ヒビキとクロードの365日

あてきち

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10月

10月15日『世界手洗いの日』

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クロード「ふぅ、今日の家庭菜園仕事はおしまいですね。手を洗いましょう。水で流してパッパッパッと」

 ヒビキ「ピピー! もっと綺麗に洗いなさい!」

クロード「うわっ、いきなりホイッスルを鳴らさないでください、ヒビキ様。驚くではありませんか。一体何なのですか?」

 ヒビキ「クロード、家庭菜園で土いじりをしておいて、手を水で流すだけだなんてダメでしょうが。石鹸を使って綺麗に洗いなさい」

クロード「えー、そう言われましても。石鹸で毛を洗うと毛並みがゴワゴワして気持ち悪くなるので嫌なんですよ。しっかりこすって洗いますから許してください」

 ヒビキ「ピピー! 黙らっしゃい! 今日10月15日は『世界手洗いの日』。そんな日に雑な手洗いを許すわけにはいかないのだ。生活魔法『バブルウォッシュ』!」

クロード「はふーん♪ 全身が気持ちよく洗われるううううう☆」

 ヒビキ「ふぅ、これで綺麗になったね」

クロード「手どころか全身くまなく隅々までウォッシングされましたがね。まあ、石鹸で洗うのと違って毛並みがさらさらになったので助かりましたが……しかし、手洗いの日なんてものが存在するのですね。記念日にするほどのものなのですか?」

 ヒビキ「当然! 『世界手洗いの日』は国際連合児童基金『ユニセフ』が提唱している国際的な記念日だよ。国際衛生年の2008年から設けられて、毎年この日に各国で普及活動が行われているんだ」

クロード「手を洗うことがそんなに重要なのですか?」

 ヒビキ「季節性のインフルエンザや風邪で特に多い感染源は、実は手なんだ」

クロード「手が? ああいうものは空気から感染するものなのでは?」

 ヒビキ「例えばくしゃみや咳をした時に口を手で塞ぐと飛沫が手につく。その手で触れたドアノブやテーブルにも飛沫が付き、それを経由して誰かの手に飛沫が付着して、そこから感染へ繋がっていく。手ってのは意外と体の粘膜、口や目に触れる機会が多いからね。割と簡単に感染しちゃうんだよ。ユニセフでは、石鹸を使った手洗いは、最もお金がかからずに効果のある『ワクチン』だとまで言われているんだ」

クロード「そ、それは思いもつきませんでした。言われてみればそうですね……」

 ヒビキ「重要なのはお金をかけずにできることだね。医薬品のワクチンを打たずにできる、誰でもできる効果的な予防法だ。普及すればそれだけ多くの人の健康を守ることができる。病気は治療するよりも予防した方が手間もお金もかからないからね」

クロード「そうですね。私もこれからはしっかり手洗いをしようと思います」

 ヒビキ「そうそう。そうしないと毎回俺がクロードの『はふーん♪』」動画をネットに配信することに……」

クロード「ぜ、絶対に手洗いを忘れません! というかその動画消してください!」

動画再生『はふーん♪ 全身が気持ちよく洗われるううううう☆』

クロード「ぎゃああああああっ!? ちょ、本当にやめてええええええええ!」




★★★★★
その他の記念日『きのこの日』
※日本特用林産振興会が1995年に制定。
※きのこ類の需要が高まる10月かつ、ど真ん中にあたる15日を記念日とした。

クロード「こういう記念日の決め方もあるのですね。なんだか新鮮です」
 ヒビキ「最近は語呂合わせが多かったからねぇ。あ、焼けたよマツタケ」
クロード「国産マツタケとは豪勢ですね。高かったのでは?」
 ヒビキ「……いや、うん……高かった高かった」
クロード「もしや、ヒビキ様……『複製転写』で複製したなんてこと」
 ヒビキ「美味しいね、国産マツタケ♪」
クロード「気になって味がしませんよ!」
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