ない?」

〇〇〇「やあ、こんにちは。僕の名前は〇〇ム。よろしくね」

クロード「え、あ、はい。よろしく……て、またうちに変なのがいる!? あと名前に伏せ字が多くて聞き取れないです!」

〇〇ム「え? そうかい? ではもう一度。僕の名前はア〇〇。よろしくね」

クロード「そ、そうですか。ア〇ムさんですか。……もう一回自己紹介されると伏字の意味がなくなるので聞かないでおきますね」

ア〇ム「気にしなくていいのに。僕の名前は――」

クロード「だから必要ないですって! 絶対にこれ以上名乗らないでくださいね!」

ア〇ム「そらをこえて~ららら……」

クロード「歌もダメですってば! 言わなくても分かるでしょう!? 第一、私にはよく分かりませんが明らかにキャラ崩壊してますよ、絶対!」

 ア〇ム「ははは。それじゃあ、そろそろ行くよ。でゅわっ!」

クロード「あ、足から火を噴いて飛んだ!? ……というか『でゅわっ!』ってそれ絶対違うキャラクターのセリフですよね!?」

 ヒビキ「クロード、さっきから騒がしいけど何してるの?」

クロード「あ、ヒビキ様! 今、パンツ一丁のメタリックな少年が足から火を噴いてゴーッと飛んで行ったんです!」

 ヒビキ「……えっと、何言ってるの?」

クロード「自分で言っておいて何ですが、何ですかこの阿保っぽい報告は!?」

 ヒビキ「クロード、大丈夫だよ。そんな変なこと言わなくても、俺はちゃんとクロードのこと見てるから」

クロード「いやー! そんな生暖かい目で私を見ないでください! 別に私、構ってほしい駄々っ子じゃないですからね!?」

 ヒビキ「うんうん、大丈夫。俺は分かってるから」

クロード「のおおおおお……その目、絶対分かってないいいいいい」

 ヒビキ「ところで今日10月26日は『原子力の日』だよ。1956年の今日、日本が国際原子力機関(IAEA)に加盟したことと、1963年の今日、茨城県東海村の日本原子力研究所で日本初の原子力発電が行われたことに由来して日本政府が制定したんだ」

クロード「な、なんですか急に……?」

 ヒビキ「いや、今日はなかなか説明する機会に恵まれなくて。いつもならこう、それっぽい前振りがあるんだけどねぇ。今日に限ってそれがないんだよ。不思議」

クロード「……ま、まさかさっきのが……いや、でも、どの辺が原子力?」

 ヒビキ「原子力っていうのは、原子核の変換や核反応に伴って放出されるエネルギーのことで、原子力発電っていうのはそれを使って行われる発電のことだね。火力発電と比べて発電効率が高いのは利点だけど、事故発生時の放射能漏れの危険や廃棄物処理の問題もあって、最近では廃止の機運が高まっているね」

クロード「はぁ、よく分かりませんが大変そうです」

 ヒビキ「当時は原子力を動力とするロボットの物語なんかも作られて、結構話題になってたんだけどね。足からジェット噴射を起こして空を飛ぶ無敵のロボットとか」

クロード「ヒビキ様―! それ! それがいたんですよ、うちに! 間違いないですよ! だってさっきゴーって火を噴いて飛んで行って……だから、その生暖かい目はやめてくださいってば!」




★★★★★
その他の記念日『柿の日』
※1895年10月26日。
※俳人・正岡子規が『柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺』の句を詠んだことに由来。
※全国果樹研究連合会カキ部会が2005年に制定。

クロード「柿を食べたら寺の鐘が鳴ったって……どういう意味なんです、これ?」
 ヒビキ「『くへば』は単に『食べていると』という意味で、『柿を食べたら鐘が鳴った』という因果関係を示しているわけじゃないんだ。柿を食べていたら法隆寺の鐘が鳴って、その響きに秋を感じるなぁ、という意味だよ」
クロード「そうだったのですか。ひとつ勉強になりました」
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