ヒビキとクロードの365日

あてきち

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10月

10月12日『豆乳の日』

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クロード「おはようございます、ヒビキ様」

 ヒビキ「おはよう。今コーヒーを淹れてるんだけど、クロードも飲む?」

クロード「ありがとうございます。では、ミルクも一緒にお願いします」

 ヒビキ「分かった。ちょっと待ってね」

クロード「朝起きて、ヒビキ様にコーヒーを淹れていただけるなんて、私は幸せものですね」

 ヒビキ「お待たせ~」

クロード「ありがとうございます。ゴクリ……おや、このコーヒー、いつもと少々風味が違うような……?」

 ヒビキ「美味しくない?」

クロード「いいえ。これはこれでまろやかな風味がなかなか美味しいです。もしかして、いつもと違うミルクを使ったのですか?」

 ヒビキ「うん。今日10月12日は『豆乳の日』だからね。今日は牛乳じゃなくて豆乳を使ってみたんだ。苦手に感じる人もいるからちょっと心配だったけど、クロードには気に入ってもらえたみたいでよかったよ」

クロード「とうにゅう? えっと……何の乳ですか?」

 ヒビキ「大豆だよ」

クロード「大豆って、あの、植物の大豆ですか? 豆から乳が取れるのですか?」

 ヒビキ「大豆を水に浸してすり潰し、水を加えて煮詰めた汁を漉したものが豆乳だよ。クロードのコーヒーに使ったのは、牛乳に似せて味を調節した調整豆乳と呼ばれる飲み物だね。健康にもいいからって、最近ではスーパーでもよく売られているし、カフェなんかでも牛乳の代わりに使ったものが女性に人気だったりするよ」

クロード「ほぉ、健康によいのですか?」

 ヒビキ「豆乳には『大豆イソフラボン』という成分が含まれていて、体内で女性ホルモン『エストロゲン』と同様の働きをしてくれるんだ。これが骨粗鬆症や動脈硬化の予防、更年期障害の緩和に効果があるといわれていて、女性に人気なんだよ」

クロード「まあ、多少風味が違うとはいえ、牛乳の代わりとして飲む分には問題ありませんし、健康にもよいのですから飲もうという人も多いでしょうね」

 ヒビキ「クロードのコーヒーに入っているのは調整豆乳だから、牛乳っぽい味になっているけど、無調整の豆乳の味はなかなか独特だよ?」

クロード「そんなに違うのですか?」

 ヒビキ「無調整豆乳もあるから試してみたら? はい、どうぞ」

クロード「では、ゴクリ……こ、これは……ちょっと……」

 ヒビキ「その味に覚えがあるでしょ?」

クロード「……まんま豆腐ですね。しかし、飲み物として飲むと強烈です」

 ヒビキ「だから調整豆乳があるんだけどね」

クロード「ヒビキ様、私はこれからも調整豆乳でお願いします」

 ヒビキ「了解。といっても、健康にいいからって飲み過ぎたらダメだからね。飲みやすくするために砂糖や果汁が加わっているんだから」

クロード「承知しました。では、今度は豆乳多めでコーヒーを飲んでみたいです」

 ヒビキ「はいはい、分かりました。俺も飲もうっと」

クロード「ふぅ、今日はテーマのおかげか朝からまったりできていい感じです」



★★★★★
その他の記念日『芭蕉忌』
※元禄7年10月12日(新暦1694年11月28日)
※江戸時代の俳諧師・松尾芭蕉が亡くなったことに由来。

クロード「そういえば、今日はなぜ『豆乳の日』なのですか?」
 ヒビキ「体育の日がある月は健康的な印象から10月。『豆乳』=『とう10にゅう2』で12日だね」
クロード「……毎月12日とかにした方がいい気がしないでもないですね」
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