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9月
9月30日『交通事故死ゼロを目指す日』
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ヒビキ「今日はゲストに来てもらっていまーす!」
クロード「またですか? 昨日ネコ集団に散々引っ掻き回されたばかりなのですが」
ヒビキ「というわけで、今日は候兄ちゃんに来てもらいました」
クロード「ちっ!」
コウイチ「ちっ!」
ヒビキ「同時に舌打ち!?」
クロード「ヒビキ様、なぜハワタリ殿を呼んだのですか? 別に必要ないでしょう」
コウイチ「響生、俺がいるんだからこんな駄犬は不要だろう? 拾ってきたところに返してきなさい」
クロード「私はこの作品内でずっとヒビキ様のパートナーをしてきたのです! ぽっと出のあなたが帰るべきでしょう! ここにあなたの居場所はありません!」
コウイチ「俺が何年響生のそばにいたと思っているんだ! ぽっと出はお前の方だ。本来お前など出会うことすら許されなかったんだぞ。駄犬は去れ。ハウスだハウス」
クロード「言わせておけばー!」
コウイチ「暴力に訴えるというなら私にも心得くらいあるからな」
ヒビキ「なんという既視感……というか、いい加減にしてよね、二人とも! 仲良くやれないなら、今日は二人とも帰ってもらいます!」
クロード「ヒビキ様、私とハワタリ殿は無二の親友です。ケンカなどしていません」
コウイチ「言うまでもないことだぞ、響生。俺達は出会ってからずっと仲良しだ」
ヒビキ「うっわ。変わり身はやっ! 肩組んでニコニコしてる。いや、もう面倒臭いからそのままでいこう。今日、候兄ちゃんを呼んだのは他でもありません。本日9月30日が『交通事故死ゼロを目指す日』だからです」
クロード「交通事故というと、ヒビキ様の世界やテラダイナスにあった自動車による衝突事故などのことですか? それとハワタリ殿に何の関係が?」
ハワタリ「交通事故にも色々あるが、やはり自動車事故が主眼になるだろう。そして、響生の仲間の中で運転免許を保有している日本人は俺だけだったという話だな」
ヒビキ「候兄ちゃん以外みんな十八歳未満の高校生だからね。『交通事故死ゼロを目指す日』は、日本政府が『生活安心プロジェクト』の一環として2008年からスタートさせた記念日だよ。一年間に三回あって、今日以外にも2月20日と4月10日が該当するんだ。春と秋は全国交通安全運動の期間中に含まれているね」
クロード「事故をなくす運動自体はいいことだと思いますが、なぜ春と秋にそんな運動をするのですか?」
ハワタリ「交通事故で被害に遭う者の多くは老人か子供だ。そして春は小学校の新入学生など、初めて通学路を歩く子供達が増える季節でもある。児童に交通ルールを学び、馴染んでもらいつつ、運転者側にも注意を呼び掛けることが主な目的だ」
ヒビキ「秋の場合は、この前の『秋分』以降、日没までの時間がどんどん早くなっていくからだね。急激に暗くなり、運転者が景色の明るさを誤認して、ヘッドライトを未点灯のまま運転したり、暗がりの歩行者に気づくのが遅れたりして重大事故が発生しやすい季節になるんだ。だから、この時期にも注意を促す必要があるんだよ」
クロード「季節によって交通事故の原因や種類も変わってくるのですね。では、2月20日の由来は何なのでしょうか?」
ヒビキ「ちょっと調べてみたけどはっきりとした説明は見つけられなかったね。でも、おそらく雪が降る季節だからじゃないかな? スリップ事故が多いんだと思う」
クロード「確かに、雪が降ると馬車も事故を起こすことが多いですしね。まあ、雪の日に馬車を走らせるような者は事故を起こして当然ですが。それで、効果は出ているのですか?」
コウイチ「世間では悲惨な交通事故を特集する報道が多く取りざたされているが、数値的には年々交通事故件数は減少傾向にあるな。逆に減っているからこそ目立っているのかもしれない」
ヒビキ「交通事故全体の内訳だと、やっぱり高齢者の割合が上昇傾向にあるらしいよ。運転者にしても歩行者にしてもね。あと、いくら注意してもなくならない飲酒運転も問題視されている」
コウイチ「どれもこれも『自分は大丈夫』という根拠のない無意識の自信が事故の原因であるケースが多いそうだ。高齢者の場合は、緊急時に自分は必要な対応を素早く行えると思い込んでいるせいだったり、飲酒運転の場合は、短い距離なら飲酒状態であっても事故は起きないなどと勝手な思考をしているせいだったり……どれもこれも自分基準の独りよがりな考えが原因で起きる事故だな。迷惑極まりない話だ」
ヒビキ「こ、候兄ちゃん、なかなか辛辣だね」
クロード「しかし、それが真理なのでしょう。交通事故は避けようのない天災というわけではないのですから、誰もがきちんと気を配ってさえいれば防ぐことのできるはずです。交通事故死ゼロの日が訪れてくれることを願うばかりです」
コウイチ「……おい、何やら話を締めにかかっているように聞こえるが、なんでお前が話を締めようとするんだ」
クロード「はぁ? 私はこの作品ではヒビキ様に次いで各話を締めてきたのです。私が実行するのに何の問題があるというのですか」
コウイチ「俺というゲストがいるんだから、お前は俺の顔を立ててでしゃばらず敬意をもって俺に最後の締めをやらせるべきだろう。そんな配慮もできないのか」
クロード「ああん? 私はあなたに敬意? 面白い冗談ですね。あなたのどこに敬意を払うべき要素があるというのですか。今だってそうです。自分から相手に敬意を払えなどと強制するその言い草のどこを敬えと? 冗談は家に帰って一人で勝手にしていただきたいものです」
コウイチ「お、なんだそのこちらを見下す表情は……躾けられたいのか、駄犬が」
クロード「また駄犬駄犬と……ほんの少しヒビキ様と長く過ごしていたからと調子に乗るのも大概にしていただきたい! ケンカを売っているのですか? きっちり高値で買い取って差し上げてもいいのですよ? 倍にして払ってあげましょう」
コウイチ「ほぉ? お前ごときが俺の言い値の倍も支払えると本気で思っているのか? 異世界の勇者だか何だか知らないが、その程度の肩書きで俺を上回れると思うなよ」
クロード&コウイチ「「表へ出ろ! 勝負だ!」」
ヒビキ「……そういえば、テラダイナスにも運転免許持ってる人いたっけ。クレアンナさんをゲストに呼べばよかったかなぁ……」
クレアンナ「呼んだでありま――」
ヒビキ「さすがにもうお腹いっぱいです!」
★★★★★
その他の記念日『クミンの日』
※カレーの香り付けスパイス『クミン』。
※クミンを使ったスパイスだけでカレーを作る日として、ハウス食品が制定。
※『クミン』=『ク9ミン30』の語呂合わせ。
ヒビキ「カレーできたよぉ……」
クロード「はああああああああああああああああああ!」
コウイチ「とやあああああああああああああああああ!」
ヒビキ「……めっちゃ既視感」
クレアンナ「おかわりくださいであります。おっと、バルス殿も呼ぶであります」
ヒビキ「やめてねホント!」
クロード「またですか? 昨日ネコ集団に散々引っ掻き回されたばかりなのですが」
ヒビキ「というわけで、今日は候兄ちゃんに来てもらいました」
クロード「ちっ!」
コウイチ「ちっ!」
ヒビキ「同時に舌打ち!?」
クロード「ヒビキ様、なぜハワタリ殿を呼んだのですか? 別に必要ないでしょう」
コウイチ「響生、俺がいるんだからこんな駄犬は不要だろう? 拾ってきたところに返してきなさい」
クロード「私はこの作品内でずっとヒビキ様のパートナーをしてきたのです! ぽっと出のあなたが帰るべきでしょう! ここにあなたの居場所はありません!」
コウイチ「俺が何年響生のそばにいたと思っているんだ! ぽっと出はお前の方だ。本来お前など出会うことすら許されなかったんだぞ。駄犬は去れ。ハウスだハウス」
クロード「言わせておけばー!」
コウイチ「暴力に訴えるというなら私にも心得くらいあるからな」
ヒビキ「なんという既視感……というか、いい加減にしてよね、二人とも! 仲良くやれないなら、今日は二人とも帰ってもらいます!」
クロード「ヒビキ様、私とハワタリ殿は無二の親友です。ケンカなどしていません」
コウイチ「言うまでもないことだぞ、響生。俺達は出会ってからずっと仲良しだ」
ヒビキ「うっわ。変わり身はやっ! 肩組んでニコニコしてる。いや、もう面倒臭いからそのままでいこう。今日、候兄ちゃんを呼んだのは他でもありません。本日9月30日が『交通事故死ゼロを目指す日』だからです」
クロード「交通事故というと、ヒビキ様の世界やテラダイナスにあった自動車による衝突事故などのことですか? それとハワタリ殿に何の関係が?」
ハワタリ「交通事故にも色々あるが、やはり自動車事故が主眼になるだろう。そして、響生の仲間の中で運転免許を保有している日本人は俺だけだったという話だな」
ヒビキ「候兄ちゃん以外みんな十八歳未満の高校生だからね。『交通事故死ゼロを目指す日』は、日本政府が『生活安心プロジェクト』の一環として2008年からスタートさせた記念日だよ。一年間に三回あって、今日以外にも2月20日と4月10日が該当するんだ。春と秋は全国交通安全運動の期間中に含まれているね」
クロード「事故をなくす運動自体はいいことだと思いますが、なぜ春と秋にそんな運動をするのですか?」
ハワタリ「交通事故で被害に遭う者の多くは老人か子供だ。そして春は小学校の新入学生など、初めて通学路を歩く子供達が増える季節でもある。児童に交通ルールを学び、馴染んでもらいつつ、運転者側にも注意を呼び掛けることが主な目的だ」
ヒビキ「秋の場合は、この前の『秋分』以降、日没までの時間がどんどん早くなっていくからだね。急激に暗くなり、運転者が景色の明るさを誤認して、ヘッドライトを未点灯のまま運転したり、暗がりの歩行者に気づくのが遅れたりして重大事故が発生しやすい季節になるんだ。だから、この時期にも注意を促す必要があるんだよ」
クロード「季節によって交通事故の原因や種類も変わってくるのですね。では、2月20日の由来は何なのでしょうか?」
ヒビキ「ちょっと調べてみたけどはっきりとした説明は見つけられなかったね。でも、おそらく雪が降る季節だからじゃないかな? スリップ事故が多いんだと思う」
クロード「確かに、雪が降ると馬車も事故を起こすことが多いですしね。まあ、雪の日に馬車を走らせるような者は事故を起こして当然ですが。それで、効果は出ているのですか?」
コウイチ「世間では悲惨な交通事故を特集する報道が多く取りざたされているが、数値的には年々交通事故件数は減少傾向にあるな。逆に減っているからこそ目立っているのかもしれない」
ヒビキ「交通事故全体の内訳だと、やっぱり高齢者の割合が上昇傾向にあるらしいよ。運転者にしても歩行者にしてもね。あと、いくら注意してもなくならない飲酒運転も問題視されている」
コウイチ「どれもこれも『自分は大丈夫』という根拠のない無意識の自信が事故の原因であるケースが多いそうだ。高齢者の場合は、緊急時に自分は必要な対応を素早く行えると思い込んでいるせいだったり、飲酒運転の場合は、短い距離なら飲酒状態であっても事故は起きないなどと勝手な思考をしているせいだったり……どれもこれも自分基準の独りよがりな考えが原因で起きる事故だな。迷惑極まりない話だ」
ヒビキ「こ、候兄ちゃん、なかなか辛辣だね」
クロード「しかし、それが真理なのでしょう。交通事故は避けようのない天災というわけではないのですから、誰もがきちんと気を配ってさえいれば防ぐことのできるはずです。交通事故死ゼロの日が訪れてくれることを願うばかりです」
コウイチ「……おい、何やら話を締めにかかっているように聞こえるが、なんでお前が話を締めようとするんだ」
クロード「はぁ? 私はこの作品ではヒビキ様に次いで各話を締めてきたのです。私が実行するのに何の問題があるというのですか」
コウイチ「俺というゲストがいるんだから、お前は俺の顔を立ててでしゃばらず敬意をもって俺に最後の締めをやらせるべきだろう。そんな配慮もできないのか」
クロード「ああん? 私はあなたに敬意? 面白い冗談ですね。あなたのどこに敬意を払うべき要素があるというのですか。今だってそうです。自分から相手に敬意を払えなどと強制するその言い草のどこを敬えと? 冗談は家に帰って一人で勝手にしていただきたいものです」
コウイチ「お、なんだそのこちらを見下す表情は……躾けられたいのか、駄犬が」
クロード「また駄犬駄犬と……ほんの少しヒビキ様と長く過ごしていたからと調子に乗るのも大概にしていただきたい! ケンカを売っているのですか? きっちり高値で買い取って差し上げてもいいのですよ? 倍にして払ってあげましょう」
コウイチ「ほぉ? お前ごときが俺の言い値の倍も支払えると本気で思っているのか? 異世界の勇者だか何だか知らないが、その程度の肩書きで俺を上回れると思うなよ」
クロード&コウイチ「「表へ出ろ! 勝負だ!」」
ヒビキ「……そういえば、テラダイナスにも運転免許持ってる人いたっけ。クレアンナさんをゲストに呼べばよかったかなぁ……」
クレアンナ「呼んだでありま――」
ヒビキ「さすがにもうお腹いっぱいです!」
★★★★★
その他の記念日『クミンの日』
※カレーの香り付けスパイス『クミン』。
※クミンを使ったスパイスだけでカレーを作る日として、ハウス食品が制定。
※『クミン』=『ク9ミン30』の語呂合わせ。
ヒビキ「カレーできたよぉ……」
クロード「はああああああああああああああああああ!」
コウイチ「とやあああああああああああああああああ!」
ヒビキ「……めっちゃ既視感」
クレアンナ「おかわりくださいであります。おっと、バルス殿も呼ぶであります」
ヒビキ「やめてねホント!」
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